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- 2024年03月07日
- 議会(質問・討論)
- 2024年2月議会 岡本かずや県議の一般質問
【質問項目】
・中山間地域の人口減対策について
・農業問題について
・休校を活用した地域づくり
・婚活サポーターについて
・四万十市食肉センター整備について
・日の丸君が代の強制に対する国際社会からの是正勧告
・四万十川養殖アオサノリの復活
●岡本議員 日本共産党の岡本和也です。暫時、質問させていただきます。
【中山間地域の人口減対策について】
●岡本議員 先ず、中山間地域の人口減対策ついて質問します。
人口減対策については高知県としても喫緊の課題です。令和6年度一般会計当初予算案の最重点施策推進の一番に人口減対策の抜本強化がうたわれており、それに伴う予算案も573億円、昨年比プラス14億円と予算上からも人口減に対する危機感を判断することが出来ます。
人口減少については私の住む四万十市でも顕著に現れています。それは山間地域、市街地域を問わず一軒、又一軒と廃屋が増え特に山間部では人口減に伴って保育所や小中学校の統廃合が進み人口減に拍車がかかっています。こんな地域の情況を鑑みた場合このまま推移すれば中山間地域に人が住まなくなり、ひいては高知県の衰退につながってくることを実感しています。
なんで中山間地域に人が住まなくなったのか根本原因をしっかり分析する必要があります。そして、どうすれば地域に人が住み続けていけるのか本気になって政策を作らなければなりません。
私は昨年9月議会の質問で「中山間地域再興ビジョン」に関連してこの問題を取り上げました。中山間地域再興ビジョンの中で提案されていた中身には「若者を増やす」「若者の定住・増加と人づくり」に取り組んでいくとあります。私も賛成です。若者が中山間地域で安心して暮らし、結婚して子育てする事が出来る為には何が一番必要か。今回も県として様々な取り組みを具体的に提案されていますが
◆私は、まずは中山間地域で安定した仕事があって、その上で安定した収入が得られる事だと思いますが知事の考えをお聞かせください。
○県知事 岡本議員のご質問にお答えをいたします。
まず、若者が中山間地域で安心して暮らし、結婚して子育てをするために何が一番大切かとのお尋ねがございました。
若者が中山間地域で安心して暮らし続けるためにはまず何と言いましても、個々人の生活を支える経済的な基盤がしっかり確立していることが重要だと考えます。
そのため、中山間地域再興ビジョンでは、施策の柱に仕事を掲げまして安定した収入が得られる、そして若者が魅力を感じることができる、そうした仕事を生み出すための取り組みを強化いたしました。
具体的には、地域の基幹産業であります一次産業におきまして、デジタル技術を活用した生産性の向上、あるいは優良農地を生み出す基盤整備などに取り組んでまいります。
また、地域の若者による起業や事業承継につきましても支援を強化し、魅力ややりがいを感じられる仕事の創出に取り組んでまいります。
合わせまして、地域で縁を結び、子どもを産み育てていくためには、これらに加えまして、子育てしやすい社会環境、仕事と子育てが両立できる職場環境づくりも重要であります。そして、その実現にはまず男は仕事、女は家庭といった性別役割分担意識を解消することが必要と考えています。
このため、私自身が先頭に立ちまして、共働き共育てを県民運動として強力に推進をし、例えば、高知では男性も育休を取るのが当たり前といった社会を目指します。
具体的には、県庁内の率先垂範に加えまして、企業の男性育休の代替要員確保への支援、アドバイザー派遣によります男女ともに働きやすい環境づくりへの支援などに取り組んでまいります。
加えて暮らしや活力といったビジョンに掲げる一連の取り組みを総合的に推進してまいります。これにより若者が生活し続けることができる、そして将来世代を育むことができる中山間地域を目指してまいります。
●岡本議員 そこで今議会では昨年9月に引き続いてもう少し踏み込んだ形で具体的な5項目の質問をさせて頂きます。
【農業問題について】
●岡本議員 まず、農業問題について質問します。具体的には農業における耕地と農業者の確保について。そして農業経営の中で循環できる仕組みづくりについてお聞きします。
日本の基幹的農業従事者は、2000年には約240万人でしたが、2020年には136万3千人、2023年の「農業構造動態調査」では116万人に減り、田畑の面積は、2000年の483万haが、2020年には437万2千haに減っています。三菱総合研究所は去年7月、このままでは農業者の激減で生産力が大幅に低下し、現在自給できている米も2040年には156万トン供給不足になる推計を発表しました。
こうしたもと、政府は、今国会に食料・農業・農村基本法の改定案を閣議決定し提出しました。検討されている内容は、危機を招いたこれまでの農政に対する真剣な検討もなく、従来の延長線上での小手先の対策です。それどころか現行基本法での農政の最大目標としてきた自給率向上の位置づけを大幅に後退させる一方で、輸入途絶など「不測時」には農家に作付け転換や増産を命令できる有事法制の導入を検討しています。食料安全保障というなら、平時より食料自給率の向上に努めるべきです。それを脇に置くのは本末転倒です。
本県の耕地面積と経営体数を見ても、2005年から2020年の15年間で、経営体数は21,617から12,657に8,960減っており耕地面積は28,900haから26,600haに2,300ha減っています。そして、この減少に歯止めがかかりません。現在行われている地域計画では、農地として残す農地と、そうでない農地が仕分けられ、さらに農地が減少することが懸念されています。計画に乗らない農地の保全も図らなければ、さらに農地は減っていき、食料の安定供給が困難になります。
◆食料自給率向上を目指すためにも今後耕地面積の維持にどうとりくむのか、農業振興部長にお聞きします。
○農業振興部長 まず、食料自給率の向上を目指すための耕地面積の維持に向けた取り組みについてお尋ねがございました。
農業者の高齢化などによる耕地面積の減少は、本県のみならず全国的な課題であり、食料 持久力の向上を図る上でも将来にわたり食料を安定的に供給できる農地を今後もしっかりと残していく必要があると考えております。
こうした中、令和5年4月に農業経営基盤強化促進法の改正法が施行され地域での話し合いにより、10年後の目指すべき将来の農地利用の姿を明確化する地域計画の策定が市町村に義務付けられました。
現在、県内の各地域におきまして、来年度末までに地域計画を策定すべく、各地域での話し合いが進められておりますが、その中で担い手不足を切実に訴える声や担い手に農地を引き継いでもらうためにも、農地の生産条件を良くしないといけないといった声が多く挙げられております。
このため、県では地域のきめ細かなニーズに応じた基盤整備が迅速に行えるよう来年度から、県営農地耕作条件改善事業の面積要件を大幅に緩和することといたしました。また、地域の手によって策定された計画を実効性のあるものとするためには、計画でうたわれている担い手をいかに確保していくかが最も重要となります。
このため、県としましても新規就農者の確保に全力で取り組みますとともに既存農家の規模拡大や企業の農業参入を支援するなどにより、将来にわたって守るべき農地の維持に取り組んでまいります。
●岡本議員 次に、新規就農者支援策についてお聞きします。
本県の新規就農者(新規参入、親元就農、雇用就農)の合計は2018年271人から2022年には214人と57人が減少しています。新型コロナウイルス感染症の蔓延以前には年間270人前後が新規就農していましたが、現在の新規就農者は220人弱で、減っているのは主に男性の新規就農者です。女性の就農者数はコロナ禍を通じて50人前後とあまり変わっていません。
◆男性の新規就農者が減っている現状からいえば、その原因を分析し、女性の就農支援と合わせて様々な就農支援策を拡充することが必要です。加えて、若い人達に農業の魅力を伝える事が大事だと考えます。人口減対策の一つとしても新規就農目標の達成にどう取り組むのか農業振興部長にお聞きします。
○農業振興部長 次に、新規就農者数の目標の達成に向けた取り組みについてお尋ねがございました。
県では、第4期産業振興計画におきまして年間の新規就農者数を320人とする目標を掲げ、その達成に向けて取り組んでいるところですが、新規就農者は平成28年の276人をピークに新型コロナの影響が出始めた令和2年度を境に大きく減少し、その後は210人台で推移しております。
このうち、男性は、雇用就農者は横ばい傾向の一方、30歳代以下の自営就農者数が減少しており、中でも親元就農はピーク時の約半数になるなど後継者の農業離れが顕著となっております。昨年、県内の各地域で開催しました生産者などとの意見交換の場におきましても、資材価格の高騰などによって新規就農へのリスクが高まっているといった声や、そうした中でも特に親元就農に対する支援が十分でないといった声が多く寄せられました。
このため、来年度から親元就農をはじめとする新規就農者の確保に向け、施策を大幅に強化することといたしました。
さらには、後継者以外の若者や女性にも農業を仕事として選んでもらえるよう、農業に興味を持ってもらう、仕事として農業の魅力を知ってもらう、働きやすい労働環境を整備するといった段階に応じた取り組みを展開していくこととしております。
人口減少対策は、県政の最重要課題に位置づけられております。農業分野におきましても、農業を魅力ある仕事として若者の定着に繋げるための施策の強化を図り、新規就農者数の目標達成を目指してまいります。
●岡本議員 次に、地域資源を生かした肥料の利用促進についてお聞きします。
戦争や異常気象による生産の不安定化、新興国での需要の爆発的な増大も相まって、食料と農業の危機は一過性の危機ではないと見通されます。
日本の農業は生産資材の大半を海外に依存しており、極めて脆弱な事も浮き彫りになりました。肥料・飼料は2年前の1.5倍に高騰し、安定的な確保さえおぼつかない事態です。そこで政府は、国内の農業者に対して、慣行の施肥体系から肥料コスト低減体系への転換を進める取組や、肥料の国産化に向けた取組を支援するとしています。本県では、栽培技術向上として、水稲での有機栽培歴の作成などとともに、家畜糞堆肥の利用拡大を支援するとしています。畜産由来の堆肥だけでなく食品残渣や山林資源などを生かせば、本県には肥料にできる資源がたくさんあると考えます。農業者の生産コスト削減を図るとともに、環境負荷低減にもつながる肥料の生産を支援することが重要です。地域循環の食料生産システムを築くことは、地域経済の活性化にもつながります。
◆そこで、県内の地域資源を活かした肥料の利用促進にどう取り組むのか、農業振興部長にお聞きします。
○農業振興部長 最後に、県内の地域資源を生かした肥料の利用促進について、お尋ねがございました。
原料の多くを輸入に頼っている化学肥料の価格は、世界情勢の混乱を背景に高騰し、今もなお高止まりの状況にあり農業者の経営を圧迫しております。このため化学肥料の輸入依存から点からの転換に向けまして、地域資源の活用を図ることが重要であると考えております。県内には、肥料への活用が期待できる食品残渣や山林資源、植物残渣といった資源がございますが、実際に活用するには、現在のところ、コスト面や品質面で高いハードルがございます。このため、まずはこれまでも、肥料として活用されてきました家畜糞堆肥の有効利用をさらに進めたいと考えております。
家畜糞堆肥は年間を通して製造されているのに対して、水稲や野菜を栽培する農家の利用は春や夏に集中しますので、需要の少ない時期に製造される堆肥の保管場所がないことなどが要因で有効に活用されていない家畜糞がございます。そうした中栽培農家からは自分の歩調に近い場所に堆肥舎を設置して、家畜糞を有効に活用したいとの声をいただいておりますので、栽培農家による堆肥舎の設置を支援することで、家畜糞の有効活用を進めてまいります。
また国は、2050年までに、化学肥料の使用量を30%低減する目標を掲げ、未利用資源の活用を図るための抜本的な技術開発に取り組んでいるところであります。県としましても その動向を注視しながら、肥料として活用できる可能性の高い植物残渣などの地域資源を有効に活用するための仕組みづくりの研究を進めてまいります。
【四万十川養殖アオサノリの復活】
●岡本議員 次に四万十川特産の養殖アオサノリの復活について質問します。
四万十川の河口で養殖されていたアオサノリが育たなくなって今年で3年目を迎えます。四万十川下流漁業協同組合でアオサノリの養殖に携る経営体は昭和60年頃には47経営体いましたが、平成に入り生産量の低迷が続く中、現在では26経営体まで減少しているとの事です。
アオサノリは地元の企業が買い取り加工して商品化、又、地元の居酒屋等で調理され地元をはじめ市外の観光客などにも大変喜ばれて消費され四万十市の特産として地域経済の活性化に大きく寄与していました。したがってこの問題も人口減対策としてとらえる必要があります。
昨年3月28日の高知新聞で四万十川の養殖アオサノリの問題について特集記事が出されました。記事の中身は「塩分濃度主因か」との見出しで大野正夫高知大学名誉教授の話として濁水、水温、農薬、塩分の何れか。「環境変動対応を」との見出しで平岡雅規高知大学教授の話として「養殖も従来の手法を少し変える必要が生じているのではないか」。「陸上生産支援も」の見出しで四万十市農林水産課の話として、「市として現段階では原因の特定には至らず打つ手は見いだせていない。陸上養殖も検討したい」等です。
その後6月1日高知新聞「声の広場」で大野正夫高知大学名誉教授が養殖場の栄養分の低下を指摘して排水基準を下げて栄養分の常時補給をすることが良案だと投稿されています。このように専門家の間でも意見が様々で現在でも具体的な原因がつかめておりません。四万十川下流漁業協同組合が存亡の危機にあると言われる組合員さんの声を紹介します。「今年は養殖アオサノリが取れなくなって3年目、26経営体のうち12経営体が平年の十分の一の作付けを行っているが今年も収穫できそうにない」とあきらめの声です。
◆そこで、高知県としての貴重な資源の養殖アオサノリの危機的な状況をどの様にとらえているのか知事の見解をお聞きします。
●岡本議員 そんな諦めの声の中でも、なんとか出来ないかと組合員も努力しています。
独自の取り組みとして、土佐清水漁業指導所を通じ熊本県天草漁業協同組合からアオサノリの種を分けてもらい実証実験を行っています。又、幡多土木事務所が各方面に声をかけ鉄鋼スラグ(ビバリーユニット)を利用し、わかめ、根昆布、黒ノリ等の養殖で実績を上げている日本製鉄がアオサノリでもできるのではと手を挙げ四万十川で試験区を作って試験中との事です。
◆この様に県としても積極的に養殖アオサノリが生育しない打開策に取り組んでいます。県としてもさらに本格的に取り組むべきだと思いますが知事の考えをお聞きします。
○県知事 次に養殖アオサノリの危機的な状況についての見解と打開策について、お尋ねがございました。関連を致しますので、併せてお答えをいたします。
四万十川におきます養殖アオサノリは 昭和50年代から60年代には年間30トン以上生産されておりましたが、令和4年以降は残念ながら収穫がない状態となっております。
養殖アオサノリには、生産者のみならず加工や流通など様々な事業者が関わっておりますので、こうした状況は地域の経済に大きな影響を与えるということは議員からもご指摘があったとおりだというふうに認識しております。
県におきましては、四万十川下流におきまして、水質データの分析を続けておりまして、 近年水温や塩分濃度が高い傾向にあるものの生産量の減少に対します明確的な因果関係は見られていない状況であります。県内の研究者におきましても川の環境の変化が生育に影響を与えていると考えられておりますけれども、具体的にどのような要因によるものかについては、様々な見解があるというのが現状であります。
そうした中でも現状の四万十川の環境で生産量を回復させるために、アオサノリが順調に生育するための技術の改良などに漁協と共に県として取り組んでおります。
具体的には養殖漁場での生存率を高めるため 良質な種苗の生産に適した光や栄養分などの条件について実証試験を行っております。
さらに四万十川より水温の高い他県産の種苗を用いた養殖試験なども実施をしております。今後はこうした取り組みの成果を検証いたしますとともに、他の産地の情報収集などを行いながら、生産量の回復につながる対策を県としても、関係者と一緒になって検討していきたいと考えております。
こうした取り組みによりまして、四万十川養殖アオサノリの生産量の回復を目指してまいります。
●岡本議員 そこで四万十川下流漁業協同組合の皆さんから県への具体的な要望もお聞きしてきました。
紹介します。「夏場の気温が高くなっている丁度育苗の時期と重なっている。夏場に高温になるとしっかりした種が育たない。その点については大野教授からの指摘もある。その対策として老朽化した種苗センターの改善が必要だと考えている。さらに室温、水温の感知をデジタル化して海水クーラーなどの導入で海水温の管理を行いしっかりした種を作りたい、その為の支援が出来ないだろうか」「四万十市にも藻類の研究を行っていた職員もいる、県として四万十市と連携を取って対策を講じる事は出来ないか」などです。
◆このような具体的な県への要望に対して水産振興と併せて人口減対策の一助として捉えるべきと考えます。水産振興部長の考えをお聞きします。
○水産振興部長 四万十川の養殖アオサノリの生産回復に向けた漁協からの要望に対する考えについてお尋ねがございました。
お話のありました四万十川流漁協の種苗センターはアオサノリの養殖に必要な種苗を生産し、養殖事業者に供給する重要な役割を担っております。
良質な種苗を生産するためには夏場の高温時の水温管理は重要であり、デジタル技術を活用した水温管理の仕組みの導入は安定的な種苗の生産や現在実施している養殖漁場での生産率の向上に向けた種苗生産技術の実証試験を効率的に進めるためにも有効なものと考えます。種苗センターでのこうした取り組みに対して、どういった整備が必要かも含めて、漁協のお話を伺いながら検討を進めていきたいと考えております。
また、県と漁協で取り組んでいる実証試験や種苗センターでのデジタル技術の活用などにつきまして、四万十市とも情報を共有しながら、生産量の回復に向けて有効な対策を連携して進めていきたいと考えております。
養殖アオサノリは、地域の特産品として生産から加工販売まで様々な事業者が携わっておられます。養殖アオサノリの生産量の回復を図ることで、四万十ブランドを守り、地域の雇用の維持拡大につなげていきたいと考えております
【休校を活用した地域づくり】
●岡本議員 次に休校を活用した地域づくりについて質問します。
昨年9月議会で頓挫した下田看護大学と関連して旧下田中学校の跡地利用問題を質問しました。質問の中で下田中学校の統廃合で翻弄され統廃合の期日まで下田中学校に残りたいと小学生と一緒に過ごした生徒の手紙を紹介しました。中身は「小中一緒に学校生活を過ごしてみて家族みたいでお互いに成長できる暖かい空間だと思ったので小中一貫校として新たな学校を作って欲しい」とのものでした。
そこで私は、子ども達の願いでもあり文科省も期待している事から特色のある小中一貫校の開設を求めました。しかし、残念ながら下田中学校は今年4月から休校になります。この間下田の子ども達は子どもの意見表明権を行使して必死に要望活動を行ってきました。未来を担う子ども達のこの積極的な行動力は大いに評価さるべきです。実際に教育法学の専門家も子どもの人権侵犯に対する救済申し立てに同席する動きになっています。
◆未来の高知県を担ってくれるかもしれない、この子ども達の行動をどの様に認識したのか知事の考えをお聞かせ下さい。
○県知事 次に、四万十市下田地区の子どもたちの要望活動について、お尋ねがございました。
下田地区の子どもたちが、下田中学校の旧校舎の活用に関しまして、文部科学省、県庁、市役所などへ直接足を運び、要望活動に取り組んでいることは承知をいたしております。このように、子どもたちが積極的に行動する姿は、地域に対する強い愛着そして学校を大切に思う気持ちの表れだという風に受け止めております。
下田中学校の旧校舎の活用などにつきましては、島田地区の子どもたちをはじめ、地域の方々のご意見なども受け止められまして、四万十市において適切に判断をしていただくこのことを期待いたしております。
●岡本議員 最後まで地域に中学校を残して欲しいと必死に要望した子ども達が、今年2月19日にも四万十市長と教育長に対して要望活動を行っています。その時子ども達の応援のために同席した和光大学山本由美教授の助言もあり、「休校後の下田中学校施設を不登校生徒などに対応した居場所とすることを望む請願」を四万十市教育長に行いました。請願要旨は「休校となった下田中学校施設を活用し、不登校生徒などを受け入れる子ども達の居場所とする施策を進める事」「段階的にそのような施設の整備、職員の配置などを進める事」です。
2015年に文科省が出した統合の手引きの5章には、休校した学校の再開に向けた取組の中に総合的な地域振興策の中で当該地域への定住促進策や移住促進策を講じる事を前提としつつ考える事が出来るとあります。改めて今回の請願は高知県の人口減対策としてその為の移住対策としても必要だと思います。実際に移住前の学校が大規模で学校へ通う事が出来なかった子どもが下田へ移住後「下田の学校は小規模校だったので通う事ができた。今度統合で中学校が大規模校になると又学校には通えない」こんな声もあります。
◆そこで高知県の人口減対策の一環として、又、地域づくりを必死に行っている地域住民の願いに応える為。又、学校を残して欲しいと必死に子どもの意見表明権を行使してきた子ども達の願いに応える為にも。今回の請願に対しては四万十市に対して実現できるように助言するべきだと思いますが教育長の考えをお聞きします
○教育長 まず、下田中学校に関する請願に対する助言について、お尋ねがございました。休校後の下田中学校施設を不登校児童生徒等の居場所となるような施設として利活用してほしいといった要望があることは、私も承知をしております。
そしてまた市町村立学校施設の利活用につきましては、当該市町村において、住民の方々の意見を聞きながら検討され主体的に決定されるものであります。
こうしたことから下田中学校施設の活用につきましても、四万十市において地域の実情も踏まえた検討の上、適切に判断されるものと考えます。県教育委員会としましては、四万十市から教育分野での活用を想定した相談等がございましたら、丁寧に対応させて頂きたいと考えております。
【婚活サポーターについて】
●岡本議員 次に婚活サポーターについて質問します。来年度予算案で「出会いの機会の創出」に24781千円。「結婚支援の推進」616千円が提案されています。私は昨年9月議会で中山間地域再興ビジョンに基づき中山間地域に人が残り、住み続け、増加させる強化ポイントの一つとしての「結婚」問題も取り上げました。人口減対策の一つです。
その中で県内でも結婚を望んでいる人たちのサポートを行うボランティア活動について具体的な取り組みと要望について紹介を行いました。ボランティアの方たちの取り組みについては85人の婚活サポーターの方たちが連絡を取り合って活動していること。全て手弁当で大変な活動だということ。その方たちは高知県婚活サポーター連絡協議会に所属し地域で活動する6団体で組織されている事。その方たちの要望として、令和5年5月25日協議会に対して交通費の負担軽減など具体的な支援を求める質問状10項目が出されており、この方達の要望に県としても可能な限り応えボランティアの方たちが活動しやすい環境を作るべきだと質問しました。その時の子ども・福祉政策部長の答弁では「サポーターの皆様のお声をしっかりと受けとめながら、婚活サポーターが活動しやすい環境づくりに取り組んでまいります」とあります。
◆そこでお聞きします。今回の予算の中にはボランティアで婚活サポーターを行っている皆さんの要望がしっかり入っているのか、又活動しやすいような中身になっているのか、子ども・福祉政策部長にお聞きします。
○子ども・福祉政策部長 婚活サポーターの活動支援について、お尋ねがございました。
婚活サポーターの皆様にはそれぞれの地域で出会いへの支援を希望する方を、ボランティア活動で応援いただいており、平成22年から令和5年9月末までに約2000件の交際成立につながるなど婚活サポーター制度は皆様の熱意のこもった活動に支えられています。
お話のありました昨年5月に高知県婚活サポーター連絡協議会の構成団体からいただきました。要望の中で、出会いの支援活動に伴う交通費の負担軽減につきましては、連絡協議会の事務局である県から新たな制度案を提案させていただき、協議を重ねてきた結果、令和6年度から利用者に婚活サポーターの交通費を一定額負担していただくこととなりました。
また、婚活サポーター連絡協議会の開催日程や、県の人事異動に関する要望等につきましては、皆様のご意見をお伺いしながらしっかりと対応させていただいております。
来年度予算では出会いや結婚を後押しするため、こうち出会いサポートセンターのサテライトを県東部と西部に開設するなど、特に中山間地域において多様な交流機会を創出してまいります。
そのため婚活サポーターの皆様にも、これまで以上に地域地域でご活躍いただきたいと考えており、活動を支援するためサポーター同士の情報交換会や研修会を開催してまいります。また新任サポーターの方を先輩サポートが伴走支援するメンター制度の構築などにより、婚活サポーターの皆様が活動しやすい環境づくりに取り組んでまいります。
【四万十市食肉センター整備について】
●岡本議員 次に、四万十市食肉センター整備について質問します。
今議会では明神、西森両議員より質問があり、それぞれに答弁がなされました。私の方からはもう少し突っ込んだ形で質問をさせて頂きます。
この間のことを紹介します。今年1月18日の高知新聞の朝刊に「県内豚肉処理ピンチ」「四万十市建て替え保留」「豚肉施設閉鎖なら大混乱」施設職員不安抱え「職失うのでは」のショッキングな見出しの新聞記事が出てきました。この新聞記事を読んだ関係者の中からは失業するのではないか驚きと不安の声が寄せられ、この事に関して県民の関心の大きさを改めて感じ取りました。
その後2月15日の高知新聞記事では「新食肉施設、60億円台半ば。事業費削減へ四万十市長、整備進める」との見出しが出され、中平市長が「県全体の畜産振興や幡多の雇用に不可欠な施設。財政負担について県や関係市町村と協議を進め、合意を得たうえで9月議会に関連予算を計上したい」コメントが出されていました。この間の新聞報道を見る限り、四万十市と高知県、関係する市町村や業者との間で問題点の解決に向けた真剣なやり取りがあった事が想像されます。
そこで改めて四万十市食肉センター建て替えの意義について私の方からも申し上げます。この施設は関係する業者も含めて150名の雇用を含めた年間88億円の経済効果を生み出していることから高知県の人口減対策の一助としてとらえる事を強調します。その上で関係者の話によると、この施設は高知県産の豚肉を一手に生産しており、県民が消費している豚肉は殆どがこの施設で生産していると言っても過言ではないとの事。高知県経済への影響もはかり知れません。
そこで整備費についての課題です。高知市の食肉センターは県が半分で残り半分を28市町村で負担しています。高知市並みの事業費の割合で行くと四万十市の食肉センターは四万十町が加わって7市町村での配分になります。是では四万十市を中心とする7市町村の負担が大きすぎます。整備費はこれから協議されるとの事です。
◆そこで今回の四万十市食肉センターの整備費については、高知県全体の役割として考えるべきです。知事の見解をお聞かせください。
◆さらにこの整備事業については是まで運営に係わり整備計画も立案し、今後の運営にも関わっていく立場にある現場の声、すなわち四万十市の意見を充分取り入れる事が重要ではないでしょうか。併せて知事の考えをお聞かせください。
○県知事 次に、四万十市の新食肉センターの整備費への負担に対する見解、市の意見を取り入れる立場で進めることについて、お尋ねがございました。関連いたしますので、合わせてお答えをいたします。
県におきましては、県内の畜産振興の観点から、老朽化した食肉センターを建て替えたいという市の意向を受けまして、平成30年度の基本計画の策定段階から深く関わってまいりました。
また、昨年度からは、県と四万十市による協議会におきまして、両者の費用負担のもと基本設計に取り組んでまいりました。設計の期間中は互いに議論を重ね、事業費の縮減を図りながらも、施設の仕様に関しましては、現場の意見を最大限に取り入れたものになっているという風に考えております。
今後につきましても、県としての費用負担を伴うことを予定している以上、必要な意見は 述べさせていただきますけれども、支援センターの運営を行うになられます四万十市の意見は当然尊重してまいります。
なお、費用負担につきましては、今議会で、明神議員のご質問にお答えいたしました通り、畜産振興及び雇用の場の確保といった観点からできる限りの支援を行う考えであります。
具体的な負担割合につきましては、高知市の新食肉センターや他の公共施設に対する支援の事例などを参考に、今後四万十市や関係市町村と協議を重ねてまいります。
【能登半島地震を受けた地震対策】
●岡本議員 次に今年1月1日に発生した能登半島地震を受けた本県の地震対策について質問します。
先ず被災して亡くなられた方、又被災された皆さんに私からも、私からもお悔やみとお見舞いを申し上げます。発災直後の記者会見で「明日は我が身」と知事が言った言葉が私の思いと一致していたことが記憶に残っています。今回の震災でも様々な事が教訓とされており是からの県政運営の中で対応が求められるところです。今回私は知事が発言した「明日は我が身と」言われたことに対して今後、来るべき南海トラフ地震に対する我が身としなければならない内容について2点について質問致します。
・支援道路の確保について
●岡本議員 1点目は幹線道路網が遮断した事に対する支援道路の確保について質問します。
能登半島でも幹線道路が遮断され震災後の救援活動に大きな障害が発生しました。この道路網の遮断に対する対策として東日本大震災が2011年3月11日に発生した時、内陸部から被災地に支援物資を送るにあたって櫛の歯の様に内陸部から支援物資を送ったことが大いに効果を出したと当時「櫛の歯作戦」として報道されました。私もその報道をもとに高知県としても櫛の歯作戦で対応するべきだと2012年2月定例会で質問しました。
具体的には、高知県でも南海トラフ地震が発生した場合、西部に位置する海岸沿いの国道56号が、黒潮町佐賀から大方までの海岸線と大方地区の入野、早咲などの市街地が壊滅的な被害で寸断されること、又愛媛県側では須の川の海岸線で津波による被害で国道56号が遮断される事。そうなれば四万十町窪川から西へ国道56号を利用しての支援物資を届ける事が出来ないことから土佐清水市、宿毛市、大月町、四万十市、三原村、黒潮町など幡多地域が広範にわたり陸の孤島になります。その対策として四万十町の内陸部から海岸沿いに向けて櫛の歯のような形で支援物資を届けるための道路網の整備が必要とし、具体的に国道439号杓子峠のトンネル化の必要性を求めました。
あれから13年現在では「櫛の歯作戦」に代わる「四国おうぎ作戦」として四国広域道路啓開計画が立案されており被災想定に基づき瀬戸内側から太平洋側へ、そして沿岸部の地域への支援部隊の進出ルートが選定されています。「四国おうぎ作戦」をみますと、「宇和島から四万十町」のルートでは、国道441号が国道381号の代替ルートとされており、現在、口屋内バイパスと中半バイパスが事業化されていいます。さらに私は、国道439号大正-中村間も、四万十町から四万十市まで沿岸部を通らずに支援物資の輸送が出来るルートとして大変重要だと思っています。高知県としても国道56号の代替ルートとして四国8の字ネットワークの早期整備を要望しているところです。
しかし、四国8の字ネットワーク整備について今議会、橋本県議の整備の目途の質問に対し、知事は8の字ネットワークが一番合理的であるとしながら様々な要因で整備の目途についてはこの場では言えない、とのものでした。これでは県民の命を守ることはできません。
◆今回の能登半島地震の教訓から高知県としても支援道路の整備は必要不可欠です。そのためにも四国8の字ネットワークの早期実現を目指す事と合わせて国道441号、国道439号の早期整備も同時に進めるべきと考えますが土木部長の考えをお聞かせください。
○土木部長 四国8の字ネットワークの早期実現を目指すことと合わせて、国道441号、国道439号の早期整備をどう考えているのかとのお尋ねがございました。
国道441号は南海トラフ地震発災後の速やかな道路啓開を実施するため、四国広域道路啓開計画での進出ルートとなる国道381号の代替ルートです。
現在、国道441号では口屋内バイパス及び中半バイパスの2工区で整備を進めております。
2工区ともに整備区間の大半がトンネルや橋梁など大規模構造物が連続するバイパスとなりますが、当路線の重要性を考慮し、重点的に整備を進めているところです。
この2 工区は、完成しますと国道441号での全線 2車線化が完了いたします。
一方、国道439号は徳島県から大豊町を経由し、四万十市に至る本県の中山間地域を縦貫する重要な路線ですが、多くの未改良区間が残っております。
中でも、四万十町大正から四万十市大用までの区間は、杓子峠など災害危険箇所を迂回する長大トンネルや橋梁といった短期間に多額の事業費が必要となるバイパス整備となることから、直ちに、事業着手することは難しい状況であります。
引き続き、国土強靭化予算も最大限に活用しながら、まずは国道441号の早期整備に向けてしっかりと取り組んでまいります
・原発避難対策について
●岡本議員 2点目は伊方原発に対する認識について質問します。
能登半島地震での危機的状況は原発の施設も例外ではありませんでした。北陸電力志賀原子力発電所においては、変圧器が損壊し、主電源を失った形となりました。また、使用済みの燃料プールから冷却水の一部があふれ、さらに原発周辺でも、原発から離れたところにあるモニタリングポストが数か所で機能しなくなり、避難の目安となる空気中の放射線量が測れない状況が生まれました。
同原発は、運転停止中であったこともあり、放射性物質の漏洩などの重大事故には至らなかったものの、地震大国である日本での原発立地の危うさを改めて私たちにつきつけました。 今回、原発事故時の避難計画が「絵にかいた餅」であることが浮き彫りになりました。避難するために欠かせない幹線道路の大半が損壊したこと、住宅の損壊で屋内避難の前提が崩壊したことなどによります。
◆まず、自然災害と複合した場合の原発事故からの避難計画について、知事の認識をお聞きします。
●岡本議員 私の住む幡多地域は、伊方原発に最も隣接しています。伊方原発敷地の沖合8キロには国内最大級の活断層、中央構造線が存在しています。今年2月26日にも伊方原発の直下で震度4の地震が発生して付近住民の原発事故への不安が高まりました。今回の能登半島地震は、従来の想定を超える大きな揺れが発生しています。原因については、海側の断層が陸側の断層の下に斜めに入っていく「逆断層運動」とされ、想定より長い海底活断層が連動した可能性も指摘され、しかも、こうした現象は「各地で起こり得る現象であり、能登半島に特有の現象と言えない」と2月20日に笹川平和財団からも指摘されています。原発災害と複合した場合、集落の孤立などで長期に放射性物質にさらされる危険があります。
又、四万十市の飲み水の水源である四万十川の支流である広見川の水源地は約30キロ圏内で、四万十市民の水源が汚染されることから市民の間からも事故に対する危惧の声が上がっています。アメリカでは原子力規制委員会が万が一の事故の際に実効性のある避難計画が策定できなければ原子力発電を稼働させないというルールがあります。所が、今年2月14日の原子力規制委員会後の記者会見で山中委員長は、家屋倒壊や避難ルートの寸断などは自治体側の検討課題と強調し、「自然災害への対応はわれわれの範疇外」と驚くべき発言をしています。
◆これらの事を判断した場合実効ある避難計画を立てるのは不可能ではないか知事の認識をお聞きします。
○県知事 次に原子力災害対策につきまして、自然災害と複合した場合の避難計画と実効性のある避難計画についての認識について、お尋ねがございました。関連しますので、併せてお答えをいたします。
本件は、避難計画の策定義務のある原発から半径30kmの重点区域には入っておりませんけれども、危機管理上の観点から万が一の事故に備えまして避難計画を策定いたしております。この計画は伊方原発所での様々な事故の発生に備えたものでありますが、南海トラフ地震対策自身におきましては、愛媛県でも最大震度7が想定をされておりますので、こうした地震災害も含めまして、大規模災害が起因となる、こうしたことも想定をしているところであります。
国の原子力災害対策指針を踏まえまして、原発から30kmを超える本県におきましては 屋内退避を防護措置の基本と考えております。これを踏まえまして本県の避難計画におきましては、まず住宅や避難所の耐震化を進め、家屋被害などによりまして住宅での屋内退避が困難な場合には、近隣の避難所へ避難をするということといたしております。
また、万が一この地域からの一次移転や避難が必要となるような事態も視野に入れまして、こうした場合道路の寸断に備えまして、道路啓開計画を踏まえました複数の避難ルート設定をいたしております。さらに、避難経路の確保が困難な場合に備えまして、ヘリコプターでの救助も想定をした計画としております。
しかしながら、能登半島地震の状況を見ますと、多くの家屋の倒壊や道路の寸断などが発生をしておりまして、本県の南海トラフ地震対策についても見直しが必要だと考えているところであります。原子力災害の避難計画につきましても、道路啓開計画やヘリコプターの運用などの見直しを行う中でバージョンアップをし、実効性を高めてまいる考えであります。
●岡本議員 福島第一原発から13年経過した現在でも、いまだに2万人を超える人たちが避難生活を強いられております。メルトダウンした880トンの燃料デブリは1グラムも取り出せておらず、汚染水も発生し続けており、いつ事故が終息するのか見通しすらありません。原発がある限り、過酷事故が再び起こる可能性は排除できません。南海トラフ地震は必ず起こります。「明日は我が身」との思いで今後のことを考えなければなりません。
◆県民の命と暮らしを守るべき知事として能登半島地震を教訓に伊方原発は3号機も廃炉にして自然エネルギーへの大胆な転換を求める必要がありますが知事の考えをお聞かせ下さい。
○県知事 最後に、伊方発電所3号機の廃炉の問題と自然エネルギーへの転換についてのお尋ねがございました。
原子力発電所の安全性につきましては、国の原子力規制委員会におきまして、福島第一原子力発電所の事故を教訓として、安全対策が強化をされました新規制基準に基づきまして 審査が行われております。
この審査において新規制基準に適合すると認められた原子力発電所につきましては、最新の知見に基づく安全対策が行われているものと考えております。この度の能登半島地震 につきましても、今後、原子力規制委員会におきまして、規制基準に反映すべき新たな知見があるのかといった観点から分析がなされると、そういった方針が当委員会から示されているところであります。
他方、自然エネルギーへの転換に関しましては、カーボンニュートラル・脱炭素化の実現を目指しまして、再生可能エネルギーを主力電源化していく、この取り組みが重要だと考えています。
しかしながら、再生可能エネルギーの主力電力化に向けましては、例えば送電網の容量の問題、あるいは需要に合わせた調整力の確保といった様々な課題を解決していくことが必要であります。そしてその解決には、一定の期間が必要になると見込まれております。
このため、現状におきましては全てを再生可能エネルギーに転換するということは困難な状況にありまして、電力の安定供給の要請ということも考えますと当面の間は原子力発電も一定程度活用せざるを得ないものと考えております。こうしたことから、現時点においては伊方発電所3号機の廃炉を求めることは考えておりません。四国電力には引き続き、安全対策に終わりはないとの認識に立ちまして、原発の稼働の大前提であります安全の確保に万全を期していただきたいと考えております。私からは以上であります。
【日の丸君が代の強制に対する国際社会からの是正勧告】
●岡本議員 最後に日の丸・君が代の強制に対する国際社会からの是正勧告について質問します。
今年も4年越しのコロナ禍での卒業式、入学式の時期になってきました。卒業式では生徒たちにとって、思い出深かった学校生活に別れを告げる事。又、入学式では新たな世界に胸を膨らませる事から、これらの式典が子どもたちや関係者にとって感動深い取り組みになって欲しいと願う者として質問します。
この間2つの国際組織から教職員への労働環境への是正を求める勧告が出されています。一つは2014年と2022年国際連合の自由権規約委員会から国内の人権問題に懸念を表明し、その総括所見です。もう一つが2019年の「ILO、ユネスコ、教員の地位勧告」の監視委員会(セアート)による勧告です。両者とも、学校の卒業式や入学式の式典において、やむにやまれぬ事情から国旗に対する起立や国歌斉唱が出来ない教職員に懲戒処分を科すことや国旗に対する起立が出来ない生徒を無理やり起立させる事がその人の人権を制限しており国際人権規約の条約に適合していないことから、日本政府に条約を守ることを求めています。セアートの勧告は、静かに座っているだけの教職員の不規律を「式に混乱をもたらさない消極的な不服従」と理解して、懲戒処分を避けるべきだと言い、2022年6月の再勧告は、日本政府は国際規範としての勧告に十分配慮すること、教員団体と協力して勧告の和訳を作成し対話すること、地方教育委員会の勧告理解を促進することなどを求めています。
両者の勧告内容を少し紹介しました。
◆自由権規約委員会、そしてセアートの勧告の内容はどういうものと認識しているのか、教育長にお聞きします。
●岡本議員 この問題の背景には、1989年「学習指導要領」で、日の丸を国旗、君が代の斉唱を「指導するもの」とされ、1999年「国旗国歌法」で日の丸を国旗、君が代を国歌と定められ、多くの学校の式典で、国旗掲揚と国歌斉唱が行われました。しかし、政府はこうした式典の間に個人が起立したり歌ったりすることは義務づけていませんでした。その後、2003年東京都が学校の教職員に対して起立して国旗に対して正対し国歌を歌うよう義務付ける通達を出し、その時に463人が通達に従わなかった事から懲戒処分され、それを契機にし、全国的にも義務付け、強制が広がった経過があります。
そうした状況の中、東京の教員組合から、国際組織に対し、問題点の指摘と是正を求める申し立てが行われ、前段で紹介した国際組織から是正を求める勧告が出されたわけです。日本は、1966年に「教員の地位勧告」に参加。そして1979年に国際人権規約を推進しており、人権と教員の地位を尊重し確保する事を国際社会に約束しています。又、日本国憲法第98条「憲法の最高法規制、国際法規の遵守には日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守する事を必要とする」。とあります。
◆二つの国際組織から日の丸・君が代の強制に対する是正勧告を受けていることを、教育長はどう認識しているか。すくなくとも、勧告の内容を教育委員会、学校長が共有すべきではないか、考えをお聞きします。
○教育長 次に自由権規約委員会及びセアートの勧告についての認識と勧告の内容についての教育委員会及び学校長への共有についてお尋ねがございました。関連しますので、合わせてお答えをいたします。
議員、ご指摘の勧告等がなされていること自体につきましては承知をしておりますが、本 勧告等は日本国政府に対して示されたものであり、国として適正に判断され対応されておられるものと考えておりますので、一地方公共団体の立場としてその認識についてお答えする状況にはないと考えております。また、今申し上げましたように、自由権規約委員会及びセアートの勧告等については、日本国政府に対して示されたものであり、本県として現時点で県内に周知することは考えておりません。
ただ、卒業式等の式典で慣例上の儀式的な所作として国家斉唱の際の起立斉唱行為を求めることを内容とする職務命令につきましては、平成23年6月の最高裁判決におきまして その目的及び内容並びにこれによってもたらされる制約の対応等を総合的に較量すれば、制約を許容しうる程度の必要性及び合理性が認められる旨の判決がなされているものと 承知をしております。
合わせまして、教員の地位に関する勧告につきましては、精神を尊重しつつ、今後とも我が国の実情や法制に適合した方法で取り組みを進めてまいりたいという日本国政府としての見解が示されているものと承知をしております。
【第2問】
●岡本議員 はい。それぞれ答弁をいただきましてありがとうございます。2回目の質問をさせていただきます。
中山間地域の人口減対策については、やっぱり働く場所そして安定した収入ですよね、これが大事だという風に思います。稲作農家の皆さんの話を聞くと米を作っても赤字しか出ないと、これが今の日本の農業の実態ですよね。やっぱり、こういうものにしっかりと対応するような、国の問題もありますので、なかなかこの場所では言いませんけれども、そういう観点で、今後、知事には取り組んでいただきたいことをお願いしておきたいと思います。
それと、四万十川の養殖アオサノリの復活については、本当に県としてもですね、積極的に取り組んでいただいてるというのが、今回質問準備するに分かりました。ですから、その上に立って、ぜひですね復活をさせていただいて、四万十市のブランドという風に言われましたけれども、高知県のブランドと言っても過言ではないと思いますので、ぜひ今後とも漁業関係者の皆さんとかですね、色んな方と相談して進めていただきたいことを、部長の方にも、知事の方にも要請をしておきたいと思います
それと、休校を活用した地域づくりについて、教育長の答弁をいただきました。四万十市から相談があれば、丁寧な対応をすると、その丁寧な対応っていうのは具体的にどんな中身か教えていただきますか。その点について答弁を求めます。
それと婚活サポーターについてですけれども、婚活サポーター協議会への質問状にはこういう風に書かれています。「引き合わせ時交通時の負担を予算化できるよう力を注いでほしい。年々サポーターも高齢化し遠方の引き合わせが積極的にアプローチできない」とかですね。出会いサポートセンターさんは 4000万も出しているということで、かなりあの大変な実情を訴えていただきました。
是非ですね、結婚問題は大事なことだというふうに思いますので、人口減対策で、ここの部分について、知事としてこの方達への積極的な支援ができないのか答弁を求めたいと思います。
それと新食肉センターの整備についてです。できる限り支援すると、その出来る限りの支援って財政支援ですよ、予算面でどれだけできるのか、どういう形でできるのか具体的に言っていただけますか。知事に答弁を求めたいと思います。
日の丸君が代の件についてです。教育長がですね、答える立場にないと言われましたよね。でもこういう問題は学校現場で起こることですから、こういう問題があった時にはどういう風に対応していくかということぐらい持っておかなければならんでしょう。教育委員会の信頼が失われますよ、これでは。実際に教育委員会に、これを伝えるようにというような文面もあるわけですから、それちょっと教育長にあのちょっと残念な思いをしましたので改めて答弁を求めて、もう時間になりましたので私の質問を終わります。
○教育長 はい、まず最初にですね、四万十市の教育委員会から相談があった時にというお話でございました。この点につきましては、やはり四万十市の方が住民の方々のご意見も聞いてどのような考えを持っておられるのかっていうことが1番大切になってこようかと思います。
その中で何を実現していこうとしているのか、そういうことをお伺いして、その中で県としてできることはどういったことなのか、支援できることはどういったことなのか、そういったことについてですね、我々としても調べて提案をさせて頂きたいとそのように考えております。
そして、2つ目の意見につきましては、もう先ほどもお話を申し上げたようにですね、この件につきましては、やはり国に対して勧告がなされておるものであってですね、やはり 国が現在対応を適正に考えて対応されているものでありますので、地方公共団体としてですね、これについて答える立場にはないと考えております。
○県知事 岡本議員の第2問目にお答えいたします。まず、婚活サポーターへの支援についてであります。この点はただ今、子ども・福祉政策部長から答弁をさせていただきましたように、交通費への支援というサポーターの方々からのご要望を踏まえまして新年度から 利用者の方々に一定のご負担をいただく、そうした中で交通費についての支援についても対応できるように考えていくという具体的な対応を取らせていただいたところでございますます。先般サポーターの皆様方には私自身お会いをして、ご協力いただいていることについての感謝状なども贈呈をさせていただく機会を得ましたけれども、今後も引き続き丁寧にサポーターの方々のご意見もお伺いをしながら、どういった形で支援が充実できるのかというのは検討してまいりたいという風に思います。
2点目の四万十市の食肉センターのできる限りの支援の具体的な内容ということでございます。具体的な内容につきまして、1つは他の公共施設におきます様々な支援の状況、特に最近支援をされております高知市におきます新食肉センターとのバランス、こういったものを考えなければいけないというのが1点だと思います。
そして、その前提といたしまして、具体的な支援というお話でございますので、具体的な事業の中身を固めていくということが大前提でございまして、この四万十市そして関係の市町村の負担軽減のために必要な事業費そのものを精査して、これは仕様についての市の意向というのはございますけれども、それと両立を図る形でいかに事業費の縮減を図ることができるのか、この点を県としても市と一緒になりまして、話を詰めてまいるということが大前提ということではないかと思っております。