議会報告

【質問項目】

・学生支援

・子ども食堂

・校則見直し

 

●塚地県議 日本共産党の塚地でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

【学生支援】

●塚地県議 まず学生支援について伺います。高校を卒業してから高知県で学び暮らす大学生や専門学校生は本件の活性化にとっても、県経済にとっても、重要な位置を占める存在だと思います。とりわけ四年制大学においては、県外出身者の占める割合が高く交流人口、関係人口は家族も含めると大きな影響力を持つ方々だとも思います。

まず本県で学ぶ大学生数の県内、県外別の人数を文化生活・スポーツ部長にお伺いいたします。

 

○文化生活・スポーツ部長 県内の各公立大学と短期大学を含む3つの私立大学を合わせた6大学の学生数は、本年5月1日現在で9885人。このうち、県内出身者は3638人で全体の36.8%、県外出身者は6247人で全体の63.2%となっております。

 

●塚地県議 半分以上が県外から来られているという状態だと思います。

そうした県外から来られている学生が、本県の活性化にどのような効果をもたらせていると認識をされておられるか、知事にお伺いをいたします。

 

○県知事 ただいま部長からお答えいたしましたように6000人を超える県外出身の大学生が高知で学んでおられます。

その効果は非常に大きなものがあると考えておりまして、例えば仮に一人当たりの消費額を月10万円ということで試算をいたしましても、本県への直接的なこの消費の経済効果だけで年間約75億円という数字が出て参ります。

さらに保護者の方などが県外から来高をされるということによります観光関連産業のプラス効果も大きいのではないかと考えます。

さらに県内の人口減少高齢化が進むという中で考えますと、学生アルバイトの方々が地域の産業を支える雇用を生み出しているという面でも大きな力になっているというふうに考えます。

さらに大学を卒業された後も県内で就職をされます学生が一定数おられますし、高知を離れたといたしましても、本県の応援団として一生のご縁が続くということが期待されるというふうに考えます。

このように県外出身の大学生は本件の活性化に、様々な面で大きな効果をもたらしているというふうに考えております。

 

●塚地県議 学生の方々の本当に大事な青春時代を、この高知で過ごして、高知の活性化にも役立っていただいているというふうに、知事のお話もありました。

この高知県の県庁のホームページのトップにもですね、移住の促進I ターンや U ターンを促すためのページがあります。精力的な取り組みがなされているわけです。

同時に今お話のありました、すでに高知県にゆかりの人となっている県内の学生へ、高知県で暮らし続けてもらうためのアプローチは極めて有効ではないかと思いますが、県としてどのような取り組みがなされているか、商工労働部長にお伺いいたします。

 

○商工労働部長 まず県内外を問わず、多くの大学生の方に本県で就職していただくため県内企業の採用やインターンシップなどの情報を、ポータルサイトを通じて発信しているところです。また、コロナ禍を背景としましてオンラインを活用した交流会や合同企業説明会を開催するなど大学生と企業をつなぐ効果的な機会の提供にも努めているところであります。

こうした取り組みに加え、県が独自の取り組みとして大学連携まちひとしごと創生推進本部の一員となって、地域への理解と愛情を深め地域で働きたいという志を持った学生、いわゆる地方創生推進士の育成に取り組んでいるところであります。

推進士の養成は、県内の大学と高専計4校で実施しておりまして、昨年度までの6年間で201名の学生が認証を受けております。この認証を受けました学生の県内の就職率は43%でございまして、県内4校全体の学生の県内就職率を16.5ポイントも上回っておりまして、この取り組みは大変有効であると考えております。

このため今年度は取り組みを一歩進めまして、新たに大学生が県内企業を訪問取材して、地元企業の理解を深める講座を高知大学と共同で行うことも始めております。

今後とも、大学ともしっかりと連携しながら県外学生の本県への定着に取り組んで参ります。

 

●塚地県議 今、高知大学の取り組みもご紹介をいただきましたが、県立大学でも先日、依光議員の方からインターンシップへの補助制度ができないかという、私は大変有効な制度だと思いまして、是非そういったあらゆる面でですね、アプローチをしていただいて高知県にゆかりの学生の皆さんに、また、高知県内の学生に定着してもらうという大事な取り組みを進めていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

コロナの感染拡大が進む中で進学をされた学生の多くは対面授業もサークル活動も制約され、大学や先生方、学友や先輩とのつながりも作ることができず孤立していた状態が長く続きました。相談に行こうとしても大学が閉鎖され、ネットでの対応でこれでは頼れないと感じた学生も少なくありませんでした。

そんな中、民青同盟高知県委員会が、バイトがなくなった、仕送りが減った等困窮した学生への食料支援を開始、当初、高知市朝倉地域で始まった支援活動は県内各地で地域実行委員会も作られるなど、現在では県内6ケ所に広がり、物価高騰の影響もあり、利用学生は延べ1万人に届きます。

学生への食料支援を先の議会で質問をしたところ、知事は「学生への支援の必要性は大学が判断すべき。」との趣旨で答弁されました。それを聞いていた大学生は「私たちは、高知県に暮らしながら、高知家には入れてもらってないのですね」と肩を落としました。

確かに、それぞれの大学等にある学生支援課、担当教員などが学生の様々な相談に対応するのが基本ではあります。同時に高知県で暮らしている県民という側面から捉えることも必要なのではないかと思います。

コロナ感染症の急拡大の中、県外から来ている一人暮らしの学生が孤立し不安で深刻な状態で過ごしていたことが、この間の民青同盟高知県委員会が行った療養中の学生への食料支援「まんぷくEATS」の取り組みの中で明らかになりました。

この取り組みは、当初、コロナ感染防止のワクチン接種の副反応に苦しむ学生の支援のために始まりました。しかし、感染爆発が起こり、若者が発熱外来の受診から排除され、保健所とつながることもできず、感染したにもかかわらず、薬も生活支援物資も届かないといった事態が広がり、8月一月だけで、88名の学生の利用があり、9月に入っても申し込みが相次ぎました。

利用した学生から寄せられたアンケートの一部を紹介します。

具体的症状としては、40度の発熱、悪寒、関節が痛いなどいくつかの症状、その他ひどい下痢をしてしまったり、味覚症状もあり、体を起こすのがつらい。食欲がなく熱がある。固形物は食べるのが難しい。39度台まで発熱。咳やのどの痛みがひどい。などが寄せられ「思っていたより症状がきつかった」「回復するか心配」など若年層でもきつい症状が出ていることがわかります。

検査や病院へのアクセスについては、無料検査キットの配布やオンライン診療が役立ったと言う声が多くあります。それまでの期間では、「症状が出てやっと5日目で病院が見つかった。車がないので、できるだけ近くを予約したが、暑さの中30分も歩かねばならずきつかった」など医療機関につながれなかった実態や、薬も手に入らなかった状況が寄せられ、療養中に不安だったことでは、「頼るのは強いて言えば友達ですが、やはり少し言いづらいというのがあります。とにかく外出できないので食料がないのと、一人暮らしなので、何かあったときが怖いです」「一人暮らしだと看病してくれる人もいない、いつ治るか不安」など孤立している学生の実態が明らかになりました。この「まんぷくEATS」の取り組みは、自己責任で押しつぶされそうな気持ちを励まし、心身の回復に一定の役割を果たしていると考えます。

この活動の報告を、知事にも見ていただきましたが、どのように感じられたか、ご所見をお伺いいたします。

 

○県知事 お話がございましたように、コロナ禍の中、家族と離れ、頼れる友人もいないといったような状況の中で一人寂しく療養されていたという学生たちのことを考えますと、大変胸が痛む思いがいたします。

保護者の方も、さぞかしご心配をされたことであろうというふうにお察しをします。

また、そうした中でお話がありましたように、学生たちがボランティアで、食料の配達の支援を行っていただいたということは、大変ありがたいし、心強いというふうに感じたものでございます。

今回のアンケート結果を拝見いたしましたところ、お話もありましたように、特に初期におきまして見てくれる病院を探すのに苦労をした、検査の予約が取れない、あるいは療養中に外出できず食べ物の調達に苦労したといった声が多く寄せられたように感じております。こうした傾向は大学生の方々に限らず、一般の方、とりわけ一人暮らしの自宅の療養の方に共通した課題であったのではないかというふうに考えます。

こうした状況を踏まえまして、8月5日からは症状が軽い方が、外来の診療に変えまして、ご自身で必要な検査は出来ますように抗原定性検査のキットの無料配布を開始いたしました。また、8月19日にはこの検査キットにより陽性となった方の確定診断のためのオンライン診療という道を開いております。さらに、9月26日からは、いわゆる全数把握の見直しに伴いまして高知県陽性者フォローアップセンターを開設いたしまして、必要に応じまして、このセンターを通じて生活支援物資の配送などにも対応するという体制を整えております。

こうした取り組みによりまして、アンケートに記載がありました8月上旬の感染拡大の初期の状況に比べますと、時を経るにつきまして、一人暮らしの大学生の療養を支えます体制が整ってきたというふうに言えるのではないか、というに考えております。

 

●塚地県議 徐々に整っている、確かにそういう実感を私たちも持っております。

この間、そうした学生の声で一定動いてきたとも私たちも感じているわけですけれども、この民青同盟が実施している「まんぷくEATS」の取り組みは、高知工科大学は全学生に、県立大学では相談のあった学生にメールなどで紹介がされ、利用が広がりました。

ボランティアだのみでは限界がありましたが、第7波の感染爆発の中それぞれの大学ではコロナに感染した学生に対して、どのような支援体制が取られてきていたのか、文化生活・スポーツ部長にお伺いいたします。

 

○文化生活・スポーツ部長 高知県立大学や高知工科大学におきましては、学生一人ひとりの状況に応じた丁寧な対応が行えるよう、相談窓口の職員や担当指導教員らが連携し、情報を共有しながら、個々の学生に応じた支援を行う体制が取られているところであります。

とりわけ新型コロナウイルス感染症に関する支援につきましては、陽性が判明した学生はもとより発熱などの症状を自覚した学生などからの大学への連絡を呼びかけ、それらの学生の状況を聞き取り、必要に応じた支援を行ってきているところであります。

第7波の際には例えば、発熱などの症状が出た学生について大学が受診可能な医療機関を探し出し、受診の調整を実施しております。また、一人暮らしの学生の医療機関や宿泊療養者への送迎を大学の教職員が実施しております。さらには自宅での療養が必要となった学生につきまして、大学が保健所と調整し、食料などの療養支援物資を手配すると言った支援が行われてきているところであります。

 

●塚地県議 それぞれ県立大学の丁寧な対応、県立大学、工科大学の対応をお伺いさせていただきました。

この対応と同時に9月26日からの先ほど、知事からお話がありました高知県陽性者フォローアップセンターが開設をされまして、必要に応じて生活支援物資の配送が行われることになり、ボランティアで参加をしていた学生も大変喜んでいるところです。

しかし、県外からの新入生は学校を卒業したばかりで社会経験も少なく孤立していたこの間の状況を見ると丁寧なサポートがさらには必要な状況だと思います。

先ほど紹介したアンケートでも療養中につらかったこととして4割の学生が「孤独や精神的苦痛」をあげています。陽性者のフォローアップセンターでの対応だのみでなく、先ほど大学からのお話もありましたが、さらに一歩進んで保健センターや大学生協などそうした施設の活用なども含めて、県として各大学と協議をし、次期の感染拡大に備えた学生支援体制づくりをぜひ検討していただきたいと思いますけれども、知事にお伺いをいたします。

 

○県知事 ただいま、部長からも答弁いたしましたが、県立大学あるいは工科大学におきましては新型コロナウイルスに感染した学生の状況把握をし、聞き取り調査も実施いたしまして、症状によっては医療機関への搬送を含めて丁寧な対応を行ってくれたというふうに聞いております。

さらに今般、県として陽性者フォローアップセンターを設置いたしました。24時間体制での相談対応を行ないますとともに医療機関の紹介、あるいは、生活支援物資の配送などの実施をする体制も整備したところでございます。

各大学におかれましては、学生が罹患をした場合に、少しでも安心が出来ますように、この県が設置しましたフォローアップセンターの活用などの処置と合わせまして、引き続ききめ細かな支援を行っていただくということを期待いたしておりますし、いろいろな機会を通じまして、こうした我々の思いはお伝えしたいと思っております。

 

●塚地県議 ありがとうございました。

県内には、6大学ありますので、県としては県立大学、工科大学というところになろうかと思いますけれども、先ほど県外からきて、暮らしている6000人あまりの県外学生というのは、高知県で暮らしている学生ですので、是非知事の方からですね、各大学にもそうした対応が取られるように要請していただけたらと思っております。

また、学生はですね、県外から来たことで住民票がない、ということで、このフォローアップセンターからさらに食料支援と言ったことへの気持ちの上のハードルが結構あるっていうふうにも聞いております。知事の方から、学生も是非このフォローアップセンターの登録、そして生活支援というのは我慢せずに使っていいというメッセージをぜひ出していただきたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。

 

○県知事 ただいま、議員からご指摘がありましたように、確かに大学生の皆さん、一部の方は住民票を親元に残されたままという方もおられると思います。ただ、特にこのフォローアップセンターをつくりました趣旨に鑑みますと、こういった仕組みをできるだけ広く周知をいたしまして、必要な場合にはしっかりとご活用いただきたいという思いがございますので、これも様々の機会にそういった趣旨をお伝えするように努めてまいりたいと思っております。

 

●塚地県議 ありがとうございました。

県民全体で、県外生だけでなく学生を、やはり支えていく県政ということで進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

【子ども食堂】

●塚地県議 それでは、子ども食堂についての質問に移ります。

2015年頃から高知県内で開催が広がってきた子ども食堂は、現在設置数は20市町92カ所、県の登録団体は60団体69箇所となっています。

この9月15日には、高知県と高知県社会福祉協議会が主催して「地域共生社会」の実現に向けた子ども食堂シンポジウムが開催され、「高知における子ども食堂の可能性と課題」と題した近畿大学講師野田満氏による講演と5団体の実践報告によるシンポジウムが行われました。

 講演では、子ども食堂実施団体に対するアンケート調査に基づく、子ども食堂が担っている機能の評価や新型コロナウイルス感染拡大を見据えた今後の課題の分析など示唆に富んだものでした。

まず、このシンポジウムを開催し、県内の子ども食堂の果たしている役割について、どのように認識を深められたか、子ども・福祉政策部長に伺います。

 

○子ども・福祉政策部長 子ども食堂につきましては、食事の提供を通じた居場所としての機能を持つとともに、地域の子どもたちを守り必要な支援につなげていく場としての役割を担っているものと認識しております。

さらに今回のシンポジウムを通じまして、子ども食堂と学校が連携しました食育の取り組み、また社会福祉法人によります地域における公益的な活動、子どもたちが運営側にも参加することで、子ども同士の成長につながっている取り組みなど、地域の様々な方々が繋がり支え合う活動が、子ども食堂を中心に広がっていると再認識したところでございます。

 

●塚地県議 本当に大変な中でボランティアの皆さんが、子どもたちやその家族を支えて、頑張ってくださっている姿も明らかになったと思います。

本県が全国に先駆け、県としてのこども食堂支援基金を創設され、開設や運営に補助金が支給されています。現在、県民から寄せられた子ども食堂支援基金の総額、活用状況、残額はどのようになっているか、子ども・福祉政策部長にお伺いいたします。

 

○子ども・福祉政策部長 子ども食堂支援基金を設置しました平成29年3月以降令和3年度までに受けいれました寄付額は約3600万となっております。このうち約1000万円を、子ども食堂支援事業費補助金に活用しております。令和4年5月末時点での基金残高は、原資など約1400万と合わせまして3971万余りとなっております。

 

●塚地県議 県の基金、そして皆さんの募金という形で3900万円という大変な金額を積み上げて頂いていると思います。この基金を活用した県の補助制度については、今回のシンポジウムの講師が実施したアンケートに寄せられた意見でも、食事だけでない子ども食堂ができる制度や支援をといった声や、使い道と使い方に色々指定や制限があり心が萎えてやりくりが重荷になる、参加人数で金額を設定して欲しいといった改善を求める声が上がっています。

私も補助金交付要綱をみましたが、行政実務に慣れていないボランティアの皆さんが作成するにはあまりに事細かく、担当できる人がおらず、申請を諦めている団体はあるのも実情で、寄付金を寄せていただいた方々への志に見合う活用になっていないのではないかとも思います。

講演をされた講師からも、公的支援のあり方として、「財的、物的支援の規模や使途の拡張、適切な動線づくり」が提起されています。そこで、財的支援の拡張について物価高を考慮した補助金単価の増額が必要だと思いますが、どのような検討がなされたか子ども・福祉政策部長にお伺いをいたします。

 

○子ども・福祉政策部長 補助金単価の見直しにつきましては、物価高騰を考慮しました子ども食堂の運営費の支援といたしまして、現行の補助基準額を上乗せする補正予算案を本議会にお諮りしているところでございます。具体的には、運営経費への補助を開催1回あたり6500円から7500円に、感染症対策の経費を一カ所あたり10万円から108000円に見直すこととしております。

 

●塚地県議 大変な物価高の中ですので、この金額でいいのかというご意見も一方ではあります。今回、補正予算ということで出されていますので、当面この金額で行かれるのだとは思いますけれども、現場の声はぜひ聴いていただきたいと要望しておきたいと思います。

煩雑な申請書類についての一層の簡素化、申請手続きの支援体制への充実の取り組みはどうか、子ども・福祉政策部長にお伺いいたします。

 

○子ども・福祉政策部長 子ども食堂支援事業費補助金の申請書類につきましては、令和元年度に見直しを行いまして、簡素化を図ったところでございます。また、申請手続きにつきましては、県社会福祉協議会に子どもの居場所づくりコーディネーターを配置いたしまして、個別にサポートを行っているところでございます。

しかしながら、子ども食堂の実態に応じて補助業務の拡充を行ったことなどによりまして事務処理が煩雑となっているとの声もお聞きしているところでございます。そのため補助メニューの統合や、申請書類の簡素化、デジタル技術の活用など負担軽減に向けた検討を行ってまいります。

 

●塚地県議 ありがとうございました。前向きなご答弁で、ぜひ、この基金がボランティアの皆さんに負担なく使えるということの取り組みを是非お願いしておきたいと思います。このシンポジウムに、県の子ども福祉政策部子ども家庭課からは、子ども食堂の現状と県としての課題意識に基づく取り組みの報告が行われました。

今年度の取り組みとして四つの柱を立て主に子どもの居場所づくり、支援機関への繋ぎなどを重点として進められています。子ども食堂の役割として重要であることは理解をしていますし、そうした役割が果たせるよう支援も充実して頂きたいと思っています。と同時にコロナ感染拡大の中で集まって一緒に食事をすることができなくなったり、弁当を作る作業が困難になった中で、支援を続けるためすべてを取り止めるのではなく食材提供を実施した子ども食堂があります。コロナ禍の収入減少、物価が高騰している中で支援を途切れさせないための取り組みです。県内トップを切って、2017年から高知市中万々にある地域交流センター城北で子ども食堂を始められた子ども食堂高知は、コロナ感染拡大の中、食材提供に取り組んでいます。現在火曜と金曜の午後3時半から4時半に開設、毎回子どものいる55世帯約200人を超える利用者があり、取りに来られない家庭には主にボランティアの方、遠方の8件にはヤマト運輸さんの協力で食材を配達しています。

利用されている方々は子どもの感染で仕事を休まなくてはならず収入が減ったというシングルマザーや、パートの時間が減らされたら夫が生活費を入れないので子どもに十分な食料を買うことができないという DV の増加も見られると実情を訴えられています。

地域の民生委員やスクールソーシャルワーカーなどと連携したこのような取り組みは、高知市鴨田地域の子ども食堂などでも取り組まれ、家庭に届ける中で家庭の状況も分かり支援に繋げやすくなったとの声も、多く聞かれています。

コロナ禍を経て子ども食堂の果たす役割が、食事をすること、居場所作りだけではなく、食材を子どものいる世帯に届ける活動の重要性が明らかになっていますが、この取り組みについてどのように評価をされるか、子ども・福祉生活部長にお伺いをいたします。

 

○子ども・福祉政策部長 コロナ禍によりまして、令和2年3月時点ではほとんどの子ども食堂が中止となるなど、子ども食堂の活動が大きく制約されたところでございます。

コロナ禍を契機としまして、子どもとのつながりや見守り活動のため、議員からお話がありました活動をはじめとしまして、市町村社会福祉協議会や NPOなど様々な団体によります食材の配布や宅配に取り組む活動が広がっております。

こうした取り組みは、コロナ禍で人と接触する機会が減少し孤独感や不安感を抱える方々にとりましては大変心強い活動だと評価をしております。

 

●塚地県議 今、大変評価をしているということで、答弁も頂きました。

しかし、子どものいる貧困世帯に食材を届けるという活動については、子ども食堂ではないという見解で、県が寄付金によって創設をした子ども食堂支援基金を活用した補助金の交付が受けられていません。貧困な子ども達に食事を届け、支援に繋ぎたいとの思いで寄せられた寄付金を、こうした活動にも活用させて欲しいとの要望は当然のことではないかとも思います。

県として、使途の拡充を求めるものですが、子ども・福祉政策部長にお伺いをいたします。

 

○子ども・福祉政策部長 コロナ禍の中、つながりを持つための食材を届ける活動は意義のある活動ではございますが、お話のように子ども食堂支援基金は食事の提供を通じた居場所作りを支援するものであり、食材を届ける活動は対象とはしていないことから、現時点では困難と考えております。

しかしながら、このような活動はコロナ禍を契機に NPO や民間団体などに広がっているところであり、現在は高知県社会福祉協議会がフードバンク活動団体などと連携して支援を行っているところでございます。

県としましては、こうした活動への支援の在り方につきまして今後検討してまいりたいと考えております。

 

●塚地県議 現時点では困難というお話がございました。

ただ、子ども食堂は登録団体としてそれぞれが活動していまして、コロナ禍でその活動ができずにそれを途切れさせない為の支援策として対応したものです。このままそういうことがやっぱり考えられてくるという風に思いますので、是非、現時点ではというふうにおっしゃいましたので、今後検討をしていただけるんだと思いますので、是非宜しくお願いをしたいと思います。

さらに、NPOの皆さんなどには、国の支援事業などもありますのでそういったものの活用ということも、ご検討かとは思いますけれど、その場合、この子ども食堂さんへの新たな実務負担ができない形で、ぜひ私は検討していただきたいというふうに思っておりますのでそういう内容も含めて、ぜひ前向きにできればこの支援基金がきちんと使えるということも検討をしていただきたいということを、お願いしておきたいと思います。

 

【校則の見直し】

●塚地県議 最後に校則の問題について、お伺いをさせていただきたいと思います。

今回ですね学校の指導提要の見直しと校則問題について、以下伺いたいと思います。

文部科学省は、小学校から高校までの生徒指導の手引きとなる生徒指導提要を12年ぶりに改訂するため、有識者などで作る協力者会議で議論を重ね、この8月にその案が取りまとめられました。

現行の生徒指導提要で触れられていない、子どもの権利を明記し、子どもは自由に自分の意見を表明する権利を持っていることなどを教職員が理解するよう求めるなど、これまでの生徒指導のあり方を根本的に見直す内容となっています。

今回の改定の中心点をどのように捉えておられるか、教育長にお伺いいたします。

 

○教育長 今回の生徒指導提要の改訂につきましては、目の前の問題に対応するといった課題解決的な指導だけではなく、成長を促す指導など積極的な生徒指導の充実を図るといったこと、また、社会環境の変化に伴って、近年制定された新たな法律でありますいじめ防止対策推進法などを踏まえた具体的な支援方法の明示。また学習指導要領の考え方やチーム学校の考え方に応じたきめ細やかな指導の充実などがポイントであり、時代の変化や流れを踏まえた上で、より子どもの成長に資する内容への改訂になっているものと捉えております。

 

●塚地県議 今の時代に見合った形の子どもの権利条約も含めたものになっていると、私は思っております。

このブラック校則の見直しを私たちは求めてまいりましたが、この協力者会議の議論の中でも校則の問題が取り上げられ、理不尽な校則は学校が見直す努力が必要との、委員の指摘がありました。

昨年の2月県議会において、当時の浜田豪太県議が、校則の全面的な見直しを求める質問されています。その質問に、当時の伊藤教育長は、すでに2020年から県立学校での見直しを県立学校長に指示して、間もなく各学校で校則の見直しが完了するというふうにご報告されました。

そこでまず県立学校でどのような校則の規定が見直しの対象となり、どう見直しが行われたかお伺いいたします。

 

○教育長 令和2年4月以降全ての県立学校で、校則の検討を実施しております。

その中でことに服装や頭髪に関する内容を中心に改訂がなされております。具体的には女子生徒のスラックス着用を可能としたほか、靴下タイツなどの色また髪型に関する規定が緩和をされております。そして、校則の検討に際しましては、多くの学校でアンケート調査や生徒総会での話し合いと言ったことを通して、生徒や保護者の参画を得ながら、この見直しを実施しております。

 

●塚地県議 先日ある県立学校の女子生徒と話す機会がありまして、校則について男子の髪の長さの規定が細すぎる、靴下の規定も厳しいといった意見も述べておりました。昨年の見直しで変化をしているかもしれませんけれども、生徒の認識になっていないのも事実です。自分たちの学校の校則を、生徒も教職員も保護者も知っていることが大事で、この校則の公表は、生徒指導提要にも明記されましたが、本県での県立学校での取り組みはどうなっているか、お伺いします。

 

○教育長 すでにホームページで校則を公開しております県立学校は1校、また公開に向け準備をしている学校は4校となっております。

 

●塚地県議 公開されることで教職員の恣意的な運用に歯止めがかけられると同時に、見直しの必要性なども明らかになりますが、今後公開に向けた取り組みをどう推進されるかお伺いをいたします。

 

○教育長 今回の生徒指導提要改定案では、校則をホームページなどで公開することが望ましいとされております。

 また、ホームページ等で公開することで、生徒保護者地域の方々において、校則に関する意識が高まり、また生徒が校則の意味を考えたり、さらに必要な見直しを行うきっかけにつながるものと考えております。

まずは、県立学校に対してホームページ公開の意義を伝え、公開の取り組みが進むよう機会をとらえて話をしていきたいと考えております。

 

●塚地県議 ぜひ、公開することが見直しのさらなる前進につながるというふうに思いますので、そこは、一つの見直しの姿勢の試金石に私はなると思います。ぜひ積極的に進めていただくようにお願いをしたいと思います。今回も生徒指導提要の見直しの基本的な考え方、先ほど最初にお話をいただきましたが、これを現場に徹底する努力というのを、ぜひ、教育長の決意をお伺いしたいと思います。

 

○教育長 まず本年度中に県立学校長会、また市町村の教育長会、小中校長会、役員会等におきまして改訂された生徒指導提要の内容趣旨、そして、提要に沿った指導の重要性につきまして確実に伝えて参りたいと思います。

さらに、生徒指導提要の改定に関わりました国の有識者の方をお招きし、公私立の小中校全ての生徒指導主事に改訂の基本的な考えや活用についての研修を実施する予定をしております。

今後、生徒指導提要の趣旨がしっかりと理解され、子どもの成長を促す指導が充実するよう様々な機会をとらえて周知徹底を図ってまいりたいと考えております。

 

●塚地県議 ありがとうございました。

今回の提要の見直しの基本の中には、子どもたちが人権の権利の主体であるということが大変大事な視点として入れられています。私は今、学校現場に何よりも求められている視点だと思いますので、そうした考え方も含めてぜひ徹底をお願いしたいと思います。

時間が無くなりましてご迷惑をおかけいたしましたが、無事全ての質問を終了させていただきました。ご協力ありがとうございました。