議会報告

  • 2020年12月24日
    2020年12月議会 米田稔議員による追加予算に関する質疑(2020.12.21)

【質問項目】

・「高知県時間短縮要請協力金」について 

 

●米田議員 日本共産党の米田稔でございます。

  追加提案されました第21号令和2年度高知県一般会計補正予算、高知県営業時間短縮要請協力金について質疑を行います。なお、十数分あろうかと思いますが、ご了承いただきたいと思います。

 

 感染拡大を防止するために、県は飲食店に対して営業時間の短縮を要請するとともに休業した場合も含め、一日4万円の協力金支給を決断されました。春先から続いているコロナ禍によって、疲弊している多くの事業者にとって、感染防止に少しでも役立て、安心して営業短縮に踏み切れる、協力金の額も少し上がりなんとか年を越せるか、など歓迎の声も

上がっています。

  そのうえで、何点かお聞きします。

  まず、営業時間短縮の要請の対象施設についてですが、春の「高知県休業等要請協力金」の時よりも少し改善されているのではないかと受け止めています。いずれにしても実態、目的にふさわしく改善することが求められていると考えます。

  例えば喫茶店です。夜8時過ぎて営業しているところは8時に閉めれば対象になるのに、今回も夕方あるいは午後に閉めるところには協力金は出ないのか、私たちも人々の安らぎと集いの場を提供しながら、三密回避、感染防止等に必死に努めている、不公平だ…等、怨嗟の声が聞こえてきます。酒類を伴うかどうかだけでなく、往来と密・接触などを可能な限り回避することが感染拡大を防ぐ重要な手段の一つです。

◆そこで、午後には閉店する喫茶店なども休業要請の対象とし、協力金の支給対象にすべきではありませんか、知事に伺います。なお今回は対象施設に「喫茶店」が例示され、カラオケ喫茶、あるいは酒類を提供しているかどうかについては、条件、基準にはなっていません。

◆関連して休業時間ですが、午後8時から翌午前5時までの休業でしか感染拡大を防止できないのか、知事の認識を伺います。効果的、効率的であるとするならば、エビデンスについて示していただきたいと思います。

 

○県知事 米田議員の御質問にお答えをいたします。

まず、喫茶店などへの休業要請について、また、営業時間を午後8時までとした根拠について、お尋ねがございました。関連いたしますので合わせてお答えを申し上げます。

議員のお話にありました喫茶店のほか、食堂やレストランなどの飲食事業者は緊急事態宣言時に出されました国の対処方針におきましても「自宅等で過ごす国民が必要最小限の生活を送るために不可欠なサービスを提供する者」として事業の継続が求められるという位置づけとされています。

このため、こうした方々に一律に休業までを求めることは困難であるというふうに考えております。

そのうえで、ありますが、飲食・会食といった場が本県の最近の感染事例のキーワードともなっております。とりわけ、夜間の種類の提供を伴う、蓋然性が高い飲食が、感染リスクが高いという判断を、私どもとしてはしておりまして、こうした判断に基づきまして、午後8時以降という線引きで、飲食店等への時間短縮営業の要請に踏み切ったところでございます。

また、具体的な営業時間につきましては、ご指摘がありましたように、東京や北海道など、本県に先行して要請を行っていた他県におきましては、午後10時までとする例が多く見られたところであります。

しかしながら、本県の場合は、他県以上に、この12月に入りまして、感染拡大が急スピードで進行しているということ、今月12日に国の分科会から出されました提言の中で、「感染が拡大、あるいは高止まり傾向にある場合は、午後8時というラインも考慮すべきである」というようなご提言が行われたこと、こういったことも踏まえまして、先行する他県よりもより厳しい「午後8時まで」と線引きをいたしたものでございます。

また、国の分科会が示します「感染リスクが高まる5つの場面」におきましても、ただいま申し上げましたように、「飲酒に伴う大声」や「長時間におよぶ飲食」によって、飛沫感染のリスクが高まるというふうにされております。

県民の皆さまへの「飲食は2時間以内」という時間の短縮のお願いと合わせまして、お店には営業を午後8時までにしていただくということによりまして、感染リスクの大幅な低減に繋がるものというふうに考えておるところであります。

 

●米田議員 次に、今回の県の営業時間の短縮、休業によって影響を受ける業者は、協力金の支給対象者だけではないということです。

  タクシー運転手や代行運転業の方々はたちまち大打撃を受けています。家族を抱え、車のローン、維持費も払えず、総合支援資金も借りてしまい、年を越せない、また年金が少なくて、タクシーに乗ってやりくりしている等々、政治に対する不信と怒りが渦巻いています。18日に丁度知人からラインが入りました。“いま知り合いから「県は飲食店だけにしているが、そこに品物を入れている酒屋、魚屋、八百屋さんなども困っている。そこにも支援の手をさしのべるようにしてほしい」という電話がありました”というメッセージでした。氷屋さんもおしぼり屋さんもいっぱいの人が、協力し合い、共に生きています。  不公平感を持つ県民も少なくなく、県行政が「感染拡大を防止するためであって、やむをえないこと」などと言ってすますことができるでしょうか。

◆何よりも結果として、県が飲食店等に要請した営業時間の短縮が、飲食店等と直接取引がある事業者を含めて、多くの事業者の営業と暮らしを脅かしていることも歴然とした事実ではないでしょうか。知事は、こうした事態をどう受け止められるのか、認識を伺います。

 

 

 

●米田議員 コロナ第1波の時、突然の一斉休校が実施をされ、学校給食も停止になりました。たちまち学校給食納入業者、農家の方々などが苦境に追い込まれた時、消費拡大のための支援が緊急に実施をされました。そして新年度になっての休校や、分散登校では、住民の声が広がる中でこどもの健康、食を守るために、と給食は再開されました。また学校を休む子も給食だけでも食べに来てください、という対応がとられるなど行政の努力もあり大きく改善されたことは記憶に新しいところです。

  当然今回の要請など必要な対策であっても、一方で住民に多大な負担や犠牲を押しつけるようなことがあってはなりません。協力金の支給の対象となっている飲食店の方々、対象とならないが関連する事業者の方々も含めて共同して感染防止に取り組んでいけるようにすることが重要だと考えます。

◆ついては、営業時間短縮要請の結果、影響を受けるが、協力金の支給の対象とならない関連事業者への新たな支援を検討すべきではありませんか、知事にお伺いをいたします。

 

○県知事 次に、今回の営業時間の短縮への要請に伴う影響への受け止めと、影響を受ける方々への新たな支援について、お尋ねがございました。関連いたしますので、あわせてお答えいたします。

飲食店などへの営業時間の短縮の要請は、飲食店などの事業者のみならず、ご指摘がありましたように食材や酒類などを納入いたします生産者や食品事業者などにも、広く影響が及ぶものというふうに受け止めております。

しかしながら、会食を要因とする感染が広がりまして、さらに感染者が家庭内に持ち込んで拡大がみられているという状況にございましては、一日も早く感染拡大の沈静化を図るということが、経済の回復に向けて最優先であるというふうに判断をいたしまして、今回、「苦渋の決断」をいたした次第でございます。

一方で、仮に、全国第3波に対応いたします感染拡大が長引いた場合には、本県経済が、再び大きく落ち込むことが懸念されるわけでございます。

そのため、ただいまご指摘がありました生産者や事業者の皆様の声にも広く耳を傾けまして、また県内の経済の状況把握に努めてまいりますし、その上で、国や市町村とも連携を図りながら、「事業の継続と雇用の維持」、さらには「経済活動の回復」のための対策を一層強化をしてまいりたいと考えております。

 

●米田議員 次に、協力金の速やかな年内支給を求めるものです。

  一年で最も多忙な時で、年間売り上げの多くを支えており、年末における営業時間の短縮、休業は事業者の皆さんにとっても極めて大きな影響を及ぼします。年末の支払い、資金繰り、家族の生活を守り維持していくことなど、この年を越せるのか、との切羽詰まった深刻な事態を抱えている方も少なくありません。そして年明けからの事業継続に対する大きな不安をもちながら、感染拡大防止のための営業時間短縮の協力要請に向き合っています。

◆必要な方、希望する事業者のみなさんに年内支給を最大限保障するようにすべきです。取り組みの状況と見通し、そのための体制について、商工労働部長に伺います。

 

○商工労働部長 まず、協力金の年内支給について、お尋ねがございました。

今回の協力金につきましては、県内の対象事業者の皆様に、できる限り速やかに支給をおこなっていくため、相談、受付、審査、支給といった一連の業務を、現在「高知県新型コロナウイルス感染症対策雇用維持特別支援給付金」の業務を委託しております企業に委託したところでございます。

当該企業においては、これまでの給付金において、夕方5時までに支給決定したものは、翌営業日に対象事業者への振込を行ってきたなどの実績がございますので、こうしたノウハウを最大限に活用してまいります。

委託先には今回の支給に合わせて、人材の確保もしていただいたところです。今後、審査等を迅速に行い、できる限り年内に支給が行われるよう、連携を密にしてしっかりと対応してまいります。

 

●米田議員 次に、協力金の申請漏れなどがないように、誠実な対応や対策の強化を求めるものです。 

今回の営業時間短縮要請協力金については、平成28年6月の国の経済センサスに基づいて約5,000事業所が対象となります。

◆春の休業等要請協力金支給の経験もふまえて、必要な方の申請漏れがないように、周知徹底などすべきと思いますが、商工労働部長に取り組みについて伺います。

 

○商工労働部長 次に、協力金の周知徹底について、お尋ねがございました。

協力金の申請漏れを防ぐためには、いかに情報を対象事業者の皆様にお届けできるかにかかっていると考えております。

そのためには、これまでの協力金支給についてのお話もお聞きし、様々なルートで対象事業者の皆様に早期に情報をお伝えしていくことが、何より大切であると考えております。

このため、新聞やテレビ、ラジオなどによる広報に加え、対象事業者の皆様に身近な市町村や商工会・商工会議所、中小企業団体中央会、金融機関などに、知事の記者発表後速や かに協力金の周知についてのお願いをしたところであります。

 

●米田議員  次に、県の制度実施に合わせて、高知市、土佐市、いの町など、独自に一日1万円等の上積み支給を決定している自治体が出ています。

  事業者の方が、県にも市町村にも申請手続きをすることになるのでしょうか。

◆感染防止の観点、多忙な年末における事業者のみなさんの手続き簡素化のうえからも、申請手続きの一本化ができないか、急いで検討を求めるものですが商工労働部長に伺います。

 

○商工労働部長 最後に、市町が上積み支給する場合の手続きの簡素化について、お尋ねがございました。

今回の協力金につきましては、前回の協力金と異なり、それぞれの自治体で予算化しておりますため、制度上それぞれに申請していただく必要がございます。

その場合でも、市町村と連携することで、事業者の事務の 簡素化の工夫ができると考えております。例えば、独自支給を行おうとする市町村が、県の協力金の決定通知の写しを活用することで、添付書類を省略化することができるのではないか、と考えております。

今後、市町村から相談があった際には、こうした点を積極的に提案してまいります。

 

 ●米田議員 次に、協力金支給期間の延長についてです。

  国は、国民への協力を訴えた「勝負の3週間」が終わった後も、事態の改善が見られず、感染拡大の歯止めにするために、また年末年始が飲食店等にとって忘年会や新年会等繁忙期であることを踏まえて、一日の単価の引き上げや1月11日までの期間延長など協力金への財政支援の強化を打ち出しています。

◆一年に及ぶコロナ禍のもと、自助努力をこえて深刻な苦境が続く中、事業の継続と暮らしを支えるために、年末に続いて国の対応に基づいて1月11日までの営業時間短縮の要請と協力金支給期間の延長を検討していくのか、知事に見解を伺います。

 

○県知事 最後に、営業時間短縮の要請期間の延長について、お尋ねがございました。

先ほど、加藤議員の答弁でも申し上げましたとおり、営業時間短縮が事業者に与える経営面での影響、あるいは影響を最小限にとどめるための協力金支払いにかかります県の財政負担、この両面を考慮いたしますと、この要請の期間は必要以上に長くあるべきではないというふうに考えているところでございます。

しかしながら、感染拡大に歯止めがかからないといった場合には、期間を延長せざるを得ないという考えをもっておりまして、今後の感染状況等をぎりぎりまで見極めて判断をいたしたいと考えております。私からは以上であります。

 

●米田議員 今回の追加補正予算「高知県営業時間短縮要請協力金」は、コロナ感染が急拡大し高止まりする中で、これまでの対策の延長ではなく飲食店等、県民の協力のもと感染リスクを強力に封じ込めようとするものであり、しっかりと効果が上がるよう願うところです。

 同時に、今回の時短要請のように密や接触や往来などを思い切って回避する対策を強めることとともに、広くPCR検査を実施し、発見・保護をし、追跡をし、そして手前手前に対策をとっていく、これが感染症対策の常道であり、無症状を一つの特徴とする新型コロナウイルス感染症であることからしても、一刻を争って踏み出すことが決定的ではないでしょうか。

 11月16日付厚労省の事務連絡でも、1週間の新規陽性者数の顕著な増加傾向を示し、強い危機感を持って積極的な対応を求めています。また高知県は、10月26日付知事名で「行政検査以外の自主的検査に関する指針を策定し、感染症の早期発見・拡大防止に支障をきたさないようにすること」などを求めた国への「新型コロナウイルス感染症対策等のための緊急提言」を行っています。現在、その時点と比べものにならないほどコロナ感染が広がり「特別警戒」レベルにまで引き上げられ、まさに「非常事態」目前であります。

 12月に入り瞬く間に感染者、陽性者が広がり、一日あたりの感染発表が3日から18日連続二桁となり、20日現在501人となっています。人口10万人対比で全国4番、5番、あるいは6番などと深刻な事態となっています。濃厚接触者中心の対応では感染拡大を防ぎきれません。先の代表質問で我が党の吉良議員が重ねて質問、提案を行いましたが、医療機関・高齢者施設等への一斉・定期検査(社会的検査)、そして大規模・地域集中的検査実施に踏み出すことを強く要請するものであります。

以上第一問といたします。

 

●米田議員 ご答弁ありがとうございました。要請したいと思います。

 知事は、提案説明で県民の生活や事業者の経営状況の把握をして、必要な施策の検討もしていきたいという前向きな提案をされたんですけれど、本当に今、そのことが強く求められている、早急に検討もして、支援が県民の手元に届くように、これ本当に心を込めた対策をですね、ぜひ、やっていただきたいというふうに思います。

 知事も新年のさんさん高知には、県民に寄り添うというお言葉がありますが、本当に、言葉だけではなくて、実際の行政においても、そのことが県民の皆さんに届くような、新たな支援も含めた対策をお願いしたいと思います。

 とりわけ、関係者の方は本当に大変で、例えば喫茶店の方も、これまで県の補助金も使おいながら、エアコンも換えたり、お客さん毎にテーブルを除菌したりしていましたと、電話があったのですが、幡多の方なんですが、幡多でもやっぱり陽性者が出る中で、喫茶店のお客さんももう半減をしているという大変な苦境を語られています。持続化給付金、家賃補助金もすでに底をついていると、努力しても置き去りにされてしまう、何とか可能な支援をしてもらいたい、県民の声を聞いていただきたくて、電話をしましたというそういうご意見をいただきました。

 それから、代行運転業者の方からも、本当にいろいろな意見、声が寄せられています。一番収入がある12月の収入は、ほぼ見込めない。代行運転は、飲酒運転をなくす対策として始められた、代行運転業の広がりもあり、それを助けてきたと考えていますと、言われまして、飲み屋の休業や時間短縮で、最も影響を受けるのは、代行運転である。飲食業への営業時間短縮を要請し、支援金を出すならば、同じ様に私たち代行運転業者にも、緊急に支援をしてもらいたい、こういう切実な声が、本当にたくさん、多くの方に寄せられていると思います。

 そして、これは代行の方なんですけれど、パートナー2人暮らしの70代の男性の方が、持続化給付金、生活福祉資金、110万円と、貯金をつかい生活をしていると、ほぼ貯金はつきかけている、こういうまさにSOSを発するような声も寄せられています。

 ぜひ、県職員全体が、こういう声、生活実態をよくつかみながら、新たな対応をしていただきたいということを重ねてお願いしたいと思います。

 そして、2つ目は今、経済活動を回復するためにも、暮らしの危機、経営の危機にこそ支援の手を差し伸べないと経済の回復そのものも大ごとになるわけですね。ですから、そのために、どうするかということになるとやっぱり、PCR検査を実施をしていくと、大々的にね、積極的にしていくことをぜひ検討して実施に踏み切ってもらいたいというのを思います。

 この間、銀行や病院が、まさにクラスター状況になって、自ら検査をやっていますので、今、そういうところまで来ているというふうに私たち思っています。ぜひ、感染拡大防止のためにも、この検査を真正面から取り組んでいくということを再度要請をして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。