議会報告

【項目】

・新型コロナウイルス感染症対策
・創生総合戦略案
・最低賃金制度
・子育て支援
・産業振興計画/カジノ・IR
・地域医療・介護

【新型コロナウイルス感染症対策】
●塚地県議 私は、日本共産党を代表し、以下質問をいたします。
まず、新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いをいたします。

 12月に中国武漢で確認された新型コロナウイルスによる感染症は、感染力が強く、世界中が危機感をもって対応する状況となりました。ウイルス性の肺炎は重症化すればウイルスそのものが肺の中で増殖し、治療が困難となります 。「過度に恐れずに、インフルエンザと同じような対応を」と言われたりもしてまいりましたが、これでこのウイルスに立ち向かうことができないと東北大学大学院の押谷仁教授は述べています。
 武漢では流行が始まったとされる市場の周辺で「見えていた」流行を追いかけているうちに、「見えない」感染拡大が急速に進みました。本県においても、地域内で感染が起こるという前提で、想定外を想定する医療体制等を考え、準備をすすめることが重要となっています。この間、日本政府は大規模な客船に罹患者も含めて閉じ込めた結果、感染者が拡大をし、諸外国から批判の声が上がっています。
また、政府は、ウイルス検査の対象を中国・武漢等への渡航歴のある人等に限った対応を行いました。ところが、北海道や和歌山の感染例や多くの感染者が出現。「ダイアモンド・プリンセス号」の集団感染では、誰もが武漢には立ち寄っておらず、地域に縛りをかけた検査対象の在り方は適切ではなかったとの指摘があがっています。
安倍首相は昨夜、突如、小・中・高・特別支援学校を3月2日から休校するようにと要請を出しました。政府の新型コロナウイルス対策の専門家会議の委員で、感染症に詳しい川崎市健康安全研究所感の岡部信彦所長が、「専門家会議で議論した方針ではなく、感染症対策として適切かどうか一切相談なく、政治判断として決められたものだ。判断の理由を国民に説明すべきだ」と述べたと報道されており、首相の要請が専門的知見を欠いたものであることが明らかになっています。
知事は、この問題で、3月4日からの一斉休校を、教育委員会から各学校に要請をしたと述べられましたが、今後、保護者をはじめ、各方面での混乱も予想される事態となっています。
◆初動体制が適切でなければ、ウイルスを封じ込めることはできません。この間の政府の対応について、知事のご所見を伺います。

○県知事 塚地議員の御質問にお答えをいたします。
まず、新型コロナウイルス感染症対策に関する政府の対応について、お尋ねがございました。
議員御指摘のとおり、感染症の蔓延を封じ込めるという観点からは、初動対応は極めて重要であります。
そうした中、現在、新型コロナウイルスに関する科学的知見が十分に得られていないという状況におきまして、国や自治体が総力を挙げて感染蔓延防止対策に取り組んでいるところであります。
さらには、ただいま、お話もございましたように、昨日、安倍総理から、感染の流行を早期に収束させるため、全国の小・中・高等学校及び特別支援学校における臨時休業の要請がございました。
この要請を踏まえまして、本県においては、休校の影響についての軽減策の検討も進めまして、休業期間に向けた一定の準備を整えたうえで3月4日から臨時休校とすることを、本日、県立学校に通知をいたしますとともに、市町村教育委員会等に、これは市町村立学校に関しまして要請いたしたということでございまして、この旨、教育委員会から私も報告を受けているところでございます。
こうした状況を鑑みますと、私としましては、まずはこの流行を封じ込めることに全力をあげて取り組むことが第一に求めることだと思います。この封じ込めに成功したのちに、専門家の議論を経て評価・検証がなされるのが適当だというふうに思っております。
高知県といたしましては、まずは、国や県内医療機関と連携をいたしまして、発生します事象に対しまして、迅速かつ的確に対応することを第一に適切に対処してまいります。

●塚地県議 高知県での発症患者は現在確認されていませんが、県内で患者が発生したことを想定し、具体的に取り組みを進めなければと考えます。
人口わずか561万人余のシンガポールでは2003年に流行したSARSが流行した後、体制を整備し、ほとんどの病院でウイルスの検査体制が整備をされています。一日2千検体以上を検査することが可能となっています。現時点で日本には感染連鎖を可視化するすべは限られています。その中で効率よく感染連鎖を突き止めていくしかありません。
◆感染症拡大を防ぎ適切な処置をするために、医療機関や保健所は、どのような体制と対策をとっているのか、また、本県で確定診断ができるウイルス検査体制はどうなっているのか、健康政策部長にお聞きをいたします。
◆体の変調や不安を覚えた一般の県民はどうすればいいのか、医療機関の対応はどうなっているのか、健康政策部長に具体的にお示しをいただきたい。

○健康政策部長 まず、新型コロナウイルス感染症対策として、医療機関や保健所の体制と対策、ウイルスの検査体制についてお尋ねがございました。
また、体の体調や不安を覚えた一般の県民はどうすればいいのか、とのお尋ねがございました。開通しますので、併せてお答えをいたします。
まず、新型コロナウイルス感染症に対応した医療体制につきましては、午前中の梶原議員にもお答えしましたように、感染症指定医療機関である高知医療センターと県立幡多けんみん病院が中核を担うことになります。
しかしながら、両病院に集中しすぎると病院機能の低下や院内感染のリスクが高まることから、まずは「新型コロナウイルス相談センター」において、症状や接触歴等一定の要件に該当するかを聞き取り、検査が必要な場合等については、保健所を通じ、個別に「帰国者・接触者外来」への受診につなげることとなります。
そして、帰国者・接触者外来での診察結果を踏まえ、保健所長がウイルス検査の必要性を認めた場合には、高知県衛生環境研究所で通常約6時間の時間を要するPCR法を用いてウ
イルス検査を実施し、その結果が陽性で、新型コロナウイルス感染症であると診断された場合には、感染症法に基づき感染症指定医療機関で入院等の措置がなされます。
同時に、保健所が中心となり、患者の感染経路や濃厚接触者の健康調査など積極的疫学調査を実施することとなります。
また、県民の皆さまへの相談窓口としては、先ほども申し上げました「新型コロナウイルス相談センター」を設置しています。風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続いたり、強いだるさや息苦しさがある場合のほか新型コロナウイルスについての疑問や不安がある場合には、まずはこのセンターにお気軽にご相談いただきたいと考えています。
あわせて、一般的な衛生対策として、せっけんなどによる手洗いを徹底していただきたいこと、また、咳などの症状のある方は、咳やくしゃみを手で押さえると、その手で触ったドアノブなどを通じて周囲の者にウイルスが付着し、そこから他の人に病気を移す可能性がありますので、咳エチケットを行うことなどをお願いしているところです。

●塚地県議 ◆県は「新型コロナウイルス相談センター」を開設していますが、現在、相談時間が午前9時から午後9時となっていますが、不安感が募る夜間相談への対応などや相談内容に応じた新たな体制を検討する必要はないのか、健康政策部長にお伺いいたします。

○健康政策部長 次に、新型コロナウイルス相談センターについて、新たな体制を検討する必要はないのか、とのお尋ねがございました。
「新型コロナウイルス相談センター」は、 一般相談窓口と帰国者・接触者相談センターの2つの機能を併せ持っており、開設時間は休日を含む午前9時から午後9時までとなっています。
なお、夜間に症状があり、医療機関の対応を必要とするなど緊急を要する場合には、県庁代表または高知市保健所への電話を通じて担当課に連絡が入り、折り返し担当課から連絡をすることでセンターが開設されていない時間帯でも対応できるようにしています。
これまでの相談内容としましては、検査はどこで受けられるのか、コロナウイルスの症状とはどんなものか、などという、医療機関との受診調整ではなく、不安を感じる方からの
相談が多いという状況でございます。
今後の相談センターそのものの開設時間の延長等につきましては、県内での感染者発生状況や相談件数等の推移を見ながら、必要に応じて検討してまいります。

●塚地県議 県民がウイルスに感染した場合、ためらわずに休める環境を作っておくことも重要です。
事業所の理解や県民への周知をはかり、雇用する側もされる側もウイルスに対する正しい知識を広め、「感染が心配になったら、出勤しない、出勤させない」という意識を醸成することが大切だと思います。
◆そこで、新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識の県民への周知徹底をどのように行っていかれるのか知事にお伺いいたします。

○県知事 次に、新型コロナウイルス感染症について、県民への周知の徹底をどのように行っていくか、というお尋ねがありました。
県では新型コロナウイルス感染症発生後、 1月16日からホームページで情報発信を始めております。また、併せて相談窓口を設置いたしまして、県民の皆様に正確な情報発信に努めてきたところでございます。
2月13日には高知県新型コロナウイルス感染症対策本部の会議におきまして、私から県民の皆様へのメッセージを発信いたしまして、正確な情報をキャッチしていただくようにお願いをいたしました。
2月25日には県のホームページのトップに専用のポータルサイトを設置いたしまして、よりわかりやすくお伝えする工夫を行っております。
一方、国からも「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」が出されまして、現時点で把握できている新型コロナウイルス感染症の特性がすでに示されております。
また、例えば、発熱等の風邪症状が見られる場合の休暇取得や不要な外出の自粛等の呼びかけ、適切な相談をせずに医療機関を受診することによるリスクなども挙げられてございます。
今後も、こうした国からの情報などにつきましては、この専用ホームページなどを通じまして、迅速かつ正確に県民の皆様に周知をしてまいります。
なお、当然ながら、お伝えすべき緊急を要する事案が発生した場合には、報道機関のご協力もいただきながら、また、関係機関とも連携して広く周知を図ってまいります。

●塚地県議 ◆高知新港へのクルーズ船の寄港状況はどうなのか、また状況によって、県内の観光業にどのような影響が現れているのか、観光振興部長にお聞きをいたします。

○観光振興部長 新型コロナウイルス感染症に関します、高知新港へのクルーズ船の寄港状況と県内観光業への影響について、お尋ねがありました。
まず、現時点での寄港状況につきましては、今年度において、コロナウイルスの影響が出始めた1月中旬以降に、寄港予定であった1回がキャンセルとなりました。また、来年度
は45回のうち、12回のキャンセルが発生しております
次に、県内観光業への影響につきましては、これら1 3回のキャンセルに伴う乗船客数が、約2万9千人と見込まれることから、県内の観光地や高知市中心市街地などでの観光消費に影響が出てまいりますし、仮予約も含めて、およそ3 7 0台のバスを手配予定であったと伺っているところです。
県としましては、新型コロナウイルス感染症の収束状況を注視しながら、適切な時期に、クルーズ船ツアーの需要が回復に向かう取り組みを、国や全国の自治体、船会社などと連携して展開してまいりたいと考えています。また、県内の観光関連業の皆様の、事業の見通しが少しでも立てやすくなるよう、今後もクルーズ観光の動向を把握して、迅速な情報共有に努めてまいります。

●塚地県議 ◆経済産業省は、経済の大きな落ち込みに対して緊急融資等、緊急対策を打ち出してまいりました。高知県でもこの対策に該当する事例があるのか調査がされているでしょうか。あれば具体的対応がなされるべきだと考えますが商工労働部長にお伺いいたします。

○商工労働部長 まず、新型コロナウイルス感染症対策として経済産業省が打ち出した緊急融資等の緊急対策に該当する事例の調査と、その具体的対応について、お尋ねがございました。
経済産業省は、1月29日以降、新型コロナウイルス感染症対策として、商工団体等への相談窓口の設置をはじめ、事業者への資金繰りの支援策として、業踵や地域を指定し、通常とは別枠で債務を保証するセーフティネット保証を実施するほか、一時的な業況悪化から資金繰りに支障を来している、旅館業など影響の大きい業種への特別貸し付けなどを打ち出しています。
県内事業者への影響につきましては、2月17日から21日にかけて商工会・商工会議所等を通じて聞き取り調査を行いましたところ、宿泊業、飲食業を始め、卸売業、小売業、製造業など幅広い業種で、既に売り上げの減少や資金繰りの悪化等の影響が生じはじめており、先行きを懸念する事業者もおられます。
そのため、県では国の支援策のうち県の要請に基づいて指定され、有利な保証が受けられるセーフティネット保証4号が本県に適用されますよう国に対して要請をしていましたところ、3月2日付で適用される見込みとなったところです。
また、県といたしましても、経営支援課に相談窓口を設置するとともに、県の制度融資である「経済変動対策融資」において、新型コロナウイルス感染症に起因して売り上げ等が減少した事業者のためのメニューを2月27日昨日から追加したところです。
今後とも引き続き関係団体と連携して、事業者への影響について状況を把握しながら、必要な支援に努めてまいります。

●塚地県議 高知県は、この間、観光政策で大型クルーズ船の寄港に力を入れてきました。今後も高知龍馬空港への新ターミナルビルの整備で国際線を導入しようとしています。また、商工業分野や観光分野で販路拡大や交流人口を増やし、県経済の活性化に取り組もうとしています。
◆今日の事態を踏まえ、しっかりとした感染症への危機対応策を構築しておく必要があると思います。今後どのような協議や体制作りをされるおつもりか、知事の決意をお伺いをいたします。

○県知事 次に、感染症への危機対応策の構築について、お尋ねがございました。
午前中の梶原議員の御質問にお答えしましたように、新型コロナウイルスに関しましては、今月1 3日に設置しました対策本部の体制のもと、感染の予防に向けた対策等をしっかりと講じるよう取り組んでおります。
そのうえで、県民生活や観光面、産業面など経済活動への影響についても注視をしまして、情報収集を行いまして、適切に対応していくように、全庁を挙げて取り組んでいるところでございます。
引き続き、感染拡大や県経済の状況、さらには、国が決定をいたしました対策の基本方針なども十分に踏まえました上で、県民生活、あるいは県経済のために必要となる対策を適切かつ迅速に講じられるように、しっかりと態勢を整えて万全を期してまいる所存でございます。
また、この度の感染症対策については、今後、国において検証がなされていくことになると考えます。
その結果を踏まえまして、本県としても、将来に向けた感染症・対策について、関係省庁や関係機関としっかり協議をした上で、態勢を整えて対応していく必要があると考えております。

【創生総合戦略案】
●塚地県議 次に、2月7日に示された、第4期高知県産業振興計画案、第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略案について、まず創生総合戦略案についてお伺いします。
第3期産業振興計画は、おおむね成果を上げているものの、創生総合戦略は、2018年に人口の社会増減0にするという目標が達成できず、4本の基本目標に対してそれぞれ課題を残しているものになっています。
基本目標1、地産外商により安定した雇用を創出するについては、課題として県民所得などの伸びは全国を上回るものの、依然全国の絶対水準を下回る。また、人手不足や後継者不足は深刻化していると総括。
第2、新しい人の流れをつくるは、一定の改善傾向はあるものの、若者を中心に県外流出が続く。第3、若い世代の「結婚」「妊娠・出産」「子育て」の希望を叶える。女性の活躍の場を拡大するは、希望の実現に向けては道半ば。安心して妊娠・出産・子育てができる環境が必要。第4、コンパクトな中心部と小さな拠点との連携により人々の暮らしを守るでは、高齢者や若者が地域で住み続けられるよう活動の継続や暮らしへの支援の充実が必要と課題を示しています。その上で、全体総括として計画基本目標ごとで一定の成果が見られるものの、人口動態の改善効果が発現するには取り組みの継続が必要。次期戦略においては、基本目標の大枠は維持しつつ、各施策群のバージョンアップを図る、としています。
こうした総括を元に、第2期高知県まち・ひと・しごと創生総合戦略の全体像と構成、それぞれの柱の具体的取り組みがまとめられています。
 この間、本県は官民協働で様々な取り組みを展開をし、市町村とも連携をし知恵と力を寄せ合ってこれらの目標の達成を目指してきました。しかし、そうした努力が展開をされても、国の施策の動向にその道を阻まれてきたといえます。
今後、住み続けられる高知県作りに何が必要なのか、その方向性と考え方、具体的施策の提案をする形で質問を行いたいと思います。
まず、第一は、地産外商の取り組みと新しい人の流れをつくる柱に対する提案です。
この間、産業振興計画で一定の成果を上げてきました。しかし、一方ではこの間、平成21年29575あった企業数が、平成28年には25025になっており、年平均で650の事業者が減少しています。減り続けている事業者の多くは従業者5人未満の個人事業主を含む小規模事業者。平均2人と換算しても年間1300人の職が失われたこととなります。小規模事業者をどう維持発展させるか、この視点が今後、重要になってくると考えます。
昨年11月、中土佐町のある集落の商店を訪ねました。70代のご夫婦が営んでおられ、お聞きすると「この店がなくなると、この地域ではお買い物ができなくなってしまう。そう思って一生懸命二人で頑張ってきたけど、消費税が10%になって続けていく気力がなくなっています」とお話しをされました。
 こうした商店は、まさに地域の暮らしを支えています。この営みをしっかり守る視点が本県にとってきわめて重要だと考えます。もちろん小規模事業者の事業内容は多岐にわたっています。多種多様であると同時に、地域に密着した存在でもあります。
◆そこで、知事に、この間、事業者数が減り続けている本県の実情をどのように分析し、どのような認識をされているか、まず、お伺いをいたします。

○県知事 次に、事業者数が減り続けている本県の実情をどのように分析しているか、あるいは認識をしているか、とのお尋ねがございました。
ご指摘ございましたように、本県の事業者数は、ここ数年間、大企業や中規模企業においては、おおむね横ばいとなっておりますが、小規模企業についてみますと、一貫して減少傾向にあります。
その要因といたしましては、人口の減少、あるは高齢化などによりますマーケットの縮小や、全国チェーン店の進出、ネット販売の拡大などによります競争の激化などが挙げられると考えます。加えまして、深刻化する人手不足や事業承継問題なども大きな要因となっているというふうに受け止めております。
地域の小規模企業は、経済活動において重要な役割を担っているのはもちろんでございますが、例えば地域におきます食料品の販売、ガソリンスタンドの営業などで地域の人々の生活を支えているといえると考えます。
また、イベントや伝統行事などに取り組まれる中で、地域・活動の担い手としての役割も果たされているということだと考えております。
このような小規模企業の減少は、地域経済の縮小につながるだけでなく、住民の皆様の暮らしにも支障を生じさせることになると思います。
そのため県といたしましては、関係機関とともに事業者の経営基盤の強化のために、販路の拡大や新製品の開発、事業承継への対応など課題に応じました経営計画の策定と実行を支援をいたしております。
また、個々の事業者に対する支援だけでなく、面的な取へり組みとして地域アクションプランと連携しをしたしました「商店街等振興計画」の策定、実行への支援も行っているところでございます。
県といたしましては、今後とも様々な支援機関と連携をいたしまして、地域の経済と生活を支えます小規模企業の持続的発展を、しっかりと支援をしてまいります。
 
●塚地県議 国においても、2014年小規模企業振興基本法を制定し、「小規模企業振興基本計画」に基づく施策を展開してきました。しかし、その間も、減少に歯止めがかからず、2019年6月に改訂された「第2期小規模企業振興基本計画」の「1,現状認識」の項では「中小企業のうち、小規模事業者のみが減少しており、大企業数も横ばいで推移していることを鑑みれば小規模事業者のみが減少した4年間であったといえる」とし、その背景の分析を行っています。
振り返って大事なことは、様々な要因と同時に、的確な施策展開であったかどうかではないでしょうか。マクロの経済・社会政策は後ほど述べるとして、ここでは、県政における具体的な取り組みについておたずねをいたします。
 小規模事業者の持続発展に寄与する国の施策の中でも、中核をなしているのは「小規模事業者持続化補助金」です。身近で役立つ補助金としての成果も上がってきていますが、十分に行き渡っている状況とはいえません。さらなる活用のために、予算の拡充、支援体制の充実が必要だと考えます。
◆「小規模事業者持続化補助金」の活用状況と今後の対応について商工労働部長に伺います。

○商工労働部長 次に、小規模事業者持続化補助金の活用状況と今後の対応についてお尋ねがございました。
「小規模事業者持続化補助金」は、商品開発や設備の導入など、販路開拓や生産性向上につながる幅広い取組みを対象としており、小規模事業者にとりまして非常に活用しやすい補助金となっています。
本県における活用状況は、平成26年度から令和元年度までの6年間で:補助申請2,361件に対して、採択1643件となっています。年度によりばらつきはありますが、約7割の申請が採択されており、販路開拓等に活用されています。
この補助金は、小規模事業者の振興に向けた重点施策である「経営計画」の策定を要件の一つとしており、小規模事業者が明確なぜジョンに基づいた経営を行う大きな契機ともなっております。
本県では、平成28年度及び29年度に経営計画を策定した事業者の約9割が策定前の業況を上回るなど、大きな成果につながっているところです。
これらのことから、県におきましては、当該補助金の当初予算化や十分な予算の確保を政策提言してまいりました。
本年度は補正対応ではありますが、ものづくり補助金、IT導入補助金などと統合された「中小企業生産性革命推進事業」において、複数年で総額3,600億円の予算が確保されているところです。
今後も引き続き、 関係団体を通じて事業者の積極的な活用を促しますとともに、必要に応じて国に対して予算の確保などの政策提言を行ってまいります。

●塚地県議 この補助金の事業者への周知、需要の掘り起こし、申請に当たって、各商工会議所、商工会の果たす役割はきわめて大きなものがあります。これまでも体制の充実やスーパーバイザーの配置などで指導力の向上などに県としても、いっしょに努力をされてきました。
また、事業承継のためにこれまでの組織に加え、高知県事業承継ネットワーク事務局も開設され、関係する団体で情報と対応策を共有するシステムも構築をされてきました。
ここで、さらにステップアップする上で、それぞれの関係団体、自治体との連携が不可欠だと考えます。市町村においては県の産業振興計画のアクションプランなど、新たな事業展開に力点が注がれているようにも見受けられます。事業の継承を図る上では、地域作りの視点を持った取り組みが必要で、小規模事業者の果たしている役割・存在価値を自治体、地域住民が共有し、小規模事業者自身に、その社会的価値に誇りを持っていただく取り組みにしていかなければなりません。そのためにも、小規模企業振興条例の制定には大きな意義があるものと考えます。
 県は、これまで産業振興計画を持っているため「小規模企業振興条例」の制定に前向きではありませんでした。しかし、午前中の梶原議員へのご答弁で、来年度、この条例制定に取り組むと表明がされました。
◆条例制定に当たり、小規模事業者の声が反映され、実効性のあるものとしていただきたいと思いますが、改めて知事の決意をお伺いをいたします。

○県知事 次に、小規模企業振興条例の制定にあたりまして、小規模事業者の声が反映され実効性ある内容にするための決意を述べよという、お尋ねがございました。
小規模企業の皆様は、先ほども申し上げましたとおり地域における経済活動や活力の維持など大変重要な役割を担っておられます。
このため、条例の制定にあたりましては、小規模企業特有の課題などもしっかりとお聞きをしてまいりたいと考えております。
具体的には、商工会・商工会議所、金融機関、市町村などの関係団体から幅広いご意見を集約をするとともに、学識経験者を交えた検討会を開催しております。あわせまし、地域ごとに意見交換会などを開催いたしまして、様々な事業者の方々のご意見をお聞きをしてまいります。
また、条例には理念や方向性に加えまして、商工団体をはじめとする様々な関係者の役割でございますとか、PDCAの考え方を盛り込むことで、可能な限り実効性を担保してまいりたいと考えております。

●塚地県議 ◆小規模事業所の継続で、マクロの政策の最大の課題は、消費税の引き上げによる経営悪化、軽減税率やポイント還元へのシステムの導入などの負担増、インボイス制度の導入による免税事業者の排除の懸念です。これらの課題にどのような認識をお持ちか、今後の対応策について商工労働部長にお伺いをいたします。

○商工労働部長 次に消費税の引き上げ、軽減税率等のシステム導入、インボイス制度の導入などに伴う課題への認識についてお尋ねがございました。
消費税率の引き上げによる県内事業者の経営への影響について、2月時点での商工団体へ聞き取りをしましたところ、業種によって駆け込み需要による反動減や、暖冬による影響等が見られるものの、増税を主要因とする経営悪化の話は比較的少数でございました。
日銀高知支店の経済概況でも、個人消費に駆け込み需要の反動が見られるが、持ち直し基調であるとの見解が出されており、引き続き注視してまいりたいと思います。
 軽減税率やポイント還元に関するシステム導入につきましては、地元金融機関と連携したキャッシュレスセミナー等を開催することなどにより、支援策などについて周知することで、できるだけ負担を少なく導入していただけるよう取り組んでまいりました。
その結果ポイント還元事業への参加店舗も一定増えてきていますが、なお、申山間地域が少ないなどといった課題もありますので、引き続き周知に取り組んでまいります。
令和5年10月からのインボイス制度導入に向けては、導入までの4年間と導入後の6年間、段階的な経過措置が設けられているものの、免税事業者にとりましては、負担感が大きなものとなっていると考えられます。
そのため、商工会・商工会議所を中心に、制度の内容や国の支援策等について、講習会の開催や巡回指導等により周知しており、県でも今後、キャッシュレス決済の勉強会と併せて勉強会を開催してまいります。
いずれにしましても、こういった外部環境の変化にしっかりと対応できるよう、各事業者に経営基盤を強化していただくことが肝要であると考えます。 そのため、引き続き商工会・.商工会議所、金融機関等と連携して、経営計画の策定・実行支援を通じて、経営力を向上し事業の継続に繋げていただけるよう取り組んでまいります。

【最低賃金制度】
●塚地県議 マクロ政策のもう一つの課題は、最低賃金制度の問題です。
最低賃金制度を巡っては、全国知事会が昨年7月の「令和2年度国の施策並びに予算に関する提案・要望」において、全国一律の最低賃金制度の実現とそれにより影響を受ける中小企業への支援強化を提言しています。
日本における最低賃金額は、全国をABCD4ランクに分けた地域別で決められています。令和元年度の最低賃金額は、高知県も含む最も低い地域で790円、最も高い東京都では1013円と223円の格差があるのが現状です。これは、年額で言えば40万円以上の格差になります(高知790円×月173.8時間(中央最賃審議会での労働時間想定)×12ヶ月=1,647,624円、東京は同様に2,112,713円)。最低賃金は上昇したものの、2010年には179円の差であった高知と東京の格差はさらに拡大をしてきた、というのが実態です。
全国知事会の「提案・要望」においても、世界的に見れば、「全国一律」最低賃金は、世界の9割と常識であり地域別は3%のみであること、最低賃金の地域間格差が地方からの人口流出と地方の衰退を招いていることなどが指摘をされています。
都道府県別の最低賃金額と、人口の社会減=人口流出を重ね合わせると、最低賃金が低い地域から高い地域へ人口が流出していることが指摘をされています。同じ仕事をしても、年40万円以上の差が生じるとすれば、当然のことといえます。
◆この間、高知県内でも、労働力不足が課題となっていますが、最低賃金の地域間格差は、地方の労働力不足、継承者不足を助長するものとなっていると考えますが、知事のご所見をお伺いたします。

最低賃金を考える上で、重要なのは、それが、働く方々にとって、十分な暮らしを営める賃金であるかという生計費としての視点です。
働く方が、一般的な家財などをそろえ「ふつうに生活できる」最低生計費の試算については、全国労働組合総連合(全労連)が、生活に必要な費用を積み上げる「マーケット・バスケット方式」による全国的な調査を行っています。この調査では、25歳単身者を想定し、賃貸ワンルーム、家具・家事用品、被服費、保健医療、教養・娯楽費、交際費など、生活に必要な支出を、地域実態に即して積み上げて、地域における生計費を試算したものです。
その2019年調査によれば、東京都北区で、月額の最低生計費は249,642円、月150時間労働と仮定して時給換算すれば、時給1,664円となります。高知県における同調査は、2012年の数値になりますが、高知市で月額232,204円、月150時間労働で1,548円と試算をされています。全国的に物価水準自体に大きな違いはなく、都会では家賃が高い一方で公共交通機関が整備されており交通費が安いこと、地方は自動車の維持管理費などの交通費の出費が多いことなどから、相殺され、大きな生計費格差は生じていないと分析をされています。
働く方々の暮らしという観点からも、最低賃金は全国一律であることが望ましいと言えます。
◆昨年12月県議会でも当会派の米田県議が全国一律最低賃金制度についてお聞きしましたが、改めて、この全国知事会も求めている全国一律最低賃金制度への知事のご所見をお伺いさせていただきたいと思います。

○県知事 次に、最低賃金の地域間格差と地方の労働力不足等に関する認識、全国一律最低賃金制度の導入に関しまして、お尋ねがございました。関連しますので、併せてお答えをいたします。
人口減少の要因につきましては、昨年12月議会において米田議員のご質問にお答えいたしましたように、経済状況、生活環境など様々なものがございます。また、最低賃金も労働者の賃金や生計費を考慮して決定されるものでございまして、最低賃金と人口移動には、 一定の相関関係があると考えております。
県内企業の生産性が高まりまして、働く方々の賃金が向上することで、最低賃金の地域間格差が縮まるということは、人口の社会減の抑制という観点から大変望ましいことだと考えております。  
また、全国知事会においては、主として女性の活躍推進という観点から、全国一律の最低賃金制度を提案していると承知をしているところでございます。
一方で、本県におきましては、経営規模の小さな中小企業・小規模企業が大多勢を占めておりまして、都市部との問には経済力の格差が大変大きいという現状にございます。こうした中では、全国一律の最低賃金の実現は、現実問題としては、大変困難ではないかというふうに考えている次第でございます。
高知県といたしましては、県内企業の経営基盤の強化、企業の働き方改革を両輪で進めてまいりまして、生産性の向上や経営基盤の強化を図ることが、今は何より肝要だと考えております。こうした取組を通じまして、最低賃金の地域間格差が縮まるように引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

●塚地県議 その上で、どのようにすれば地域の最低賃金を引き上げることができるのか、が問われます。最低賃金引き上げは、地域の消費力を高め、地域経済の好循環を作り出す焦眉の課題です。
この間、高知県でも、2010年の642円から、2019年の790円まで、10年で148円、最低賃金が上昇してきました。非正規雇用の増加による最低賃金制度の関心の高まり、最低賃金の引き上げを求める国民世論と運動の強まりなどを踏まえれば、今後もこの最低賃金の上昇は継続され、加速されていくものと考えなければなりません。
企業数で言えば日本経済の99%、雇用者数の面からも7割を担う中小企業への支援を、全国知事会提言にもあるように、抜本的に拡充することこそが、最低賃金引き上げを継続し加速化するための最大の要です。
日本商工会議所と東京商工会議所が昨年5月に共同でまとめた「最低賃金引き上げの影響に関する調査」では、中小企業の38.4%が「最低賃金を下回ったため、賃金を引上げた」としており、最低賃金の引き上げの影響が広がっています。その上で、最低賃金引上げに対応するために必要と考える支援策として、一番目に「税・社会保険料負担の軽減」が65.2%、 二番目に「助成金の拡充・使い勝手の向上」が46.8%と回答されていることは重要です。
日本における最低賃金を引き上げるための中小企業支援策は、国際的に見ても非常に手薄であると指摘しなければなりません。中小企業が最低賃金引き上げに対応するための支援策である「業務改善助成金」は、2014年度には35.9億円であったものが2019年度予算では約30億円減少(6.9億円)、交付件数も14年度2,767件から18年度の870件へ減少しています。
◆「業務改善助成金」の県内の交付実績はどうか、また、何が原因で、交付件数の減少につながっていると分析をされているのか、商工労働部長にお聞きをいたします。

○商工労働部長 最後に、最低賃金引き上げへの支援策である業務改善助成金の交付実績とその分析についてお尋ねがございました。
「業務改善助成金」は、生産性向上と賃金引き上げを同時に支援する国の制度で、設備投資などを行うとともに、事業場内の最低賃金を引き上げた場合に、一定の要件のもとで支給されるものです。
県内の支給実績は、高知労働局によりますと、平成26年度は75件、 27年度は10件、 28年度と29年度はそれぞれ17件、 30年度は5件となっています。
27年度以降大きく減少した原因としましては、業務改善に要する経費のうち、パソコンの購入や就業規則の作成などにかかわる経費が対象外になるなどの見直しが行われたためと考えられます。
また、制度上、地域別最低賃金の水準を上回る賃上げが求められていることや一部に従業員数の制限があることなどから、「使いたくても使えない」、「使い勝手が良くない」、といった声が寄せられているとお聞きをしています。
こうした中小企業の意見や要望なども踏まえ、国では、さらなる利用促進を図るため、より使い勝手のよい要件への見直しや諸手続の簡素化が図られているとお聞きしています。
県といたしましても、高知労働局や産業振興センターなど関係機関と連携をし、制度の周知を図るとともに、働き方改革推進支援センターにおいて、職場環境の改善に向けて積極的に各種助成金の活用をアドバイスしてまいります。

●塚地県議 一方、国際的には、最低賃金引き上げに各国が本腰を入れて取り組んでいることが分かります。フランスでは2019年度だけで社会保険料の事業主負担軽減などに2.5兆円の対策を予定、韓国では中小企業向け人件費支援を2017年から5年間で9,800億円、アメリカでは2007年から2011年の間に8,800億円の中小企業向け減税が実施されるなど、各国と日本の最低賃金引き上げに対する支援策を比較すれば非常に大きな開きがあるのが実情です。
日本でも、最低賃金引き上げに伴う中小企業の人件費負担を支えるために税負担・社会保険料の軽減に踏み込むなど、抜本的な中小企業支援強化が必要です。
◆中小企業が今後とも最低賃金の引き上げに対応するにあたり、県として、県内の中小企業のおかれている状況をどのようにとらえておられるか、知事にお聞きをいたします。また、最低賃金の引上げにつなげていくためには、国に対して、支援策の拡充等を提言していくべきではないかと思いますが、あわせてお聞きをいたします。

○県知事 次に、最低賃金の引き上げに関連して、県内の中小企業の状況に対する認識と、国からの支援策の拡充についてのお尋ねがございました。
本県の最低賃金は15年連続で引き上げられておりまして、対前年度上昇率もここ4年連続で3%を超えているところでございます。昨年示された最低賃金は、引上げ額、上昇率ともに、現行制度の下で、最大となりました。高知地方最低賃金審議会では、労働者側からはさらなる引き上げを求める声がある一方、経営者側からは、大幅な賃上げが経営を圧迫しているといった声が挙げられているところでございます。
先程も述べましたように、本県は中小企業・小規模企業が大多数でございまして、都市部との間に経済力の格差がございます。こうした現状を考えますと、現時点で最も重要なことは、本県企業の生産性を向上をし、経営基盤の強化を図っていくことだと考えております。
そのために、県といたしましては、事業戦略の策定・実行の支援などに取り組んでおりますが、併せて国の支援策を十分活用していくことが効果的だと考えております。
これまでも、ものづくり補助金をはじめといたします、生産性向上に資する支援策を活用いたしますとともに、当初予算化や十分な予算の確保を提言をしてまいりました。その結果、今年度補正予算の「中小企業生産性革命推進事業」におきまして、複数年で国全体になりますが、3,600億円という予算の確保にもつながったところでございます。
県といたしましては、引き続き、中小企業・小規模企業の生産性の向上と経営基盤の強化に取り組んでまいりますとともに、国に対して、必要な政策提言を行ってまいります。

【子育て支援】
●塚地県議 次に、創生総合戦略の第三の柱に関わって子育て支援策について伺います。
私たちはこの間、一貫して子どもの医療費助成を県として群馬県などでも実施している中学校卒業まで、せめて、小学校卒業まで外来も含めて充実させるよう求めてまいりました。
この間、他の都道府県では助成の対象年齢を引き上げ、本県の助成対象は4歳までの3県に次いで低い県で、自己負担や所得制限もある制度となっています。
◆子育て支援策の象徴的取り組みにおいて、外形的には、「子育て支援に冷たい県」と見られる状況となっています。まず、このことを知事はどのように受け止めておられるかお伺いいたします。

○県知事 次に、子どもの医療費助成に関しまして、「子育て支援に冷たい県」と見られるのではないかというようなお尋ねがございました。
子どもの医療費助成の全国の状況を見ますと、本県と同様に小学校就学前までの入院を助成している県が47県中の20府県、通院は25道府県ということで、多数を占めているということが現状でございます。
また、県内の市町村におきます状況につきましては、お話にありましたように、高知市を除きます、すべての市町村で中学校の卒業まで医療費助成を行っているところでございます。
これを全国の市区町村レベルと比較をしてみますと、 5割を超える市区町村が同様に中学校卒業までの助成でありまして、全国で高校卒業まで助成している市区町村は約3割となっているのが状況でございます。
こうした状況を見ますと、決して高知県の状況が、トップランナーとは言えませんけれども、必ずしも「子育て支援に冷たい県」だというような状況ではないというふうにと受け止めているところでございます。

●塚地県議 私たちの要請に対し、県は、すでに各市町村で実施されており新たな政策効果が見られず、もっと違った形での子育て支援に予算を注ぎたいとも述べられてきました。
確かに、「高知版ネウボラ」の推進など地域で安心して子育てのできるシステムの構築に努力をされていることを評価していますし、一層の促進を図っていただきたいと思います。そのためにも、市町村への人的、財政的支援が必要です。
現在、高知市を除くすべての市町村では中学校卒業までの医療費助成に取り組み、高知市もこの間小学校卒業までへと拡大してまいりました。
しかし、県としての助成対象は今でも未就学児までに止まっており、市町村の独自の持ち出しが増大をしています。国の子ども・子育て支援交付金ができ、市町村は、最も住民に身近な自治体として、たとえば、乳児家庭全戸訪問事業や放課後児童健全育成事業などを行っています。
その上で、子育て世代への住宅費補助、市独自の奨学金制度の創設、保育料や学校給食への助成、就学援助の充実など、地域の特殊性と要望に見合った施策の展開を行っています。
医療費助成の市町村負担が軽減できれば、それに見合った、さらなる施策展開も可能になります。
すでに全市町村が県を上回る助成を実施しているからこそ、改めて市町村と調整することなく県としての予算出動が可能となり、その分で市町村は地域に密着した独自の子育て施策の実施が可能となり、きめ細かな子育て支援策の推進を図ることができるのではないでしょうか。
何より、子育て応援を大事にしている県としての発信は、移住促進の上でもアナウンス効果が期待できます。
◆高知県まち・ひと・しごと創生総合戦略第3の柱での今後の課題解決の取り組みに位置づけ、子どもの医療費助成の拡充に取り組んでいただきたいと思いますが、知事のご所見を伺います。

○県知事 次に、子どもの医療費助成を、まち・ひと・しごと創生総合戦略に位置付けて、施策の拡充に取り組んでいただきたいというような、お尋ねがございました。
確かに、議員のお話ございましたように、県の医療費助成を拡充をすることで、市町村負担を軽減をし、市町村の子育て支援の取り組みの充実に、結果としてつなげていくということも1つの考え方ではあるというふうに思います。
ただ、県といたしましては、どの市町村に住んでおりましても、安心して妊娠・出産・子育てができると、こういう姿を目指しまして、県全体の課題を見据えた子育て支援の取り組みを進めてまいりたい、そうした取り組みを優先してまいりたいと考えております。
そうした観点に立ちまして、第2期高知県まち・ひと・しごと創生総合戦略に、高知版ネウボラの推進を掲げているところでございます。
限られた財源の中でございますので、今後とも、安心して子育てができる環境づくりに向けまして、市町村とも連携しながら、より幅広の施策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

【産業振興計画/カジノ・IR】
●塚地県議 次に、産業振興計画案について伺います。
この間、高知県の産業振興は、地域の人材、資源に光を当て、付加価値をつけて外商や観光振興に結びつけていくことを基本に推進してきました。当然そうした観点は引き継がれていくものと思いますが、今回の改定に当たってポイントとして打ち出されたものの中に、 浜田知事が選挙中から提案をされてきた「関西圏との経済連携の強化」があります。その狙いとして、来年5月開催のワールドマスターズゲームズ 2021関西、2025年の大阪、関西万博、そして、大阪IRオープンを視野に「関西圏の経済活力の呼び込み」にむけ「関西・高知経済連携強化アドバイザー会議」の設置を提案をされました。
◆本県はこれまでも、大阪・関西圏との交流、観光や経済流通などに精力的に取り組んで来ましたが、これまでの蓄積、成果をどのように評価されているのか、まず、知事に伺います。
◆その上で、この会議の必要性についてどのように考えておられるのか、この会の目的、獲得目標、構成メンバー等についての基本的な考え方を知事にお伺いをいたします。

○県知事 次に、これまでの大阪・関西圏での地産外商の取り組みへの評価、関西・高知経済連携強化アドバイザー会議の目的などについてお尋ねがございました。関連いたしますので、併せてお答えをいたします。
大阪・関西圏におきましては、これまで、観光客の誘致や県産品の外商、県人会との交流など様々な取り組みを行ってまいりました。
例えば、観光面では、個別セールスや観光商談会への出展等によりまして、旅行会社との関係構築を図り、旅行商品の開発・販売促進に取り組んでまいりました。また、様々なメディアによる情報発信も行ってまいりました。
この結果、長らく3 0 0万人台で推移してまいりました県外からの観光客の入込数は 4 3 5万人の定常化が実りつつあります。
その中で、抽出調査による関西圏からの入込数は、四国に次ぎます、第2位、全国を区分しますとブロック別にみますと、第2位の25パーセントが関西圏からというこういうポジションを安定的に占めておりまして、県外からの観光客の増加に、この関西圏からの観光客の増加というのは、大きく貢献しているというふうに考えます。
また、県産品の外商面で申しますと、平成27年度から大阪事務所内に地産外商公社の大阪グループを設置をいたしまして、小売・卸業者への外商活動などを強力に展開をしてまいりました。
その結果、公社の支援によります関西圏での成約金額は、事業を始めました平成27年度の3.6億円から平成30年度は10.1億円となりまして、大きな伸びを見せております。
このように、これまでの大阪・関西圏での地産外商の取り組みは、着実に成果につながってきていると考えております。
今後は、これまでの取り組みを土台としながら、大阪・関西万博の開催などを見据えまして、経済活力が高まっている関西圏との経済連携をこれまで以上に強めまして、本県経済のさらなる活性化につなげたいと考えているところでございます。
この経済連携を進めるにあたっては、まずは、観光客の誘客・誘致、あるいは各産業分野の外商などを効果的に進めるためのしっかりとした戦略をつくることが重要だと考えております。
このため、関西圏の経済界や農林水産業の関係者、あるいは観光や行政の関係者、こういった幅広い分野から8名程度の方にご参画いただくようなアドバイザー会議を立ち上げたいということで、今、調整を進めているところでございます。
この会議におきまして、様々な角度からご意見をいただきながら、数値目標も掲げながら、大きな方向性と具体的な施策からなります実効性の高い戦略を練り上げてまいりたいと考えております。

●塚地県議 ワールドマスターズゲームズも、万博も期間限定のものですが、IRは、設置されれば長期にわたる影響があります。しかし、このIRについては、いま、国民の中に大きな不安と見直しを求める声が上がっており、県民としても戦略の中に位置づけることへの疑問の声が大きくなっています。
IRの最大の特徴は、カジノの開設に他なりません。カジノの占める面積は3%が上限とされていますが、売り上げの約8割はカジノがしめると言われていることからも、IRの中心施設であることは明確です。知事がカジノについて、どのような認識を持たれているのかは、多くの県民の注目している点でもあります。そこで、何点か伺いたいと思います。
先日の2月19日毎日新聞が、「論点日本にカジノ必要か」を掲載、大阪府知事ほか2人の方が意見表明されています。お一人は30近いカジノの誘致や建設、実際の運営状況を見てきた、と言う建築デザイナー村尾武洋さん。村尾氏は「米国は、成功しているのはほんの一部で大半は苦しい経営状況にある。米国で伸び悩み代替えの候補地として日本が注目されている。カジノとは、詰まるところ「賭博場」だ。魅力的な観光財源があふれている日本に、カジノは必要ない」と述べています。
もう一人の弁護士で全国のカジノ賭博場設置反対に取り組む新里宏二さんは、「法律が掲げるカジノ解禁の目的、・国内外の観光客の促進・地域経済の振興・財政の改善、はどれも現状にあっていないといえるだろう。韓国を視察した際、カジノの近くに『お父さん、お母さん、自殺しないでください』という看板があった。カジノで身ぐるみはがされ、自殺する韓国人が後を絶たないという。カジノは人の命の問題だ。人の不幸を前提にした経済成長に頼るほど、日本が落ちぶれてしまったとしたら悲しい。自治体も早く目を覚ましてほしい」と訴えています。
◆このカジノの問題点、カジノ整備への批判的な意見についてどう受け止めておられるか、知事に伺います。

さらに、この間のカジノ企業を巡る汚職事件は、カジノの持つ危うさを露呈したものといえます。
共同通信社の世論調査結果が2月17日に公表されました。その一つに、「カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職の疑いで、衆院議員が逮捕、起訴されました。  あなたは、IR整備をこのまま進めてよいと思いますか、それとも見直すべきだと思いますか、の問いがあります。このまま進めてよい、は前月1月より5,8減って15、4%、見直すべきだ、は6.9%増えて77.5%になっています。
◆知事は、8割に及ぶ圧倒的多数の国民世論をどのように受け止めておられるかお伺いをいたします。

○県知事 次に、カジノの問題点、あるいは整備への意見に対する受け止め、ないしはIR整備についての世論調査の結果の受け止めがどうかと、お尋ねがございました。関連をいたしますので、あわせてお答えをいたします。
IR事業は、日本の魅力を発信をいたしまして、外国人観光客を集めて、来訪者を国内各地に送り出すという「国際競争力の高い魅力ある滞在型観光」の実現を目指すということから、日本経済に活力を与える有望なツールの一つであるというふうに考えています。
他方、カジノ事業を含みますことから、報道の記事や世論調査などにおきまして、ギャンブル依存症を懸念する声、あるいは先日の贈収賄の事件を踏まえまして、IRの整備に対する慎重な御意見があることは十分承知をいたしております。
このIR事業者の選定にあたりましては、いわゆる汚職問題に繋がることのないように、透明性を確保していくということが必要だと考えておりますし、また、負の側面ともいえますギャンブル依存症あるいは治安の問題を、こうしたことに対する対策をしっかりと講ずる必要があると考えております。
今後、政府はIR事業者の選定基準を明らかにするための基本方針を定める予定でございます。この基本方針では、パブリックコメントの結果も踏まえまして、行政とI R事業者の接触制限をルール化するということが示されているところでございます。この基本方針も踏まえまして、今後とも、 IR整備にあたりましては、政府や関係自治体におきまして、国民の理解と納得を得られますよう、万全の対策を講じますとともに、十分な説明を行うなど、丁寧に進めていただきたいということを期待をいたしているところでございます。

●塚地県議 今国会に野党が共同して「統合型リゾート実施法いわゆるカジノ実施法廃止法案」を提出しました。廃止を含めて、抜本的な見直しを行うことが、多数の国民の声です。
◆そうした声を無視して、本県の産業振興計画において、関西圏との経済連携強化戦略の中にIR連携を含めることは、見直すべきと考えますが知事のご所見をお伺いをいたします。

○県知事 次に、関西圏との連携の戦略の中にI Rを含めることは、見直すべきではないかとのお尋ねがございました。
この関西圏との経済連携強化に向けた戦略は、私自身の大阪府副知事時代の人的なネットワークも生かしながら、これまでの関西での地産外商の取り組みをさらに発展をさせて、本県経済の活性化につなげたいとの思いで策定をしようとするものでございます。
戦略につきましては、先ほどお答えをいたしましたアドバイザー会議のご意見も踏まえまして、来年度具体化をしていきたいということで考えております。中身といたしましては、例えば、短期的には、既に1,000万人を超える外国人観光客が関西圏を訪れておられますので、こうした外国人観光客いわゆるインバウンドの誘客を関西圏との連携によって進めていくということ、あるいは県産品の外商の拡大をはかっていくということ、こうしたことが考えられると思いますし、中期的には大阪におきますI R整備、あるいは大阪・関西万博との連携がポイントになるのではないかと考えをしているところでございます。
大阪のI Rにつきましては、地方も含めた日本の魅力の発信拠点の形成をしていくということ、あるいは日本各地との連携による観光客を送り出す機能、すなわち、日本観光のゲートウェイの形成などを目指すというふうに構想として明記がされているということであります。
大阪の側がそうした態度で整備をしようということでございますから、こうした点も踏まえまして、大阪におけますIR整備も、活用していくということを視野に入れた経済連携強化戦略を策定することが効果的であるというふうに考えております。
アドバイザー会議におきまして、様々なご意見をいただきながら、より実効性の高い戦略を目指して取り組んでまいります。

【地域医療・介護】
●塚地県議 次に、地域医療、介護問題について、伺います。
県が掲げる基本目標である若者が住み続けられる高知県、誰もが安心して暮らせる高知県にとって、深刻な医師や介護士不足を解消し、しっかりとした医療介護福祉の体制を築くことは、その根幹をなすものです。
また、医療介護福祉分野の充実は、地方創生の重要なテーマではないか、との私たち県議団の質問に答え、前知事は「県内の医療・介護分野の雇用者は全産業種別の中で最も多く、うち約8割が女性労働者であり、雇用の場、女性活躍の場としても大きなウェイトを占めており、高齢社会において、医療・介護分野は、地域で安心して働ける仕事を創り出す重要な産業である」(2014年12月議会)と答弁をされています。
◆まず、医療介護福祉分野の充実のもつ意義についての認識を、知事にお伺いをいたします。

○県知事 次に、医療介護福祉分野の充実の持つ意義につきまして、お尋ねがございました。
本県では、今後も高齢化が進みまして、医療や介護、福祉サービスを必要とされる方が一層増加するというふうに見込まれております。
こうした県民生活を支えます医療・福祉の分野において就業されている方々は、平成2 9年度の就業構造基本調査によりますと、雇用者の17パーセントとなります約6万人でございまして、産業別では最も多くなっております。
また、本年度、本県が実施いたしました介護事業所実態調査におきましては、介護事業所の職員のうち約7 5パーセントが女性ということであります。
医療・福祉分野の充実は、新たな雇用を生み出しまして、また、女性の活躍の場としても期待ができますけれども、まずは県民生活の安心につながるサービスをしっかりと届けるということが重要であります。
その結果として、そのことが地域での新たな雇用を生み出すものにつながっていくという関係にあると考えております。

●塚地県議 そのうえで、地域医療構想について伺います。
地域医療構想の策定にあたっては、これまで本議会において、「自主的な取り組み」であること、「ふさわしいサービスが提供できる受け皿を確保する」こと、「行き場のない入院患者を出さない」こと、「削減目標ではないこと」など確認してまいりました(15年6月、9月議会)。
こうした論戦や、県民、医療関係者の思い、意見を反映し、策定された高知県地域医療構想には「病床数がきわめて多い状況について」、通院に不便、訪問診療、訪問看護等の実施も困難な中山間地域が多いことに加え、全国に先行して高齢化がすすみ、高齢単身世帯の増加と家庭の介護力の低下によって施設における療養・介護のニーズが高いことをその背景として指摘をしたうえで、療養病床数と介護保険施設等の定員数との合算では、七十五歳以上人口千人当たり全国第十六位であり、「高齢者の施設系サービス全体では、本県におけるベッド数が全国的にみて著しく多いものではない」と明記をしています。
また、「必要病床数」については、「医療法に基づく計算方法により一定の仮定をおいて機械的に人口推計等を代入して計算した推計値」であり「病床の削減目標ではありません」と明記し、すすめ方についても、「地域ごとの需要に応じた適切な医療提供体制の検討については、今後の協議等のなかで、医療関係者や介護関係者、住民の方などの意見を十分に踏まえつつ、丁寧に調整を行っていく」となっています。
◆まず地域医療構想について、尾崎県政のこうした基本的立場を当然引きつぐ決意であると思いますが、知事にお聞きをいたします。

○県知事 次に、地域医療構想に対します基本的な立場について、お尋ねがございました。
地域医療構想は、団塊の世代が7 5歳以上の後期高齢者となります2025年を見据えまして、地域の実情に応じた効率的かつ質の高い医療提供体制の構築を目指したものであります。
このため、構想の実現に向けましては単に全国水準に合わせて病床を削減するというようなものでは決してございません。患者さんの生活の質を向上させる観点から、よりふさわしい療養環境を確保していかなければならない、そういう前提に立つものだと考えております。
また、将来のあるべき医療提供体制の協議も、地域ごとの需要に応じました適切な体制について、関係者の意見を十分に踏まえながら、調整を行っていくべきものであります。
こうした考え方は、私もしっかりと引き継いでまいります。

●塚地県議 こうした考え方のもとで策定された地域医療構想にもとづき、一昨年、「新公立病院改革プラン」及び「公的医療機関等2025プラン」を策定し厚生労働省に提出をいたしました。全国的にも同様に計画が策定されています。
ところが、昨年9月、厚生労働省が、突如、公立・公的医療機関等について、424の個別病院名をあげ、改めて再度協議を行うよう各都道府県に要請したわけですから、自治体、病院関係者から一斉に怒りと反発の声があがったのは当然です。
この発端は、昨年5月の経済財政諮問会議で民間委員が「地域医療構想」にもとづく病床数削減が進んでいない、という意見を受けてのもので、そもそもが「削減ありき」ではじまったものといえます。
再検証をもとめる病院を選びだす基準も極めてずさんなものです。
「実績が少ない」とは、手術や分娩の取り扱い件数やへき地医療拠点病院の指定の有無など9項目です。医師不足で手術や出産という地域のニーズに応えられないという実態や透析や地域包括ケアで果たしている役割はまったく考慮されていません。車で20分という「近くに類似の医療機関がある」との基準も、地方の実態を無視したものです。
◆再編統合の対象を選定した厚生労働省の基準は、地域の実態を反映しない、きわめて一方的なものではないか、健康政策部長にお聞きをいたします。

○健康政策部長 次に、公立・公的医療機関に対して厚生労働省が再検証を求めた際の基準が、地域の実態を反映していないものではないかとの、お尋ねがございました。
国は、公立・公的医療機関が担うべき高度急性期および急性期機能に着目して、当該医療機関でなければ担うことができない機能に重点化が図られているかどうかについてまず、診療実績が無い又は特に少ない、そして、構想区域内に、一定数以上の診療実績を有する医療機関が2つ以上あり、かつ、お互いの所在地が近接しているといった分析を行い、 2 0 2 5年に向けた具体的対応方針の再検証を要請する対象を選定しました。
これはあくまで、各医療機関の診療実績や医療機関問の物理的な近接性といったデータのみをもって分析したものであり、地域包括ケアシステムの構築に必要な急性期機能以外の医療機能や、地域の生活圏や交通インフラ等を含めた地勢などの実情は考慮されておりません。
このことは国も認めており、国が発出した再検証を求める通知において「地域医療構想調整会議において、今回の分析だけでは判断しえない診療領域や地域の実情に関する知見も補いながら、議論を尽くしていただきたい」としています。
このため、地域医療構想調整会議における再検証に当たっては、国から示されたデータをもとにしつつ、そのデータからは見えない地域の実情をしっかりと踏まえ、その病院が将来にわたって求められる医療機能とは何で、どうあるべきかとういう点について、議論を進めたいと考えています。

●塚地県議 昨年12月の佐川町議会では、執行部から「厚生労働省の発表は地域の実態をまったく考慮したものではなく、またデータの取り方もおかしい。高北病院はすでに再編しており、今のまま地域包括ケアシステムの拠点、救急告示病院、災害救護病院として、今後も住民の健康福祉をまもっていく」と答弁をされています。
土佐市議会でも、市民病院は、災害拠点病院であり、土佐市管内の救急患者の収容率50%、消防からの要請に限れば90%を超え、退院後の連携も構築できていること、また、1日あたりの外来517人、入院127人と、14年度にくらべ、+101、+5人と実績をあげていることなどが報告をされています。
高知県保険医協会の方が、対象とされた5つの病院を訪問し懇談をされていますが、どこでも機械的な基準に困惑を訴え、実績が少ない問題でも、本当は、心疾患の手術や分娩も扱いたいが、「医者がいない」と言う切実な声がだされたとうかがっています。
 また、高知西病院は、透析で重要な役割をはたしていますし、南海トラフ巨大地震で長期浸水被害が想定される高知市において、浸水被害にあわない医療機関としてその役割が期待をされています。高知市長は1月21日の記者会見で、「高齢化に伴い医療は非常に重要になる。高知市エリアをとってもかなり重要な病院も入っているので、地域の意見をしっかり申し入れていく」と、市長としてアクションを起こしていくことを明言しています。
◆今回の再編・統合の再検討について、医療機関、関係自治体から上がっている声を、県として把握している内容を、健康政策部長にお聞きします。

○健康政策部長 次に、再編統合の再検証に関して、医療機関や関係自治体から上がっている声の内容について、お尋ねがございました。
昨年9月に国が再検証対象の医療機関を公表して以降、対象となった病院の管理者や開設者に対して、県からその選定理由について個別に説明するとともに、意見交換を行ってまいりました。
これまでの意見交換では、地域の中核病院として十分役割を果たしつつ、地域の医療ニーズの変化を踏まえて既に病床削減を行ってきたこと、災害時には隣接した二次医療圏の後方支援の役割も担っていることなどの実情が考慮されていないなどといったご意見をお聞きしました。
その一方で、再検証の対象となったことを契機として、地域の他の医療機関との連携を深めていくことや、病床数の見直しの検討を行っていきたいとの声もお聞きをしています。

●塚地県議 また、再編・統合の再検討をしない場合には、3月中に返答することになっています。私たちが話しを聞いてきた限り、どこも、現在の構想のもとでの努力を続けるという姿勢だと受け止めています。
◆厚生労働省への返答は、どうなっているのか、また、県としての関係病院や自治体に圧力をかけるようなことは断じてあってはならないと思いますが、健康政策部長に伺います。

○健康政策部長 次に、再編統合の再検証結果の国に対する返答の状況について、お尋ねがございました。
具体的対応方針の再検証に当たっては、当初、地域医療構想調整会議における議論を経て、何も変更を行わない場合は本年3月中に、「再編統合」を行う場合であっても本年9月までには結論を得るよう求められておりました。
このため、全国知事会などによる「地域医療構想に関する国と地方の協議の場」を通じて、本県を含む複数の県から「厚生労働省が一方的に設定した期限に間に合わせることは困難」という意見を国に申し上げていたところです。
本年1月に国から再検証を求める正式な通知が出されましたが、そこにはこのことに関して「厚生労働省において、今後の具体的な進め方、スケジュール等について、整理の上改めて通知予定」と記されています。
再検証に当たっての当初の期限は事実上轍回されたとの解釈もできるところですが、今後、改めて国から報告期限が示されることから、地域医療構想調整会議での議論は速やかに行っていかなければならないと考えています。
ただし、そうした中にあっても、一方的にダウンサイジングや機能分化・集約化を求めることにならないよう、各病院や開設者である自治体等のご意見をよく伺いながら議論を進めていきたいと考えています。

●塚地県議 今、政府がなすべきことは、医師不足で、地域の医療ニーズに応えられていないことの解決です。
日本の医師数は、決して多くありません。人口 1,000 人当たり医師数は日本では 2.4 人、OECD 平均の 3.5 人を大きくしたまわっていることが、日医総研リサーチエッセイ(No.77)で述べられています。この改善こそが求められています。
◆現在、本県の医師不足をどのように認識しているか、健康政策部長にお聞きをいたします。

○健康政策部長 次に、本県の医師不足をどのように認識しているか、とのお尋ねがございました。
本県の医師の状況は、平成3 0年末の医師数で見ますと、人口1 0万人あたり316.9人で全国3位と多くなっています。しかしながら一方で、 4 0歳未満の医師の減少や高知市周辺への医療資源の集中、産婦人科等の医師の不足などといった年齢・地域・診療科の偏在という課題を抱えていると認識しています。
これまで、これらの課題に対して取り組んできた結果、40歳未満の若手医師数が増加に転じるなど、明るい兆しもあります。
ただし、まだ、中山間地域で中心的な役割を担っている医療機関の医師不足の解消には至っておらず、これらの医療機関から個別にご相談をいただくこともあります。
こうした個別の相談に対しては、まずは、当該医療機関が地域で担うべき診療機能や近隣の医療・介護施設との連携体制を含めた明確な将来ビジョンを持っていただき、医師に選
ばれる医療機関を目指すことが肝要であるとお伝えしております。
その一方で、県としましては、その医療機関が果たす地域における役割の重要性や医師の指導体制などを勘案し、奨学金受給医師を配置することや高知医療再生機構における紹介、
県外大学との連携などを通じた医師の確保に取り組んでまいりました。
引き続き、地域の医療機関や市町村のご意見をお聞きしながら、地域や診療科に着目した医師の偏在対策に努めてまいります。

●塚地県議 しっかりした医療体制は、地方創生の前提ですし、南海トラフ巨大地震対策、インバウンド促進のもとでの感染症対策としても重要です。実態を無視した再編統合の病院名公表は白紙撤回しかありません。
◆県民の代表として、国に白紙撤回を求めるご意思はないか、改めて知事にお聞きをいたします。

○県知事 次に、再編統合の病院名公表の白紙撤回を求める意思はないのか、というお尋ねがございました。
議員がご指摘ございましたように、地域医療体制は県民が安心して暮らすことのできる県づくりにおきまして、重要な社会インフラの一つであると認識いたしております。
一方、単に現状を維持していくというだけではなくて、今後の高齢化の進展、あるいは人口減少などを見据えまして、地域に必要な、かつ将来に残すべき医療機能について議論していくということも、これは一方で重要だというふうに思います。
この議論の過程におきましては、まずは法的な位置づけ、あるいは財政・税法上の措置が民間医療機関とは異なります公立あるいは公的医療機関が率先して、検討を深めていく必要があると、そういう関係にあると考えます。
また、国も本年1月の正式な再検証の要請におきまして「公立・公的医療機関等の担うべき役割や機能分化・連携等の方向性を機械的に決めるものではない」こと。
そして、「地域医療構想調整会議において、今回の分析だけでは判断し得ない地域の実情に関する知見を補いながら、議論を尽くされたい」、国サイドもこうした考え方を明示をしているところでございます。
こうしたことから、再検証対象の医癒機関の公表がたしかに唐突であったということは否めませんけれども、国に白紙撤回を求めるということまでは必要ないというふうに考えております。

●塚地県議 財界主導の病床削減の押しつけの一方、地方の実情を反映した財政措置がなされています。
来年度の地方財政対策のなかで、不採算地区の100床未満の病院について経営状況等を踏まえた特に病床数が少ない病院を中心に特別交付税措置が拡充されます。
また、地域医療介護総合確保基金の使い道は、これまで3つの使い道でしたが、新たに医療従事者の働き方改革が入りました。さらに在宅医療、医療従事者確保で、27億円増額をされています。
◆県として、地域医療介護総合確保基金などの財政措置をどう活用しようとしているのか、自治体への周知もふくめ、健康政策部長に、お聞きをいたします。

○健康政策部長 最後に、地域医療介護総合確保基金等の財政措置の活用について、お尋ねがございました。
令和2年度の国の予算案では、公立病院に対する地方財政措置や、地域医療介護総合確保基金が拡充されており、これは国と地方の協議の場を通じた全国知事会等からの政策提言が一定反映されたものと考えます。
まず、地方財政措置の拡充については、再検証対象の関係自治体を含む市町村に周知を図り、要件に該当する公立病院での活用を促しています。
また、来年度の地域医療介護総合確保基金による事業計画では昨年夏から各市町村や医療関係団体からも意見を募り、病床転換やダウンサイジングに向けた施設の改修設計への支援、「高知家@ライン」の安芸圏域でのモデル事業の継続実施や幅広く活用してもらうためのシステム改修、幡多地域における臨床研究医の養成などの事業を拡充する予定としています。
 一方、医師の働き方改革に関する基金の拡充については、現時点で対象となる事業の範囲が明確となっていないことから、今後国から示される内容を踏まえ、市町村や関係団体のご意見も伺いながら基金の事業計画を調整していきたいと考えています。
 
●塚地県議 最後に、介護問題について伺います。
第4期の健康長寿県構想の3つの柱の1つに「地域で支え合う医療・介護・福祉サービスの提供体制の確立とネットワークの強化」が掲げられました。その提案説明で知事は、「在宅での療養を希望される方が、重度の要介護状態になったとしても、できる限り入院治療や施設での入所サービスに依存することなく、住み慣れた地域で在宅サービスを受けながら暮らし続けられる環境を整えることが重要である」として、支援を充実強化した結果として、「在宅サービス利用者の平均要介護度が令和元年度の2.09から令和5年度に2.2となることを目指してまいります」と述べられました。これは在宅で介護を受けている方を平均要介護度を引き上げるという目標値を打ち出したことになります。
そもそも介護保険制度は、少子化・核家族化などにより、家族だけで介護を支えることは、とても困難だとして、介護を必要とする状態になっても安心して生活が送れるよう、介護を社会全体で支えることを目的として成立した制度です。しかし、実際には、必要なサービスが受けられない、という実態があります。
山奥では、サービスを提供してくれる事業者がおらず保険料だけ負担しているとか、介護士が見つからず施設に空きがあるが受け入れられない、国民年金の方が入れる施設は、特別養護老人ホームの多床室しかないが、待機者が多く利用できないなど、多くの切実な声がよせられています。
まず、こうした実態を解消することが、前提ではないでしょうか。
そうしてこそ初めて、施設にも入れるが、在宅でもやってみようかと、まさに個人が尊重され、自由な選択が可能となるわけです。
◆そこで、まず特別養護老人ホームの待機者数についてお聞きをいたします。また、その実態についてどのような認識をお持ちなのか、知事にお聞きをいたします。

○県知事 次に、特別養護老人ホームの待機者数と、それに対する認識についてお尋ねがございました。
まず、県内の特別養護老人ホームの入所待機者数につきましては、要介護度が3以上の方が、昨年の4月1日現在で2219名となっております。
また、そのうち老人保健施設など、他の施設にすでに入所されている方、あるいは病院にすでに入院されている方を除きまして、在宅で待機をされている方が517名という調査結果となっております。
こうした状況を踏まえ、今後の介護サービスのあり方について検討する必要がありますので、まずは、このような状況を保険者であります市町村と共有をしてまいります。
加えまして、 5年後、1 0年後といった中長期的な高齢者人口の動向あるいは県民の皆さまの介護サービスに関するニーズを市町村とともに見通していく、そうした作業をする必要があると思っております。
そうしたうえで、高齢者の方の生活の質いわゆるQOLを・確保することを基本に、施設サービスをはじめ、居宅介護や居住系などの必要な介護サービスを確保してまいりたいと考えております。

●塚地県議 政府は、この間、要支援の人を介護保険から外す、さらに利用料負担の引き上げを検討するなどの改悪を続けています。そうした下で、「在宅介護の介護度を上げる」という目標の提示は、県民に大きな不安を与えるものではないでしょうか。
在宅の介護度をあげる、この目標のもっとも簡単な達成の方法は、施設入所を制限することとなります。おのずと在宅の介護度はあがります。特別養護老人ホームの待機者の解消などの前提を抜きに、この数値目標が導入されると、そうしたことが起こりうるのではないか。無理な在宅への押し付けが生じるのではないかとの懸念が広がってしまいます。
◆在宅の介護度をあげる目標は県民にとって分かりにくいと思いますが、知事の認識をお聞きをいたします。また、本来、利用者が施設や在宅療養を選択できるようにすべきであり、施設整備の目標とあわせた目標をもつことが必要だと思いますが、知事に認識をお聞きいたしまして、第一問といたします。

○県知事 最後に、在宅の要介護度を引き上げるという目標のあり方、ないしは施設整備の目標について、お尋ねがございました。
このたびの第4期の日本一の健康長寿県構想の策定にあたりまして、在宅サービス利用者の平均要介護度を高めるという目標を設定いたしましたのは、趣旨は、要介護度が高くなっても在宅での生活を続けたいと願う方々の希望を叶えたいこういう趣旨によるものでございます。
こうした背景には、平成30年度の県民世論調査におきまして、長期療養や介護が必要になった場合にも自宅で過ごしたいと答えた方の割合が約4 5%、半分近くで最も高かったことがございます。
さらに、今後におきましても、75歳以上の後期高齢者の増加に伴いまして、介護を必要とされる方が一層増えていくということが見込まれます。
このため、こうした今後増えていく方々のうち、在宅での療養を希望される方が、できる限り入院や施設入所によらずに、在宅で暮らし続けられる環境を整えるということが重要だというふうに考えた次第でございます。
今回の目標は、こうしたことを踏まえたものでございますので、決して、施設での生活を希望される方にまで在宅療養を奨めようということを意図したものではまったくありません。
今後におきましては、そうした趣旨につきまして、県民の皆さまにわかりやすくお伝えしていくことで、県の取り組みへのご理解とご協力を得てまいりたいと考えております。
また、お話のございました施設整備の目標につきましては、来年度の第8期の介護保険事業支援計画を策定を予定いたしておりますので、その策定にあたりまして市町村と連携をして検討をしてまいります。
私からは以上でございます。

【第二問】
●塚地県議 それぞれご答弁いただきまして、ありがとうございました。ご丁寧な、また、コロナウイルス対策のご答弁大変参考になりました。ありがとうございます。
 まず、これは要請なんですけれども、新型コロナウイルス感染症の質問に対してのご答弁、本当に一つ一つ県民の生活によりそって、抜かりなく対応を、ぜひしていただきたい。全庁をあげた取り組みを求めたいと思います。
 そのうえで、先程は教育委員会の方から、3月4日からの一斉休校という衝撃的なお話がありました。これは、子どもたちの安全を担保するということと同時にすすめる話なんですけれども、やっぱり保護者の皆さんですとか、学校現場とか大変な混乱が予想されています。給食の搬入をする業者さんの対応ですとか、こと細かく多方面にやはりかかわってくる課題になっていまして、その線については、相当集中的な取り組みを、この間、はかっていかないといけないというふうに思います。特に保護者の皆さんが、子どもをどうするのか、自分の仕事はどうするのか、そういった板挟みの状況をつくられてくることになります。ひとつひとつ、やはり寄り添った対応が、必要になりますので、そこは私は一定、窓口はつくるべきだと、いうふうに思うんです。新型コロナウイルス対策という保健医療的立場の相談窓口ということではなくて、やはりこの間本当にたくさんのさまざまな問題が、この学校の休校ということをめぐって出てくると思うので、県としてそのぐらいの対応策は、うっていただいて、これから具体策を考えていくということをする必要があると思うんですね。それは、教育委員会というサイドではなくて、やはり、県民の経営と暮らしという所に携わって、しっかりそういう不安というものを受け止める窓口が必要だというふうに思いますので、その点だけは、この問題に関して、知事のご答弁をいただけたらと思います。
 もう一点がですね、これは知事へのまた質問になるんですけれども、先程特別養護老人ホームへの入所待機者の数が示されて、在宅でおられる方が、517名おられると、この方は要介護度が、3以上の方です。要介護度3以上の方が500名おられる時点での状況が、今、在宅であるんですよね。その待っておられる方々の日々の思いというのは、大変な状況で、老々介護もされておられる、いつ介護離職をしようかと、思っておられるこういった人たちに、在宅での要介護度を高めますよということが伝わった時に、本当に希望を持ってその数字が受け入れられるのか、ということを私はすごく感じております。その点について、この数値目標をいうときは例えばその前置きとして、家族介護者の負担軽減を前提にした目標値ですとか、やはりそういう在宅で介護しよう、しているという人たちに対するメッセージというものを付け加えないとこの数字が独り歩きする。目標数値というのは、往々にして独り歩きするという危険性を持つものになりますので、ぜひそういう点は、ご考慮いただけないかと、いうことをお聞きをしたいと思います。
 最後にIRの問題です。この問題は、先程坂本県議の方からもお話がありましたけれど、その知事自身もやはり負の側面があるんだとそれに対する対応を国も大阪府もやるんだと、いうことを言っていまして、それがやれるかどうかもまだ、あきらかじゃないわけです。それで本当に効果が出るのか、それで負の側面が解決できる効果になるのか、その辺もあきらかにない段階で、IRのこの事業を高知県の産業振興計画の中に、IRという文字が入った段階で、国民の8割が反対している、県民の中にも不安がある、そういう不安があって、統一していないということについて、その点だけでも、いったんやはり外されるべきではないかというふうに私は思っておりますので、以上この3点の質問になりましたけれど、第二問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○県知事 塚地議員の再質問にお答えします。三点についてでございます。一点目は、コロナウイルス対策に関してでございます。今後特に学校の休校に関連して、さまざまな局面で、県民の皆さんのご意見またご要望が出てくるであろうと、それに対する対応の窓口をということでございました。これを具体的にどういった形で設計するかは、検討させていただきたいと思いますが、おっしゃいますように、教育委員会だけでは受け止めきれないようなお声が出てくるということは容易に想像されることでございますので、そういった声をしっかり受け止めて必要な対応がとっていけるように、まさしくそういう主旨も含めて、全庁的な対策本部をすでに立ち上げるところでございますから、そういった対策がとれるような対応をとってまいりたいと思います。
 二点目は、在宅の介護度の、上げるという数値目標に関しまして、これが独り歩きをしないような配慮をというご主旨でございました。ご説はごもっともでございまして、先程申し上げましたとおり、これは施設を希望する方に、在宅にしましょうということを呼びかけようという主旨ではまったくございません。お話もいただきましたように、あと少しの支援があれば、それなら在宅をしてみようか、頑張ってみようかという人を増やしていきたいという主旨でございますので、そうした主旨がしっかり伝わるように、説明ができるように、努力をしていきたいというふうに思っております。
 それから三点目のIRの関連でございますが、この点については、高知県としては私もIRを推進したい、誘致したいとはまったく申しておりませんので、大阪府が、大阪府の中でも府民の皆さん、色んなご意見がございますが、そういった議論を踏まえたうえで、大阪府・市として、IRの整備を進めたいということで、方向として進んでおられると。その中で、進めた、整備が行われた折には、大阪だけに人を集めるのではなくて、そこから全国各地に観光客を送り出していくんだというプランもたてておられると、そういうことを前提としたものということでございまして、そうしたものであるということを前提にぜひご理解をいただいてまいりたいというふうに思っているところでございます。以上でございます。

●塚地県議 ご答弁ありがとうございました。相談窓口のことはやはり、色んな思いがちゃんと伝わる、ここにいったら良いということがないといけないとおもんです。そこは庁内で議論していただいて、どんな形で立ち上げるか、検討してぜひ実現の方向で、お願いをしたいと思います。
 それと長寿県構想の数値目標のことなんですけれども、在宅の。まずはやはり入りたくても入れない方が500人もいるんだということを改善するというその県の意志がないと、そこの本気度は私は伝わっていかなというふうに思うので、やはり県としての、そうした目標達成に向けて、この在宅で特養待ちをゼロにします、というぐらいのところをやはり打ち出して、この構想を進めていただくというふうに、ぜひ、していただきたいと思います。それは要請をしておきたいと思います。
 IRの問題は当然、おっしゃる通り高知に呼ぼうと思っているわけではないと思いますけれども、でも高知で呼ばない、高知に呼ぶつもりがないものをあそこがやるので、じゃあ、あそこに来る人を高知に来てもらおうという、私たちが積極的に推進するものでないもので、高知が商売しようって思うってところは、私は高知県民として、そこはいかがなものかというふうに思うので、ぜひその点の見直しを最後に求めまして、一切の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。