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- 2024年07月08日
- 議会(質問・討論)
- 2024年6月議会 はた愛議員の「企業・団体献金禁止など、政治資金規正法の抜本的な改正を求める意見書」賛成討論(2024.07.05)
●はた議員 日本共産党のはた愛でございます。
私は、ただいま議題となりました、議発第9号「企業・団体献金禁止など、政治資金規正法の抜本的な改正を求める意見書」に、賛成。 第10号「政治資金の高い透明性の確保を求める意見書」に、反対の立場で討論をいたします。
第10号は、今回の政治資金規正法の改定をもって、「再発防止策」が盛り込まれたとの評価をしていますが、特に、今回の政治資金・裏金問題の発端となった、政治資金パーティーについては、対価支払者の氏名等の公開基準額の引き下げに、とどまりました。
公開基準額を20万円から5万円に変更したところで、回数を分けて購入すれば、購入者が公開されないことに変わりはありません。今回の改定政治資金規制法の「再発防止策」は、企業・団体献金の裏金化を根本的に防ぐものとは言えない中身となっています。
少なくとも、再発防止というなら、企業・団体献金の「抜け道」と指摘される政治資金パーティーの禁止、企業・団体献金の禁止そのものが必要ですが、多くの野党が一致して求めたにも関わらず、改定には盛り込まれませんでした。
何より、自民党派閥によるパーティー券販売のキックバックである「裏金」が、何に使われたのか、どのような経過で続けられたのか、真相究明はまったく行われておらず、国民への説明を果たしていません。
真相究明に背を向けたままで、法改正を可決した自民・公明両党に、真に政治資金の透明性を確保しようとの意図は、毛頭ないことは明らかです。
改定政治資金規正法の問題点は、再発防止に意味をなさないことだけに、とどまりません。
むしろ、政治資金の透明性そのものを後退させる改悪がなされています。
これまで脱法的に続けられ、自民党をはじめとする、一部政党が党幹部に支出し、使途を公開してこなかった「政策活動費」を、合法化し、使途公開は10年後でかまわないと定めました。
さらに、党幹部でなくても、国会議員・予定候補者であれば支出できるとしたことは、明らかな改悪です。二階派トップの二階俊博氏が幹事長を務めていた約5年間で、手にした政策活動費は約50億円に上り、その使途は全額不明という状況です。
2022年の政治資金収支報告書によると、自民党は、党幹部15人に、約14億1630万円の支出をしています。その内、最も多かった9億7150万円の「政策活動費」を受け取った茂木敏充・自民党幹事長は、具体的な法規制がないことを背景に、「我が党の政策活動費は、党に代わって党勢拡大や政策立案、調査研究を行うために、従来より党役職者の職責に応じて支出されている。関連法令にのっとり適正に処理されている」と、脱法的な実態を認めつつも、使途の非公開を正当化しています。
取材に答えた自民党幹事長室は、「収支報告書の記載事項以上の内容は、憲法で保障されている政治活動の自由に鑑み、従来より回答は差し控えている」と公開を否定しています。
今回の政治資金規正法の改定は、領収書など使途の公開を10年後とするなど、明らかに実効性のないものであり、不透明な政策活動費の実態に、「お墨付き」を与えるものです。
さらに問題なのは、政治資金規正法の「要旨」の作成・公表義務規定を、削除したことです。収支報告書そのものは、3年たつと削除されるため、政治資金の実態を過去にさかのぼって確認することができなくなるという重大な問題であり、「高い透明性の確保」とは真逆の中身です。そもそも、国民の不断の監視と批判の下に置くとした、規正法の基本理念を貫き、収支報告書の公開は拡大していくことこそ必要です。
国民、県民もこの改定政治資金規正法が、抜け穴だらけで、実効性を欠くものだと見抜いています。
地元新聞の調査では、改定政治資金規正法に対して、回答者の9割が否定的な評価だったと報道されています。この点について県民からは、「何らかの見返りを期待してパーティー券を購入しているのは明らか。政策がゆがめられると思う」、「パーティー券購入者の名の公開基準の引き下げも、政策活動費の10年後の公開も、場当たり的で、国民が望む改正にはほど遠い」と、厳しい指摘をしています。
第9号は、企業・団体献金の禁止、「政策活動費」の即刻廃止、「政治資金パーティー」の全面禁止の3点を求めています。
第10号がいうように、「国民の政治に対する信頼回復」と「政治資金の高い透明性の確保」を進めるためには、この3点を含めた政治資金規正法の抜本的な改正が不可欠です。
実効性のある法改正を求めないのであれば、高知県議会も、国民・県民から信頼を失うことにもなりかねません。
抜本的な法改正を求める、議発第9号への、同僚各位の賛同を心からお願いいたしまして、討論といたします。