議会報告

【質問項目】

・不登校対策

・中山間地域での高齢者支援

・特定利用港湾

 

●塚地議員 日本共産党の塚地佐智でございます。時間もございませんので、早速、質問に入らせていただきます。

 

【不登校対策】

●塚地議員 最初に不登校対策についてお伺いをいたします。

昨年の12月県議会でも、中根議員が不登校問題について質問をし、教育長からも前向きなご答弁もいただき、この課題に対する真剣な取り組みが広がっていると思います。

しかし、一方で、教職員と子どもたちの忙しさは相変わらず、とりわけ、ここ数年の不登校になる特徴は学年が低学年化していることです。現在の学校が子どもたちにとっても魅力ある学校になっているのか、根本問題が突きつけられています。

県教育委員会としても、課題意識のもと、2023年6月に「高知県不登校児童生徒の多様な教育機会確保に関する協議会」を設置され、先進地視察、不登校児童生徒や保護者のアンケートも実施をし、議論を重ね、昨年12月に「子どもたちが誰一人取り残されない学びの保障に向けた提言」が作成をされ、提出をされました。

個別の不登校児童対策という狭い枠にとどまることなく、子どもたちが誰一人取り残されない学びの保障という現在の学校のあり方や社会のありよう、さらには、子どもの意見を聞く姿勢が貫かれ、大変示唆に富んだ提言だと思います。

私はこの提言が、まず、第一の柱に「安心安全な学級・学校づくり」を打ち出し、「すべての子どもの居場所としての機能を果たすよう努める必要がある。そのために、教職員は日頃から子どもとの温かい人間関係を構築し、悩みや問題を気軽に相談できるような学校風土の醸成に努めることが重要である」と書かれていて、不登校となる原因は子どもや家庭の責任ではなく、1人1人の子どもに適切な対応が取れていない学校のありようなのだとしていることに大いに共感するものです。

◆教育長は、学校現場での経験もおありですが、この重要であると指摘をされた点をどのように受け止められたか、お伺いをいたします。

 

○教育長 不登校は様々な要因が複雑に絡み合って生じるものであり、誰にでも起こりうるものでございます。そのため、その子どもの周りにいる全ての関係者が、子どもを真ん中に置いて、それぞれの立場で協力し合って支援を行っていくことが必要と考えております。

その上で、不登校は学校に行かない、あるいは、学校に行けないと学校に関わる形をとって生じるものであり、学校は子どもたちにとって安心安全で魅力的な場所であるのか、学校 自身の在り方を問い直していく必要があると考えます。

そのような意味で、本協議会からいただきました「安心安全な学級・学校づくり」を含めた今回の提言については、県教育委員会としてしっかりと受け止め、対応策を取っていかなければならないと考えております。

 

●塚地議員 大変多岐にわたって提言の中では、具体的な問題点の改善点が指摘されていますので、是非、全面的な実践というところに力も入れていただきたいと思います。

◆今、受け止めをお伺いいたしましたが、このことを学校現場で具体化するために、教育行政として、今後何に重点を置いて進めるべきとお考えかお聞かせください。

 

○教育長 子ども達が、安心安全に過ごし、楽しく学び成長できる学校づくりを進めるためには、まず第一に、教員が子どもの心の状況に気づき、そして子どもたちをしっかりと受け止めることができるよう、子どもと向き合う時間を確保することが重要と考えます。

そして、そのため、学校の働き方改革を確実に進めていくとともに、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの専門人材や、あるいは、地域の方々と学校の連携体制を整えていかなければならないと考えているところでございます。

そして、二つには、学校における教育活動の中心となる授業を魅力あるものにしていくことが重要であり、そのために、子どもたちが分かった、面白いと思う授業づくりが進められるよう、教員の学ぶ機会を充実させることが必要と考えております。

そして、三つには、仮に子どもたちが不登校になったとしても、その子どもたちが学びたいと思った時に学びにつながることができるよう、学びを保障していく体制を作ることが必要でございます。

県教育委員会としましては、こうした点に重点を置きまして、子どもたちが誰1人取り残されることがないように、多様な教育機会の確保を含めた不登校対策の取り組みを進めてまいります。

 

●塚地議員 ありがとうございました。

問題点は、本当に共有をされていると思います。残りは、やっぱり、きちんとした人材を整える予算をはじめとした人材確保というところが、大変これから重要になってこようと思いますので、是非、ご奮闘いただきたいと思います。

私たち県議団、党県委員会もですね、この間、不登校で悩んでおられる保護者や教職員、スクールカウンセラーの方などの懇談をして、聞き取りで直接声も聞いてまいりました。

今すぐ学校が変わらなくても日々成長していく、子どもたちの学びの保障をどうしていくのか、関係者の方々の努力や要望もたくさん聞かせていただいてまいりました。

その中からいくつか質問をさせていただきます。

まず、子どもから学校に行きたくないと言われた時の最初の対応です。多くの保護者は学校に行かせるのは親のつとめという意識があり、自らを責める日々が続き、学校に相談することをためらってしまう一方、学校側も学校に復帰してほしいとの思いが強く、外部の情報を積極的に提供することに消極的となり、保護者からは情報が届かないとの声が寄せられています。

保護者の不安にも寄り添い、子どもの支援につなげる上でも、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの役割は極めて重要で、高知県では全国に先駆けて配置を進めてきました。確かに配置校数は多いのですが、実際は数校を駆け持っている上に、会計年度 任用職員ですから、週1回学校に来るだけなので、ゆっくり相談ができないとの指摘や教職員や家庭、子どもと継続して関わることができないとの悩みも出されています。

言語化できない子どもに寄り添った対応ができるスキルを蓄積・継承していくシステムも重要です。

◆スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを正職員として配置すべきだと思いますが、このことについて、現在どのような検討がされているのか、教育長にお伺いをいたします。

 

○教育長 本県におきましても、全国と同様に、この不登校児童生徒数が増加している状況で、不登校対策をより充実させていくことが必要でございます。

その対応策の1つとして、スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーの業務の質的な充実を図っていきたいと考えているところでございます。しかしながら、こうした人材を正規職員として雇用するとなりますと、定数上の取り扱いや人件費の裏付けなどを整理していかなければならない課題も非常に多い状況でございます。

そのため、子どもあるいは学校への支援をより的確にかつ丁寧に行うことができるように、まずは専門性の高いスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを各地域拠点に常勤で配置すること、そういったことを国に提言を行っているところでございまして、今後もその必要性について、強く訴えていきたいと考えております。

 

●塚地議員 ありがとうございます。

この時期、会計年度任用職員の方々は来年度どうなるのかという不安の中に置かれています。専門性のある方々が着実にそこでスキルを身につけて、やっぱり成長していただくという上でも、私は今常勤化というお話もありましたけれども、やっぱり正職員として雇っていくという方向を是非、これからも追求していただきたいということは要望しておきたいと思います。

不安を取り除きつつ、1人1人に見合った居場所や学びの保障をどうするかという課題があります。聞き取りでは、学校での居場所としての保健室はもちろんですけども、学校図書館という回答も多く、大事な場所なのだと改めて認識されていますが、それぞれの市町村によって司書や支援員の配置に大きな差があり、(不登校児童生徒の)居場所としての配置の促進が求められています。

そうした中、令和3年度からモデルケースとして実施してきた学校内に設置されているサポートルームが大きな成果を挙げています。ある中学校では専属の教員が配置をされ、学校に来づらくなった子どもたちを、パステルカラーの机やカーテンで威圧感なく暖かく受け入れ、そこを拠点に自分のクラスに行ける時は、授業に参加するという取り組みで、その学校では、不登校になる生徒がいなくなったとの報告もあります。

◆来年度以降、校内サポートルームについてどのようなことを取り組んでいくのか、教育長にお伺いをいたします。

 

○教育長 校内サポートルームにつきましては、県教育委員会として、令和3年度に3校の指定校から研究をスタートし、教員加配や財政支援を行いながら設置拡充を図ってまいりました。

現在、市町村が独自に設置しているものを含めまして、45の小中学校にこの校内サポートルームが設置されております。そして、この校内サポートルームを設置する中学校からは 新規不登校生徒数の出現率が一定抑えられているといった報告も上がってきております。

こうしたことから、校内サポートルームの設置主体である各市町村教育委員会に対して、改めてサポートルームの果たす役割や、その効果についての理解を図るとともに設置のための財政支援等を充実していきたい、と考えております。

 

●塚地議員 是非、充実の方向でよろしくお願いをしたいと思います。

学校内での居場所だけでなくて、校外での学びの場の有効性も明らかになっています。その1つが、市町村教育委員会が設置をしている教育支援センターです。子どもたちの自主性を重んじ、様々な活動に意欲的に取り組めるよう工夫をされ、自信を取り戻していく実践がさらに広がっていくよう期待をしています。

中でも給食が届けられることで、子どもが受け入れられているという安心感ができること、保護者の負担軽減にもなると、県内のいくつかの教育支援センターでは、定期的に通所している児童生徒の給食を学校給食センターから配送、学校と同じように教職員にも届けられるセンターもあります。

市町村において、子どもたちに寄り添った取り組みが進んでいます。この間、声を届けてきた方の中には、中山間地域の方々もおられ、フリースクールはもちろん教育支援センターに通所することも距離的に困難で、せめて学校区ごとの学外の居場所が欲しいとの要望も出されています。あったかふれあいセンターのサテライト会場などを活用するなど、中山間における居場所づくりについて、市町村、教育委員会等と協力もぜひ要請をしておきたいと思います。

校外の学びの場として、フリースクールという選択肢も大切で、来年度予算には運営費補助が提案をされています。大事な支援だと思います。しかし、平均 3から4万円という高額な授業料や教育支援策センターを含めた、通学費や活動費の負担ができない世帯もあります。

この点に関して、令和5年度の文部科学省の委託事業として、栃木県の教育委員会が実施をいたしました「不登校児童生徒に対する経済的支援推進事業」の調査結果が大事です。

この調査の目的は、義務教育の段階における普通教育に相当する機会の確保等に関する法律と基本方針を踏まえ、経済的な理由で、教育支援センターなどに通うことが困難な児童生徒について、社会的自立に向けた学習等の活動に取り組むことができるよう支援を行うというもので、現行の就学援助における援助額を踏まえ、県教育委員会が児童生徒の保護者に直接支払った結果、子どもの通所により対象児童生徒の人間関係の形成に寄与し、保護者の就労にもつながり、心理的余裕が生まれるという効果があったと報告をされています。

こうした直接支援が大変重要だったという結果です。本県においても、フリースクールへの運営費補助が始まる予定です。

◆けれども、併せて、そこに通所する困窮世帯への直接支援ができないか、この点を教育長にお伺いをいたします。

 

○教育長 県教育委員会では、不登校の子どもの学校外の学びの場の充実を図るため、令和7年度から一定の要件を満たすフリースクールに対して、教材費や活動費など運営費補助を行うことを考えております。

これにより、フリースクールにおける教育内容の充実が図られ、また利用料等の負担軽減につながる可能性もあることから、この事業は通所する子どもやその保護者の方にも効果を及ぼすものと考えるところでございます。

お話のありましたフリースクールに通所する困難世帯への直接支援につきましては、まずは義務教育段階に係る学校を所管する市町村や、また、関係部局とも十分に話し合うことが必要であるという風に考えております。

 

●塚地議員 ありがとうございます。

利用料負担についての軽減を、市町村の方とも協議もしていただくということですので、是非、積極的に実現の方向で、協議を進めていただきたいとお願いをしておきたいと思います。その上で県ができる助成をまた検討していただけたらと思いますので、よろしくお願いします。

最後に不登校となったとき、行きしぶりが始まった頃、子どもの不安や保護者の戸惑いに向き合い、各種相談機関などとつながるための時間が大変重要です。とりわけ、不登校が低学年に広がっていることを見ると、保護者が家庭で対応することも必要となります。不登校になるということが、個人や家族の責任だけではなく、社会全体の問題としての認識も広がっています。安心して子どもに向き合う育児・介護休業や休暇制度の中に不登校児童生徒ケアも位置づける制度改正が求められています。

2月6日に、私ども、日本共産党県委員会、県議団、保護者の方で、文部科学省に不登校対策についての要請に行ってまいりました。

その際、不登校児ケアに対応する休暇・休業制度について、文部科学省の担当者からも民間調査でも不登校の子どもの保護者のうち4人に1人が離職か、休職せざるを得なかったと聞いていると話され、問題意識を共有していることを実感いたしました。

厚生労働省でも、この間、育児・介護休業法の改正で介護休暇を見直しました。さらに、厚生労働省の雇用環境均等局は、今年1月に「介護休業制度における常時介護を必要とする状態に関する判断基準の見直しに関する研究会報告書」をまとめ、医療的ケア児の対応や不登校の家族への制度運用についても明記をされております。

◆知事部局において、この不登校児童生徒を抱える職員への職場での配慮について、総務部長にお伺いをいたします。

 

○総務部長 ご指摘のような困難に直面した職員について、組織としてサポートしていくことは大変重要と考えております。休暇制度といたしましては、不登校の原因が疾病等にあって、医師が2週間以上の自宅療養が必要と診断した場合で、日常生活の介護が必要と認められれば、休暇の取得が可能となっております。そこまでに至らない場合はですね。休業休暇というよりも、テレワーク、在宅勤務の方が職員のニーズにマッチするのではないかという風に考えておりますので、そういった多様な働き方ができる環境を整えてまいりたいと考えております。

また、実際にテレワークを実施する際には、所得による業務の調整が必要になってくるということも考えられますので、所属長が職員の状況をしっかりと聞き取って、組織としてしっかりとサポートしていくように、努めてまいりたいと考えております。

 

●塚地議員 ありがとうございました。

◆再度確認ですけれども、不登校児童のケアについて、介護休業の対象になるという確認でよろしいんでしょうか。

 

○総務部 介護休暇ですけれども、医師の診断があって、その上で、日常生活の介護が必要と認める場合には、取得が可能という仕組みになっております。

 

●塚地議員 この先ほど、ちょっとご説明をしました厚生労働省の雇用環境均等局が、研究発表をしてますね。医療的ケア事業や介護、不登校の子どもたちにも、これの新しい指針を是非対象に検討してほしいということを提言されています。その提言の中ではですね。

◆この判断基準は最低基準で事業主における独自の取り組みとして、労働者にとってより豊かな内容の制度とすることが望ましい、ということも書かれていて、やっぱり、不登校で悩んでおられる職員の皆さんに、しっかり、こういう休暇も休業も取れますよ、ということも周知もしていただきたいという風に思うんですけど、その点はいかがでしょうか。

○総務部長 もちろん、現行制度でどういう使い方ができるのかということは、しっかりと職員の皆さんに、周知をしていきたいと思います。その他の今後の制度改正については国ですとか、他の地方公共団体の動きもしっかりと見ながら対応してまいりたいと思います。

 

●塚地議員 是非、取れるんだ、取りやすくするっていうことでですね、周知の方もお願いをしておきたいと思います。

 

【中山間地域での高齢者支援】

●塚地議員 それでは、次の中山間での高齢者支援について、質問をさせていただきます。ちょっと質問が長くなるんですけど、中山間地域再興ビジョンの暮らしを支える柱に関して、山間地での実践から見えてきた課題について、県としての支援ができないかという思いでお伺いをいたします。

私が、お話を伺ったのは高齢者助け合いサービス事業として、移動支援や生活支援を実施しているNPO団体の責任者の方です。この地域に移住してきて13年目、あったかふれあいセンターとは、別事業として町から委託費 300万円と利用者からの利用料で約30名の高齢者を対象に時給800円の登録ボランティア15名と一緒に地域を支えています。

バスの通る道まで降りて来られない独居の高齢者が多く、事務所から30分ほどの診療所への通院同行や買い物、訪問時には布団干しなどの生活支援、病院では診察室に同行し、医師の説明を聞いて県外の子どもさんにメールを送るといった、まさに家族のような関係で生活を応援しています。

この方が運営していることで移住してきた若い人たちが、ボランティアに活躍しているという全国的にも貴重なNPO団体で、移住者と地域をつなぐ大事な取り組みともなっています。

ただ、大きな課題も提起をされました。この地域の訪問介護事業所は片道40分以上のところで、ヘルパー不足も深刻で、身体介護を伴わない生活介助の依頼を受けることが多くなってきた。しかし、要介護者の支援は生活支援としても専門性があり、有償ボランティアが肩代わりすることで、ケア労働の買い叩きに利用されていると感じる。生活支援に参加するボランティアも人手不足で、高齢者が我慢しなくてはならなくなっている、山間地を支えてきた高齢者が大事にされないところでは、安心して子育てもできないよね、と若い移住者と話しているとも述べられました。

せめて、自分たちの活動が支えになればと頑張っているけれども、300万円の委託費でやりくりするためには、電話は自分のスマホを使用し、使用車は別のボランティア団体が休止するので譲り受けることができたけれども、維持経費が見通せない。事務所から利用者さんの自宅までの走行は30分以上かかることもあるが、制度上利用者の自宅からしか利用料が発生しないため、ボランティアの方の自己負担になっている。

 その上に、ガソリンの高騰が運営に大きく響いていて、運営が厳しく辞めたいとも思うが、利用者さんのことを知ってしまったら、切り捨てるようなことはできないとの深刻な悩みもお聞きをいたしました。

高齢者が元気で住み続けるためになくてはならないこうした支援がボランティアによる やりがい搾取のような形で、やっと維持されているという状況だと思います。

◆中山間地域での持続可能な生活支援の仕組みづくりにどのように取り組んでいかれるのか、子ども・福祉政策部長にお伺いをいたします。

 

○子ども・福祉政策部長 本県では認知症の高齢者や単身高齢者など支援を必要とする高齢者の増加も見込まれる一方で深刻な訪問介護の担い手不足などによりまして、生活援助サービスが行き、届きにくい部分を有償ボランティアなどが支えているといった実例もございます。

こうした課題に向けまして、昨年8月に改正をされました国のガイドラインでは、専門性が必要な介護度の高い高齢者への生活援助は介護事業所が担い、介護度が低い高齢者への生活援助は地域の住民組織など多様な主体により支援を行う方法性が示されております。本県で高齢者の生活を支えていくためには、特定の担い手に負担がかかりすぎることのないよう、ボランティア組織を含めまして、あったかふれあいセンターや集落活動センター、地域の企業や団体など、先ほどの多様な主体の参画を実現していくことが必要であると考えております。

このため、県では地域における人材の発掘や活動の仕組みづくりを支援するために、市町村にアドバイザーを派遣いたしまして、生活援助のニーズと提供サービスのマッチングの仕組みや、地域資源の活かし方などを助言する取り組みを新たに始めることといたしております。

議員のお話がありました、有償ボランティアの活動が継続できるといったことは、若い 移住者の定着や集落の活性化、人材不足が深刻化する中山間地域の担い手の拡大にもつながると考えております。今後も、地域の多様な主体の参入を促進しながら、柔軟で持続可能な生活支援の仕組みづくりに市町村とも協力して取り組んでまいります。

 

●塚地議員 ありがとうございます。

ボランティア頼みっていうことにならないっていうことが、やっぱり大事だと思うんですね。で、その点は是非あの大いに伸ばしていただきたい部分だということで、今後とものご活躍を期待したいと思います。よろしくお願いいたします。

 

【特定利用港湾】

●塚地議員 それでは最後に、特定利用港湾について、お伺いをいたします。

高知港、須崎港、宿毛湾港を特定利用港湾とすることを防衛省などと確認書を交わして、ほぼ1年になろうとしています。

昨年12月20日に、「総合的な防衛体制の強化に資する取り組みについて」、という内閣官房国家安全保障局の報告書が更新をされています。地図上に特定利用空港・港湾となった8空港及び20港湾が明記をされました。この高知の3港も当然含まれています。

◆特定利用港湾がいかにも、法的根拠のある行政処分としての指定のように見えますけれども、法的根拠はあるのか、土木部長にお伺いをいたします。

 

○土木部長 特定利用港湾は、国家安全保障戦略に基づき関係閣僚会議で共有された認識のもと進められているのであります。

特定利用港湾を指定するというのは、自衛隊や海上保安庁の船舶の円滑な港湾の利用につきまして、関係者間で確認する取り組みであるというものでございまして、これは港湾管理者に対して、新たな義務を課したり、あるいは権利を制限しようというようなものではないというものであります。このところから、特別の法的根拠を必要とするものではないという風に認識をしております。

 

●塚地議員 特別なものを課すものではないという、行政的な法的根拠のあるものではないということを確認させていただきました。

その次の質問はですね。この今、言いました報告書の中にインフラ整備の考え方として、「特定利用港湾・空港と自衛隊の駐屯地とのアクセスの向上に向け、道路ネットワークの整備を図る」ということが追記をされました。

◆この新たに付け加えられた道路ネットワークの整備について、国からの説明はあったのか土木部長にお聞きいたします。

 

○土木部長 「特定利用空港・港湾と自衛隊駐屯地等とのアクセスの向上に向けて、道路ネットワークの整備を図るという方針」が、昨年12月20日に開催された関係閣僚会議で、了承され、政府から発表されたということは承知をしております。

なお、このことについての国から本県に対する説明というのは、今のところ受けてはおりません。

 

●塚地議員 国は、年度内ということを公表しておりますので、ギリギリに何かを言ってこられるのかとちょっと不安に思っておりますけれども、私がここで1番不安視をしますの は、これまでの港と自衛隊の駐屯地等を結んでネットワーク化すると、その道路の運用を決めていくっていうことになってるんですね。

まさに、面的整備に広がってきているということだと思うんです。で、この点はあの今後、是非、注視をしていかなくてはならない課題で、国からの何かのお話があれば直ちにご報告もいただきたいということをお願いしておきます。

2月6日にですね、第2回の意見交換会というのが、この確認に基づいて開かれております。意見交換会の参加者メンバーをお伺いしようと思っていましたが、ここでお伺いするとちょっと時間が経ってしまいますので、大変申し訳ございませんが、メンバーは割愛させていただきたいと思います。

各自衛隊の幹部の皆さんも、この意見交換会の中には参加をされているということだと思います。この2月6日の意見交換会で、今後の港の利用計画の概略として高知港の利用を予定していると、詳細は後日だという内容が公表をされております。

◆今後の詳細については、意見交換会の場で示されるのか、土木部長にお伺いをいたします。

 

○土木部長 意見交換会は、港湾の円滑な利用のために自衛隊等による広報や訓練に係る大枠な利用計画についての情報共有というものを、関係者間であらかじめ行うものということでございます。

自衛隊等の港湾利用の詳細な情報につきましては、民間船舶と同様に、港湾管理者である県が使用許可申請を受理する際に、事務的に提出していただくということを想定をしております。

 

●塚地議員 ◆ということは、これから直接、自衛隊の方から県の土木部の港湾の方に使用許可願が出てくる段階で明らかになるということでしょうか?

 

○土木部長 はい、そのように受け止めております。

 

●塚地議員 それはそうなった時の対応についてですね、ちょっと引き続きお伺いしたいと思うんですけれども、この使用許可権限というのは、今お話があった通り県が持っています。県が持っているということは、知事が利用許可権限をその都度出すというふうにも答弁をされています。

◆知事の許可権限というのは県民から付託されているものですので、訓練等の情報は当然、許可を出す以前に県民に公表されるべきものだという風に思いますので、使用計画の内容を事前に公開するということが重要で、国や関係機関との間で、この点が合意をされているのか、知事にお伺いをいたします。

 

○県知事 お話のように、特定利用港湾を自衛隊が使用する計画がある場合には県といたしましては、この情報は可能な限り、県民の皆さんにお知らせをすることは望ましいと考えております。これに関しまして、使用計画の内容を許可を行う前、申請の段階で公表することを国との間で合意しているのかとお尋ねでございましたが、そういう合意はございません。

申請から許可までの間のやり取りの中で、日程などの変更が生じますため、本県ではこうした不確定な段階ではなく、最終的に許可が行われ、その条件が確定した段階で公表する扱いとしております。

具体的には、自衛隊の港湾利用につきましては、その使用日や使用する港、岸壁、船舶の種類、使用の目的、こういった情報を使用許可後、速やかに県のホームページに掲載するという運用を、本年度から開始をいたしているところであります。

 

●塚地議員 やっぱり、そこが私は問題だと思うんですね。それは通常のものなら構いませんよ。でも、Q&Aの中に書かれた通り、武器や弾薬の輸送や部隊の展開もあると、それに特定利用港湾を使うということが書かれてありましたね。

そういうことが書かれてあるから、県民は心配もしている。それが、決定以降、県民に知らされたのでは、何の意味もないです。

◆こういう計画がありますよということを、まずはやっぱり県民に公表するという立場で、この問題に、私は対応をしていただきたいということを思っておりますけれども、その点は、再度知事にお伺いしてよろしいでしょうか。

 

○県知事 これは港湾法の考え方によりますと、差別的取り扱いが禁止をされております。ですから、知事のこの許可は自由裁量ではなくて、いわゆる規則行為だと思っておりまして、例えば、船のスペックが異なるとか、予約が他の船があるという事情がない限りは許可せざるを得ないというものだと思っておりますので、そういう意味では許可をした後に公表させていただくということで、私は問題がないと思っております。