議会報告

  • 2019年12月27日
    2019年12月議会岡田芳秀県議による「内閣総理大臣主催『桜を見る会』疑惑の徹底究明を求める意見書(案)」賛成討論(2019.12.26)

日本共産党の岡田芳秀です。提出者を代表して、ただいま議題となりました議発6号「内閣総理大臣主催『桜を見る会』疑惑の徹底究明を求める意見書」議案に対して、賛成討論を行います。

内閣総理大臣が主催する「桜を見る会」は、1952年(昭和27年)から行われており、各界において功労、功績のあった方々を招いて、日頃のご苦労を慰労し、親しく懇談する公的行事です。出席者には、酒類や菓子、食事が振る舞われ、招待客の参加費や新宿御苑の入園料は無料であり、費用はすべて税金から拠出をされております。

2010年(平成22年)までは、招待客が約1万人であったものが、2013年(平成25年)以降は安倍首相の下で年々招待客数が増加をし、2019年の参加者は1万8,200人と報道されています。また、例年、1,760万円の予算計上に対し、支出が年々増加をし2014年が3,000万円余、2018年は5,200万円余と、予算の3倍もの支出がさえております。

この「桜を見る会」に対する疑惑は膨らむばかりです。
疑惑の第一は、「桜を見る会」招待客の問題です。
国会での質疑や新聞報道によれば、功労、功績の有無にかかわらず安倍晋三後援会が多数招待されており、安倍首相夫人の友人・知人も招待されている、これらが招待客増加の大きな要因であることが明らかにされています。
また、2015年には、特定商取引法違反で警視庁などの家宅捜査を受けた反社会的勢力ジャパンライフ(東京)の当時の会長が招待されていたことも判明しました。この会社は首相からの招待状をマルチ商法の宣伝に悪用していましたが、安倍首相はこの会長と面識があったことも明らかになりました。
首相が「招待者の取りまとめ等には関与していない」(11月8日答弁)、と述べたのは虚偽ではないかという疑念があります。功労・功績に関わらず首相に直接関係する招待客を年々増やし、公費で接待してきたことは、首相による政治の私物化だといわなければなりません。

第二は、「桜を見る会」と一体となっていた安倍後援会の「前夜祭」会費の問題です。
一流ホテルでの会費5千円のパーティーは安すぎるのではないかと言われています。この「前夜祭」は後援会行事とされており、不足分を補充していれば、場合により公職選挙法に違反することになります。会費は、参加者が個別に直接ホテルに支払ったといいますが、領収書は一枚も見つかっておらず、ホテル発行の明細書の有無も、開催経費の収支詳細も不明です。また、この「前夜祭」の収支は、政治資金収支報告書に記載されておらず、政治資金規正法違反の疑いもあります。

第三は、この問題に関連する政府の公文書管理の問題です。
「桜を見る会」は政府の公的行事であり、政府としての説明責任があります。ところが、政府は、国民の疑問に答えようとせず、はぐらかし、関係文書を隠ぺいしています。
 今年5月に、わが党の宮本徹衆議院議員が資料の提出を求めたところ、各省庁の招待者名簿は保管されているにもかかわらず、内閣府だけは保存期間1年未満だとして名簿をシュレッダーにかけて廃棄していました。そして廃棄したのは、宮本議員が資料の提出を求めた後の事であったことを認めました。故意ではないという一方で、シュレッダーが込み合っていたからそうなったという証拠を示さず、バックアップデータの復元も拒否しており、証拠隠滅の疑いは濃厚です。

この『桜を見る会』については、安倍首相自身に直接の疑惑がかけられているにもかかわらず、みずからの説明責任を果たそうとしないのは政治家の姿勢として極めて重大です。安倍首相は11月8日の参院予算委員会でのわが党の田村智子議員の質問以降、法案採決のために出席せざるを得なかった参院本会議の2度を除いて「国会には出ない」「質問には答えない」「資料は出さない」「廃棄する」という、逃げの一手を繰り返しています。野党が求めた臨時国会の会期延長にも応じず、疑惑の全容解明に背を向けたまま国会を閉じました。

政府が一体となって国権の最高機関である国会における説明責任をないがしろにすることは決して看過できません。世論調査でも、国民の8割以上が「説明責任が果されていない」と怒りの声をあげています。岩手県議会では12月12日、「『桜を見る会』疑惑の徹底究明を求める意見書」が賛成多数で可決されました。

いま私たちに求められているのは、「桜を見る会」疑惑の徹底解明を行い、日本の民主主義を守ることではないでしょうか。そして政治への信頼を取り戻すことではないでしょうか。
政府においては自らきちんと説明責任を果たすこと、また国会においては国民からの疑惑の究明を図ることを強く求めるものです。
党派を超えてご賛同いただくことを心からお願い申し上げて、議発6号議案に対する賛成討論といたします。