議会報告

【質問項目】

・動物愛護行政について

・生活保護行政について

・国民の権利としての生活保護の活用

・コロナ禍の国保行政/国保料減免

 

●米田議員 日本共産党の米田稔です。通告に従いまして質問を行います。

 

【動物愛護行政について】

●米田議員 最初に、動物愛護行政について、健康政策部長に伺います。

  全国では、推計犬、ねこ約1900万頭が飼育されており、命の大切さとともに共生の良きパートナーとして、家族の一員、社会の一員とも言える関係が培われ広がっています。同時に飼い主の終生飼育や、そのための支援とルールづくり、また地域住民や周囲への負担を軽減し共存にむけての環境づくりを早急に進めることが求められていると思います。  この間の大きな社会問題とも言える、「殺処分問題」もボランティアのみなさん等の協力の中で一定の改善が進んでいるのではないでしょうか。

いま高知県の動物愛護行政で、解決すべき、打開すべき課題は様々あるかとも思いますが、その解決のためにこそ(仮称)こうち動物愛護センターの整備が求められています。◆最初に、18年4月に基本構想が策定されましたが、動物愛護センターの整備に向けて体制の強化も図られたところですが、現状と今後のスケジュールについて部長にお伺いします。

 

○健康政策部長 動物愛護センターの建設につきましては、平成28年度の県市連携会議で、当時の知事と高知市長の間で、共同設置することを確認しまして、その後(仮称)こうち動物愛護センター基本構想を策定しております。

 この基本構想では、津波浸水地域外であることなど、立地にかかる基本的条件というのを掲げておりまして、この間高知市内でその条件を満たす土地を探してきたところでございます。

 全体の建設コストを抑えるためにも、整備用地につきましては、県市の所有地というのを優先して探しているところですけれども、もともと県有地は高知市内には少なく、一方市有地の方もその多くが南海トラフ地震発生時に活用する用地となっておりまして、難航しているところでございます。

 候補地が決まりまして、造成工事などの課題というのがなければ、他県の例からもおおむね、3、4年程度で完成が見込まれるという状況でございます。

 

●米田議員 ◆続いて、知事の、動物愛護センターの整備促進への決意を伺います。

 

○県知事 現在ございます小動物の管理センターは昭和56年に完成をしました狂犬病予防法に基づきます野犬の収容施設ということでございます。

 近年、ご指摘もござましたように、全国的に動物愛護思想が高まっておりますけれども、動物愛護について学習をしたり、動物と触れ合う場所がございませんで、愛護の機能が圧倒的に不足しているというのが、現在の小動物管理センターの状況だというふうに考えております。動物愛護センターは県民の皆様の動物愛護知識の向上に向けました教育や情報の発信、あるいは災害時におけます物資保管などの拠点となるというふうに期待をいたしております。

ただいま、健康政策部長からご答弁申し上げましたとおり、候補地の選定作業が、難航

しておりますけれども、ここ2年は、県市連携会議の前段に行います副知事、副市長間の協議の場でも議題といたしまして、話し合っておりまして、実現に向けて取り組んでいくことを、確認をしているところでございます。

 候補地が決まり次第、早期の完成に向けて、高知市と連携をして、整備を進めてまいる考えでございます。

 

●米田議員 ありがとうございます。お二人にお聞きしましたが、基本構想は見事に、立派なものができたんですけれど、建設計画というのがたってないんじゃないかなというふうに私思いまして聞きましたら、南海トラフ地震対策行動計画の中に、そのことが触れられているかなということで見ますと、具体的な取り組み内容ということで、災害時動物救護の拠点の設置ということで、計画スケジュール2019年度、20年度に基本設計をつくって、2021年度に詳細設計、22年度以降に完了、最終目標は、2022年度に達成予定というふうにされていますので、これは、今年の3月にこの計画改定されていますから、一番新しい計画になるんじゃないかと思うんですが。

◆このスケジュールで、これに向かって完成をさせていきたいということで、理解で、良いのか、経過もありますから、部長にお伺いします。

 

○健康政策部長 先ほど、答弁申し上げましたとおり、現時点において、まだ候補地が決まっていない状況ですので、その南海トラフ地震の計画にのせたスケジュール通りに、その時点で完成するというのは厳しい状況であるというふうに考えております。

 

●米田議員 はい、厳しい状況ですけど、改定した計画ですので、ぜひこれに向けて県市協力して努力していただきたいと思います。

次に、現在、小動物管理センターが月に1回日曜日に見学会・講習会を開いていますが、毎週土日曜日開いてほしい、また平日子どもと一緒に気軽に寄れて、動物にふれあう機会、譲渡の機会を増やしてほしい等、県民の強い声が寄せられています。新しい動物愛護センターを作り上げていく上でも、またその後の県民参加の機会の拡大にもつながっていくのではないでしょうか。

◆現施設のもとでも、県が委託料の増額を含めて対応を誠実に検討すべきと考えますが、部長に伺います。

 

○健康政策部長 もともと、現在の小動物管理センターは、動物の譲渡会みたいなものですね、触れ合う機会というものは、もともと今のセンターでは休日に開催していなかったんですけれども、3年前に原契約を締結する際に、中央、中村の両センターと合わせまして、年間で13回以上の休日の譲渡見学会というのを開催するようにしたところでございます。

 今年度、時期契約の締結に向けたプロポーザルを行う予定でございますので、これにつきましては、高知市の意向もうかがわなければなりませんけれども、その中で日曜日の開所について検討をしているところでございます。

 

●米田議員 ありがとうございます。ぜひ、前向きによろしくお願いいたします。

それで、動物愛護推進のためには、その動物愛護センターに、獣医師の配置が大問題なんですが、ある意味動物愛護センターの帰趨に関わる問題だというふうに思います。

全国のセンターの多くでは獣医師を複数配置しているとのことですが、万全を期して獣医師を配置すべきと思いますが、部長に決意をお伺いいたします。

 

○健康政策部長 そもそも県の獣医師の採用状況というのが大変厳しい中で、衛生部門ですとか畜産部門の配置に苦慮している状況でございます。そうした状況でございますし、現時点で動物愛護センターの体制についてまで、具体的に検討する段階には至っていないところなんですが、議員が今おっしゃいましたように、全国的には配置されていると、状況を踏まえまして、今後、体制の検討を行ってまいりたいと考えております。

 

●米田議員 厳しい状況は、お伺いもしていますので、ただ配置のためには、どうしても努力してやっていただきたいし、獣医師が来てやってみようと思えるような処遇を、十分して、またそういう施設を整備を目指していくということで、ぜひ、そのことは実現するように、改めて求めておきたいというふうに思います。

 

【生活保護行政について】

●米田議員  次に、コロナ禍における生活保護行政について、地域福祉部長にお伺いします。     

  まず熱中症予防についてです。今年6月1日から9月30日、熱中症により救急搬送された人は全国で約6万5千人、高知県は473人で、残念ながらお一人の方が亡くなられています。住民のいのちと健康を守るために、緊急に熱中症予防のあらゆる手立てをとることが求められていると思います。 

◆今年の夏の熱中症にかかる救急搬送の特徴などについて、危機管理部長に伺います。

 

○危機管理部長 消防庁による調査の9月末速報値によりますと、県内における今夏の熱中症による救急搬送の特徴としては、まず年齢構成別で見ますと、例年と同じく満65歳以上の高齢者の割合が最も多く、全体の62%を占めており、昨年同期と比べると、13%の増加となっております。一方割合が低いのは、18歳未満で、全体の7%を占め、昨年同期と比べると56%の減少となっております。

 次に発生場所別で見ますと、最も多いのが住居で、全体の43%を占めており、昨年同期と比べると7%の増加となっています。最も割合が低いのは、教育機関で、全体の3%となっており、昨年同期と比べますと74%の大幅な減少となっております。

 

●米田議員 ありがとうございます。この間の県政含めて県民の皆さんの学校へのエアコンの整備等も大きな成果になっているんじゃないかなということを数字のことをきいて、そのことが見えてくるというふうに思います。ありがとうございます。

それで、今、特徴がお話しされましたけれど、ある意味熱中症対策は高齢者や障害者、子どもたち、そして地域コミュニティの問題でもあるといえるのではないでしょうか。

◆エアコンの設置状況や使用状況についての調査があれば、地域福祉部長に伺います。

 

○地域福祉部長 令和2年3月に、内閣府が行いました消費動向調査によりますと2人以上の世帯のエアコンの普及率につきましては、全国で91%となっております。高知県単独のデータはございませんが、中国四国地域では、94.7%となっております。使用状況については承知してございません。

 

●米田議員 ありがとうございます。それと、ぜひ、高知でも、できる限り調査していただきたいと思いますし、生活保護利用者の方は申請時に、エアコンがありますかとか、洗濯機がありますかとか、申請時に調査されますよね。それを見たらわかりますので、ぜひ、そういう集約もして、なおケースワーカーの人は大変ですけれど、使用状況なども調べていただきたいなというふうに要請をしておきたいと思います。

本年8月28日県地域福祉部担当課長名で、昨年4月の厚労省の文書を添付し、事務連絡「今夏に向けた家具什器費の取り扱いにかかるケースワークの留意点について」を関係機関に周知しています。

  従来の生活保護利用者は、保護費のやり繰りの中で購入するか、また必要に応じて社会福祉協議会の生活福祉資金貸し付けを利用できるとして、制度の活用支援を福祉事務所等に要請をしています。

◆この間の資金の活用状況について部長にお伺いします。

 

○地域福祉部長 直近3年間の生活保護生態のエアコンの設置にかかる生活福祉資金の貸し付け状況でございますが、平成30年度は15件、令和元年度は11件、令和2年度は9月末までに10件となってございます。

 

●米田議員 ありがとうございます。わかれば、その中で、連帯保証人のある人、福祉資金を借りるにあたって、そんな調査はしてませんかね。わかれば。

 

○地域福祉部長 例えば、申し上げました貸付件数のうち、連帯保証人をつけた貸し付けがどれくらいあったのか、というのは調査をしておりません。

 

●米田議員 わかりました。

連帯保証人がいない人も、本人が福祉事務所から社会福祉協議会に代理納付してもらい返還する場合は、当然無利子扱いにすべきだと思います。同時にすべての生活保護利用者を対象に無利子にすべきではないかと思いますが、地域福祉部長に伺います。

 

○地域福祉部長 生活福祉資金の貸付制度は、低所得世帯や高齢者世帯など対象とした全国一律の制度でございまして、利率は1.5%となっておりまして、民間の金融機関と比較をしても、低い利子で貸し付けをおこなってございます。また、据え置き期間中は、利子が発生せず、低所得世帯などに配慮された制度となっております。

 こうしたことから、生活保護世帯においても、償還していくことが可能な制度というふうに認識しております。

 

●米田議員 わかりました、と言えませんが、次の項へ移ります。

◆2年前から新しい生活保護利用者には、支給されるわけですが、このエアコンの購入費の支給が始まっていますが、この間の実績についてはどうなっていますか。

 

○地域福祉部長 これは県の福祉保健所が所管をします町村部において、平成30年4月以降に生活保護を開始した方に対する、エアコン購入費の支給実績でございますが、平成30年度は、5件、令和元年度は9件、令和2年度は、9月末までに6件となってございます。

 

●米田議員 ありがとうございます。私はもっと本来、新しい利用者の方で、必要とする人がいるんじゃないかなと、これは想像なんですけれど。新しい生活保護利用者のみなさんに、どういう方法で、支給を、エアコンをつけますかという支援ですよね、口頭あるいはチラシ等でそれを徹底されているのかどうか。ケースワーカーの人が、行政からきちっとお話・説明をされているのかどうか。

 

○地域福祉部長 ケースワーカーが生活保護世帯の方に、お伺い、訪問をしておりますので、その際にエアコンの設置の希望があるというふうなお話をお伺いをした際には、生活福祉資金の貸付の支援でありますとか、また、資金の返済ということが、始まってまいりますので、そういった家計管理の支援、こういったものも必要に応じておこなっているところでございます。

 

●米田議員 すいません、僕が聞いたのは、新しい生活保護利用者の方には、購入費が支給できますので、その声掛けを、きちっと周知できているのかということを聞きたいんです。

 

○地域福祉部長 失礼しました。

 生活保護の開始の時点で、どういう電化製品をお持ちかということは、確認をさせていただいておりますので、そうした際にエアコンがないというふうな世帯に対しては、こういう、支給できるということをお伝えをいたしまして、支援をしているところでございます。

 

●米田議員 なお、アンケート、その申請書をみるだけでなくて、一声かけて、こういう制度がありますよということを丁寧に説明なり、声掛けをしていただきたいというふうに、要望をしておきたいと思います。

本来、エアコンがない従来の利用者にも差別なく支給すべきと考えます。毎月の生活保護費のやり繰りの中で購入費用を賄うこととなっています。しかし、生活扶助費2類が水道光熱費や家具什器費などにあてる、となっていますが、生活保護費はまさに最低限の水準で、毎月ギリギリの生活であり、現実には数万円もやり繰りできるような実態ではありません。しかも今生活扶助費そのものの減額、削減計画実施のまっただ中にあって、到底賄える状況にないことは明らかです。

 だからこそ、生活福祉資金でエアコンが購入できるようにしたのではないでしょうか。従来の利用者にはこのような新たな負担や苦痛を押しつけるのではなくて、新しい利用者と同じ対応をすべきだと思います。

◆全国知事会等と一体となって、国に改善を求めるべきと思いますが、見解を伺います。

 

○地域福祉部長 エアコン購入などの考え方につきまして、厚生労働省に確認をいたしましたところ、新たに生活保護を受給することになった世帯は、生活に困窮している状況にあり、手持ちの資金もないことからエアコンの購入費を別途支給するものとしたということでございます。

 しかし、すでに生活保護受給中の世帯にありまして、毎月支給される生活保護費のやり繰りを行う期間を持てるということから、支給することにはなっていないということでございました。

 県としましては、先ほど申し上げましたように、生活保護世帯が、エアコンの購入を希望する場合には、福祉事務所におきまして、生活福祉資金の利用の支援、必要に応じて、家計管理の助言指導を行うなど、今後も適切な支援に努めていきたいと考えております。

 

●米田議員 そうはいいますけど、生活保護費、70歳前後で、高知市でいえば、食費3万、2類の水道光熱費4万、7万円しかないんですよ。そこから返済、利子含めた、毎月2千円、3千円と払うわけですね。7万円しか生活費がない、それをさらに、削られているそんな中で、2千円、3千円を払うことは大変なことなんですよ。多くの生活保護利用者の皆さんは、1千円の…1千円といえばまだ多いですよ、100円単位の生活をしているわけですよ、そのことを思ったときに、その7万円程度からやり繰りできますか。絶対できませんよ。借りやというて借りたら、返済できませんから、そういう点ではぜひ、生活保護利用者の皆さんの暮らし向きはちゃんとやっぱり、心寄せて見ていただいて、国に対していうべきことは言うということをこれは要請をしておきたいと思います。

続いて、エアコン設置とともに、実際に使用できなければなりませんが、電気代の負担が心配で使うのを我慢せざるを得ないようなことが決してあってはなりません。しかし、安倍政権による18年10月から3年かけて160億円をカットする生活保護費削減計画が、この10月も継続されています。減額は利用世帯全体の67%にのぼり、最大5%削減の世帯も生まれます。減額対象は、食費や水道光熱費など日常生活に当てられる「生活扶助」本体そのものです。

  これまでも猛暑でもエアコン使用を我慢したり、シャワーや入浴の回数を減らなど  すでにギリギリの生活です。そしてコロナ禍のもとでの出費の増大、さらに今回の生活本体のカットは、生活苦に追い打ちをかけるだけでなく、いのちと健康を脅かす大問題になります。

◆10月からの削減を緊急に中止し、拡充を図るよう国に働きかけることを求めるものですが、これは知事にお伺いいたします。

 

 

○県知事 今年の10月に行われます生活保護基準の見直しにつきましては、5年ごとに実施をされています、基準の改定に伴いまして、平成30年度の改定を3年かけて段階的に行ってきた見直しの最終年度に当たるものでございます。

 この基準の改定は、国の社会保障審議会での検証結果を踏まえまして、客観的な経済指標も基づくものとなっておりまして、減額となる生活保護世帯にも配慮をし、段階的に、進めるという形で、行われているものであります。

 また、今回の基準の改正によりますと生活保護世帯にありましては、減額となる世帯もありますけれども、一方増額となる世帯もあるという改正の中身になっております。その意味で、段階的に、進行しておりますこの段階で中止をするということになりますと影響が広い範囲に及ぶということもありますので、この点は現実的では無いというふうに考えております。県といたしましては、今回も含めた今次の基準改定に伴いまして、本県にどのような影響があったのかというのをしっかり把握をしていきたいと考えております。

 

●米田議員 知事も言われたように、現状どうなっているのかということを、よく掌握というか、議論もいただいて県の対応をぜひ検討していただきたいというふうに思います。

通常の生活扶助費・水道光熱費に加えて、10月から4月まで、11月から3月までなど六つの地域区分ごとに冬季加算が長きにわたって創設・支給されています。

今日地球の温暖化が進み猛暑、酷暑が当たり前の環境、気象になっており、早期の「夏季加算」創設・支給が求められていると思います。全国知事会などと協力して早急に実現するよう願うものですが、知事の所見を伺います。

 

○県知事 国が直近になります平成30年度の生活保護基準の検討の見直しに際しまして、作成した資料を見ますとこの月ごとの光熱費の支出の実態を総務省統計局の家計調査をもとにして、作成をした資料がございます。

 これを見ますと、夏季、夏の間の支出額は、この家計調査にあらわれます実態としては、年の平均よりも低いという状況にございます。こうした状況によりまして、夏季加算は設けられていないというふうに聞いているところでございます。

 まあ、ただ、一方では、近年は例えばご指摘がありましたように、全国的に夏の気温が上昇しているという状況でございますし、ただいま申し上げました総務省統計局の家計調査も平成21年から25年ころの調査というふうに伺っておりますので、また状況が変化をしている可能性はありうるとは思います。

 そういう意味で来年度後半には、次期の基準改定に向けました国での検討も本格化するというふうに見込んでおりますので、これについての国の動向をよく注視していきたいというふうに考えております。

 

●米田議員 ぜひ、よろしくお願いいたします。

関連して生活福祉資金ですが、今日の経済、金融情勢のもと、利子1.5%といえども利用者に重い負担となっています。とりわけ低所得者や障害者、高齢者等を対象とする制度であり、無利子化へ抜本的な改善に踏み出すべきではありませんないでしょうか。

  民法の改正に関連して、今年4月から県営住宅や高知市営住宅など入居の際の連帯  保証人は不要となりました。連帯保証人の有無によって、利子の有無を決定するのではなく、高齢家族化や孤立化が進み深刻化する中で、低所得者等にしっかり寄り添い生活と自立を支援していく、◆制度の趣旨がより生かされるよう生活福祉資金制度の無利子化を求めるものですが、伺います。

 

○地域福祉部長 生活福祉資金の無利子化につきましては、先ほどお答えをしました通り、現行の制度は、低所得世帯などに配慮された制度になっているものと、考えております。

 一方で、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして所得が減少した世帯向けの特例貸付につきましては、無利子で、連帯保証人も不要としておりまして、9月末現在でのべ、1万2千件あまりの貸付を行っております。

 この特例貸付の受付期間が今年12月末までとなっておりますけれども、コロナ禍の長期化を踏まえますと受付期間の延長が必要と考えております。このため、全国知事会の提言と合わせまして、県単独でも国に対して提言を行っているところでございます。

 

●米田議員 ありがとうございます。ぜひ、皆さんの苦境に応えて、行政が頑張っていただきたいというふうに思います。

 それで、思うことは、結局、たいしたことないといいながら、保証人があるかどうかで、利子が決まるんですよ。おかしくないですか。それと、今の生活福祉資金コロナ特例ですけれど、全国では111万人の方がこれを利用されています。それぐらい、今必死なんですよね。同時にこのコロナ特例は、返済が、住民税非課税の方は、免除ということで一応対応されるんですよ。そういうことから考えたときに、コロナ特例も普段の生活、やっていることも住民税非課税の方、いわゆる生活保護の人は該当すると思うんですけれど、少なくとも無利子をはかるべきではないですか。部長にお伺いします。

 

○地域福祉部長 今回の、特例貸付につきましては、新型コロナの影響で、休業等に伴いまして、収入が急激に減った、日々の生活費にも切迫をされている方々、こういった方々に対する貸付制度ということで創設をされたものでございますので、こういう状況が長く続く場合には、生活に影響が及ぶ方が、ますます増えてくるというふうに思いますので、この特例貸付を利用していただけますように今後とも周知もはかってまいりたいというふうに考えております。

 

●米田議員 ぜひ、生活福祉資金の無利子化をお願いしたいのと、生活保護の人は、特例貸付は受けられませんよね。対象外になっていますから、ですから利子の扱いも10年ほど前は、すべて利子がいりましたよね、保証人あったとしても、でも10年前に改善をしたんですよ。連帯保証人がついたら利子がいらない。ない人は利子がいると、一歩改善したんですけれど、本当に、その制度の生活を見たときに、すべて無利子化をするということで、ぜひ、研究もしていただきたいし、国との協議も進めていただきたいということを要望しておきたいと思います。

 

【国民の権利としての生活保護の活用】

●米田議員 国民の権利としての生活保護の活用をということで次に進みたいと思います。  

「生活保護の申請は、国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあ  るものですので、ためらわずに自治体までご相談ください。」――この文言がコロナ禍、厚生労働省が作成したリーフレット「生活を支えるための支援のご案内」の中の「生活保護制度」冒頭に新たに7月16日更新、追加されています。

  6月の日本共産党・田村智子参院議員の国会質問に対して、安倍首相は”田村委員が言うように文化的な生活を送るという権利があるわけで、ぜひためらわずに申請していただきたい、われわれも様々な手段を活用して国民の皆様に働きかけを行っていきたい”と明言しました。厚労省は、この答弁をふまえて冒頭の文言を追加した、と説明しています。

  そして高知県も、8月11日「生活保護制度の概要」を更新して、「生活保護を必要とする可能性はどなたでもあるものです。ためらわずにお住まいの地域の相談窓口にご相談ください」とホームページで紹介し県民によびかけていますが、評価できると思います。

◆”ためらわずに申請を”ポスターや各自治体の広報紙などを通じて県民にメッセージを送る、県、市町村職員にも改めて厚労省リーフレットを学んでもらうなど具体化を図るよう求めるものですが、地域福祉部長に伺います。

 

○地域福祉部長 本年3月から8月までの本県におけます生活保護の申請件数は、前年と比べまして、約14%減少しております。一方で、先ほど申し上げましたように、生活福祉資金の特例貸付におきましてはこれまでにのべ1万2千件を超えているという状況にございます。この特例貸付のうち、総合支援資金につきましては、生活困窮者自立支援機関がその方の生活状況や収入状況を確認し、生活再建のめどが立たない場合、こういう場合には生活保護の窓口につなぐということにしております。

 こうした方々がためらわずに生活保護申請できますように、市町村や社会福祉協議会などに、窓口の職員の方々などに周知を徹底しますとともに、引き続き広報の充実に取り組んでまいります。

 

●米田議員 ありがとうございます。

同時に、更新された県の「生活保護制度の概要」には、厚労省リーフに引用された国会での安倍首相の発言「生活保護の申請は、国民の権利です」、この言葉が紹介されていないことは大変残念だと言わなければなりません。この言葉と合わさって、“ためらわずに申請を”“ためらわずに相談を”のメッセージが県民の心に響くのではないでしょうか。

東京商工リサーチは9月23日、今年1月~8月の休業、廃業、解散企業数が前年同期比23.9%増の3万5816件にのぼると発表しています。

  また厚生労働省は9月24日、新型コロナウイルスの影響で解雇や雇い止め(見込みを含む)にあった人が6万439人となり、6万人を超えたことを発表しました。そして増加数の中ではアルバイトなど非正規の労働者の割合が高いこと、業種別では、多い順に飲食業、製造業、小売業、宿泊業などと分析しています。

  まさにいま、公的支援が圧倒的に求められています。そして暮らしを支える「最後のセーフティネット(安全網)」である生活保護制度の役割が問われています。

◆知事自らも、生活保護の申請は国民の権利であり、ためらわずに申請するよう、広く県民にメッセージを届ける、県民への働きかけの先頭に立つよう求めるものですが、知事の見解を伺います。

 

○県知事 憲法の第25条の規定によりまして「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」ということは論を俟たないところであります。

 県民の誰でありましても、さまざまな事情から、生活保護を受給する事態が訪れる可能性はある、これは否定できないということだと思います。その中でご指摘もありましたように、生活保護制度は、最後のセーフティネットでございます。制度の周知にはこれまでも努めてまいりました。今回、国難ともいうべき新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、経済的に厳しい状況が長期化をしている中でございます。このため、生活に困窮された皆様には、ためらわずに相談をしていただきたい、そうしていただけるように、県としてあらためて、生活保護制度をはじめといたしました各種の支援策について、周知を徹底をしてまいります。

 加えまして、生活困窮者自立支援機関をはじめといたしまして、市町村などとの連携を強化し、生活の再建に向けた支援に取り組んでまいります。

 

●米田議員 ありがとうございます。ぜひ、知事先頭にあたたかいメッセージを必要な方に届くようによろしくお願いいたします。

 

【コロナ禍の国保行政について】

●米田議員 時間がなくなってきましたが、コロナ禍の国保行政について、少し、健康政策部長に伺いたいと思います

 そういう大変なコロナ禍の中で、国民健康保険証の無条件交付についてですが。                           

  高知市と香美市は、病院窓口で一旦10割負担が求められる資格証明書、また数ヶ月期限の短期保険証の対象者に、有効期限来年3月末までの短期保険証を無条件に交付しています。県はどう受け止めておられるのか、伺います。

 

○健康政策部長 このコロナ禍におきまして、被保険者士資格証明書、短期被保険者証が交付されている被保険者が保険料納付や納税相談等で市町村役場へ来庁することを避ける観点や医療機関を受診する機会を確保するといった観点から、両市においてコロナウイルス感染拡大防止策として判断されたものというふうに考えております。

 

●米田議員 ありがとうございます。まさにその通りだと思います。それで、香美市が257世帯375人、高知市は2,868世帯4323人の方に短期保険証を交付されています。無条件交付によって市民の方からは、病院にかかりやすくなったありがとうの声が届いたり、行政からは逆に納付相談が増えているとの声も聞こえてきます。まさに困難を抱える市民の皆さんに、感染の防止とともに、受診の機会を保障し、行政への信頼も強めています。こんな取り組みにしっかり学び、他の市町村に紹介・普及を推奨すべきと思いますが、部長に伺います。

 

○健康政策部長 最終的に実施をするかどうかというのは、各市町村の判断になりますけれど、県としましては、今回の新型コロナウイルス感染症への対応としての、高知市、香美市の取り組みにつきまして、他の市町村に、その内容をしっかりとお伝え、お知らせしていきたいと考えております。

 

●米田議員 ありがとうございます。ぜひ、よろしくお願いいたします。

 それで、今、香美市と高知市の世帯数をいいましたけれど、高知県は国保加入世帯が約11万世帯で、短期保険証と、資格証明書をあわせると約7,000世帯あるんですよ。だから、高知市と香美市だけでは、県民、住民のいのち、健康を守るということからすると、まだまだ不十分だというふうに思いますので、ぜひ、今、健康政策部長がいわれたように、最終の判断は市町村がやるわけですけれど、大いにそういう立場を皆さんに紹介もし、いっしょに、その無条件交付についてのおすすめをぜひ強めていただきたいというふうに、思います。よろしくお願いいたします。

 

【コロナウイルスの影響による国保料減免について】

●米田議員 最後の方になりますが、いろいろ、質問が飛んで申し訳ないですが、コロナウイルスの影響による、少し、国保料減免について、お伺いします。

◆いわゆるコロナ特例による国保料の減免ですが、現在の申請、減免の決定、不承認の数など実績について、健康政策部長に伺います。

 

○健康政策部長 直近の8月15日時点の調査では、県内の市町村で、1,930世帯からの申請がありまして、このうち減免決定されたものが、1,590世帯、不承認となったものが、130世帯、処理中が210世帯というふうになっております。

 減免の決定額は約1億8千8百万円ほどとなっております。

 

●米田議員 ありがとうございます。多くの方が申請せざるをえないような、減収の中で手続きをし、市町村の協力も得て、そういう減免を実現できているというのは、非常に、喜ばしいことなんですが、まだまだ必要な方、たくさんおいでるというふうに、思います。それで、今問題になっていますけど、30%以上減収の要件については、可能な限り、今の困窮を広く救済していくという立場で運用をされています。だからこそ、国は結果として、30%以上の減収にならなかった場合でも、減免は取り消さない、返金は求めないそして財政支援の対象になると極めて明確なんですが、これは6月議会でも、中根議員が…(時間となりました)

 

以上で質問を終わります。ありがとうございます。