議会報告

  • 2024年07月08日
    2024年6月議会 岡本かずや議員の「学校給食費無償化の早期実現を求める意見書(案)」賛成討論(2024.07.05)

●岡本和也議員 日本共産党の岡本かずやです。

私は議発第12号「学校給食費無償化の早期実現を求める意見書(案)」に賛成の立場で討論を行います。

「学校給食費無償化は、全ての子どもが平等に栄養バランスのとれた学校給食を食べる事ができ、経済的な困難から子どもの健康や学習機会が損なわれない様にする事を目的」とする制度です。

全国どこに暮らしていても、全ての子ども達に、質の高い給食を届け、より良い教育環境を保障する事が求められます。給食の質低下は、無償化が自治体の財政力でまかなわれている現状では確かに懸念点ですが、全国一律の制度とし、国が財源をしっかりと保障すれば、起こりえません。むしろ給食への地元産食材の活用や有機食材の導入などを促進すれば、地元の小規模農業、漁業、水産業、食品製造業などの振興にもつながり、各地域の特色を生かした質の高い給食の提供につながります。不登校児への公平性については、現在、不登校傾向の児童・生徒は、いつ学校に行けるかわからないが食材は事前に確保する必要があるため、実際には登校できなくても学校給食費を負担しています。無償化は、この不公平を解消するものです。

 

また、急激な物価高騰の中、子育て世帯の教育費負担の軽減も急務です。

子育て世帯の声を紹介します。「物の値段が上がって、本当に暮らしにくい」「給料は思うように上がらない」「子ども達にもお金がかかってしょうがない。何とかして欲しい」。この声に政治が応え、子どもたちが健やかに育つ環境づくり、教育費負担の軽減につなげなければなりません。

 

この間、文部科学省が学校給食費無償化について調査を行いました。結果をみると公立小中学校の児童生徒全員の給食費を無償化している自治体が、2023年9月時点で、全国の3割にあたる547自治体となり、前回2017年度の調査の76自治体から約7倍化していることが明らかになりました。また、支援要件を求めるなど一部の児童生徒を対象として無償化を実施している自治体を含めると722自治体と約4割の実施率となり、学校給食費無償化が、全国的な広がりを見せています。

この様な文部科学省調査は、政府が「異次元の少子化対策」の基本方針として2023年6月に発表した「こども未来戦略方針」に基づくもので、岸田首相は、調査結果を元に、小中学校の給食実施状況の違いや法制面等も含め課題の整理を丁寧に行い、具体的方策を検討するとしていました。

今回の調査は、国の学校給食費無償化を検討する基礎的資料となるもので、全国で実施自治体が広がっている事は、公平性を担保するためにも国による一律の制度化の必要性を示しているものと言えます。

 

この様に全国で学校給食費の無償化が進み、政府でも議論になる背景には、参議院常任委員調査室・特別調査室の資料によると昨年(2024年4月)に行われた統一地方選挙において自民党のマニフェストで「理想の子ども数を持たない主要因は経済的理由であり、経済的支援が重要である」と就学後支援の一つとして「小中学校の給食費の無償化」を掲げた事をはじめ、ほぼ全ての主要政党が、学校給食費無償化の必要性を認め、政策で掲げている事があります。学校給食費無償化を進め、子ども達により良い教育環境を提供する事は、政治的な立場を越えた合意となっています。

この様な動きに呼応する様に、各自治体の議会でも学校給食費無償化を求める意見書の可決が広がっています。

今年6月19日付高知新聞の記事には「給食無償化意見書相次ぐ」との見出しで、学校給食費無償化に向けた全国市町村議会での動きについての記事が出ました。

中身を紹介します。財源などの問題で、導入に踏み切れない自治体もあり、地域格差が生じている事から、国が主導して全国一律で無償化するよう求める意見が多いとされています。東京都村山市議会は「自治体の財政だけに頼れば、財政力による格差が生じる」と強調。岩手県議会は、新型コロナウイルス禍や物価高騰が市民の暮らしを直撃したと指摘し「子育て世帯の経済的負担を軽減するため、無償化を強く要望する」とするなど、同様の意見書は北海道や岐阜県、兵庫県などでも可決されているとの事です。今後も、全国的な広がりを踏まえれば、国も検討の加速を迫られることは間違いありません。

高知県は日本一出生数が少ない県となっています。高知県議会として、子どもの教育環境を支え、人口減対策ともなる学校給食費無償化の実現を国に求める事は、立場の違いを越えて、合意できるものと考えます。

全国の動きに後れを取ることがないよう、今議会において、給食の質を保障した全国一律の「学校給食費無償化の早期実現を求める意見書(案)」を全会一致で可決し、国に対して提出できますよう、議員各位の賛同を求めまして、私の賛成討論とさせて頂きます。