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- 2017年10月03日
- 議会(質問・討論)
- 2017年9月議会 中根佐知県議の一問一答質問(2017.10.02)
【質問項目】
1.県立南中学校への学校給食実施
2.南国市の中学生自死問題
【県立高知南中学校への学校給食実施】
●中根県議 それでは、質問に入らせていただきます。まず、最初に県立高知南中学校への学校給食実施について、教育長並びに知事にお聞きをいたします。
◆まず、最初に、県の教育委員会の中学校給食についての基本方針を教育長にお聞きいたします。
■教育長 県では、国が策定しています第三次教育推進基本計画に基づきまして、学校給食の充実に取り組んでおります。この計画の中では、公立中学における学校給食の実施率について平成32年度までに90%以上とすることを目標としております。県と致しましても、学校給食を活かした食育の推進の観点からも学校の給食実施率の向上を目指しております。
●中根県議 ◆それでは、高知県の給食実施率は今、どうなっているのか。小学校、中学校、また全国との比較でもお答えください。
■教育長 県内の学校給食実施率につきましては、29年3月末現在で、小学校で96.4%、義務教育学校で100%、公立中学校で75.2%でございます。文部科学省が実施しております調査によりますと全国では、平成27年5月1日現在、公立小学校で99.1%、公立中学校で88.8%となっておりまして、県の実施率と比較しますと小学校で2.7ポイント、中学校で13.6ポイント全国平均を下回っております。
●中根県議 もうひとふんばり、高知県の子どもたちのために努力をしなければならないというデータが出ていると思います。
◆では、高知県の実施率を100%にもっていくための、県の教育委員会の努力をどんなふうにされているのか、お聞かせください。
■教育長 県ではこれまで学校給食未実施の市町村に対しまして、実施に向けた継続的な働きかけを行ってまいりました。その結果、南国市の中学校4校が、この12月に、高知市の中学校13校、土佐清水市の小中学校8校、室戸市の中学校1校が平成30年度中に、実施する計画であると聞いています。この予定されている学校で実施されますと、平成30年度末の実施率は、小学校で100%、中学校で92.5%となります。
●中根県議 ありがとうございました。努力をどんなふうに具体的にされているのかということを含めて、これから質問に入りたいと思います。高知市では、長年の市民の要望であった中学校給食が来年秋から実施されることになりまして、大変、心待ちにされています。ここに高知市内にある2つの県立中学校の内で、南中学校だけが実施対象になっていないことが6月県議会で問題になりまして、県が高知市に文章で対象に入れるように要請をしたところです。
食育は学校教育で支え、学ぶ中で子どもの成長を支える意義を持っています。
先程も、県の教育委員会が努力をされてきたとの中身をおっしゃいましたけれども、経済状況の格差や、給食が唯一しっかりとした食事になっている子どもたち、また、この間、子ども食堂の広がりも含めてまして、今を育つ子どもたちの状況を、食の教育からも改めてしっかりと位置付ける必要があります。
また、小中学校の給食費は、所得制限がありますけれども、就学援助の対象にもなっています。経済的な側面から子どもの食を支えることにも直結しているんです。高知市にあるすべての中学校の中で、県立高知南中学校にだけ給食が保障されないとなれば、南中学校の子どもたちにだけ、格差や不利益が生じます。
高知市の2か所の給食センターの配食できる数は6000食ときいています。平成30年から34年までの南中学校の生徒数を加えても、何の問題もありません。また、安全な中学校給食を実現するために細心の注意を払うということも当たり前のことですが、実施できない理由の中に、高知市からの文面で縷々書かれておりました。高知市の、南中学校への給食を提供できないと、これに対する県への解答内容も、また教育内容としても、教育行政の食育という柱を軽視をしています。
◆県立高知南中学校の子どもたちに格差と不利益が生じることになるとすれば、教育長は、どういうふうに対処されるお考えかおききします。
■教育長 高知南中学校における給食の実施につきましても、お話しがありましたように、高知市が建設中の給食センターからの配送を受けられないかということを検討してまいりましたけれども、結果としては、難しい状況でありそのことについては、残念に思っております。高知南中学校では、持参の弁当や、食堂で購入した弁当を学級担任指導の下、クラス全員でそろって食事をとっておりまして、そういった時間を活用して、食事の重要性、食事の喜び楽しさを実感させたり、食事のマナーや食事を通じた人間形成能力を身に着けさせたりすることを、さらに、充実させるなど学校教育全体を通じて総合的に食育を推進してまいります。
経済的な側面に関しましては、給食を導入した場合とそうでない場合の格差を解消する方向で、高知南中学校のPTAのみなさまのご意見も十分お聞きしながら、検討していきたいというふうに考えております。
●中根県議 何が難しいのか、まったくわかりません。私は一番の問題は、給食センターを初めて建設して、子どもたちに食事を提供しようとしているときに、子どもたちが主人公の計画をつくろうとしていない、ここに問題があると思います。
4年後になくなってしまう南中学校の生徒たちだけ除外をするご都合主義の計画になってはいませんか。県が高知市への給食配送の再検討を申し入れた文章にまとめられた南中学校への配食サービスが困難だと検討した理由の一つ一つを見ても、県の要請文書に答えた困難だとする高知市からの回答を見ても、先程の教育長のお話を聞いても、なぜ困難なのかが全くわからない。すでにある、既存の給食センターから配食するときに、色んな条件を整えることが、ままなりませんというのなら、まだ話はわかります。しかし、新たに、子どもたちに提供する中学校給食の配送センターをつくるという時に、最初から除外されるなどということは、考えられないことだと思います。学校給食のあり方の基本に立ち返る、こういう努力をすべきではありませんか。
子どもの成長は、4年間は、待ってはくれません。南中学校に配送口を作るだとか部分的な改修工事も必要になると思います。しかし、新たな予算が生じることになっても、教育環境を整えて、今いる子どもたちへ対応をしっかりと進めていくこと、これは教育行政として当然のことではないでしょうか。高知県は、この労力を惜しんでいるように思います。食育の柱を曲げるのか。
新たにできる高知国際中学校との対応の違いも異常に映ります。市内の県立中学校には公平な対応をすべきだと考えます。
◆県として、南中学校への給食配送を実施できる覚悟が本当にあるのか、教育長、ならびに知事にもこの点をお伺いいたします。
■教育長 高知南中学校の給食について、高知市の給食センターから配送を受けることについて、議会の総務委員会の要請を受けて県が行いました文書での申し入れに対する高知市の回答では、生徒の喫食開始時間30分前までに、検食を終えたうえで、調理後2時間以内に生徒が喫食できるように配送しなければならないことになっており、限られた時間内に安全かつ確実に給食の配送を実施することは難しいという回答でございました。
施設規模の問題というよりは安全な配送が可能かどうかということが問題ということであります。こういったことについて、アレルギー対応も含めて、食の安全に関する事でもございますので、配送校が予定になく多くなることについては、高知市の懸念も理解できるところでございます。加えまして、統合完了までの限られた期間で、生徒数も大幅に減少するにも関わらず、多額の経費がかかるといった課題もございます。こうしたことから、高知南中学校への給食配校は、難しいと考えているところでございます。
■県知事 できれば、高知南中学校への給食を配送していただければと、ということで、県教委の方から、高知市さんの方にもですね、申し入れもさせていただいたところであると承知しております。しかしながら、高知市さんの方からの回答によれば、要するに、安全管理上、2時間以内に圏内の学校に全部配っていかないといけないといったときに、やはり、南中学校まで配るということは、物理的に事実上難しいとそういうご回答であったというふうに理解をしておりますし、また、県側としても、やはりこれから限られた時間内で、急激に生徒さんの数が減少していく中で多額の経費を使って、施設の改修をするということがどうか、という我々側の課題もあるということなのであります。
そういうことを考えました時に、やはり、高知南中学校に、給食の配送をするということ自体、残念ながら、これはなかなか難しいということになってくるのかなと考えておりますが、しかしながら、かといってそれであればこそ、給食の配送を行う、例えば、高知国際中学校と高知南中学校との間で、色々と格差が生じないように、できるだけこれをなくすようにということを、教育委員会、こちらの方で検討をされているということでありますから、その検討を待ちたいと思います。
●中根県議 それぞれのご答弁ですけれども、大規模な給食の調理施設を初めて、整備をして取り組んでいきますと、高知市のお答えの中にあるんですけれども、その時に調理後2時間以内だとか、安全に確実にしなくてはならないだとか、アレルギー対応だとか、これは当然の話ではないでしょうか、南中学校と潮江中学校の距離は10分と離れていません、やろうと思えば、安全な給食をする用意があるというところに、南中学校をいれることは、やろうとする意思があれば、当然可能になると私たちは思っています。
また、知事が最後おっしゃいましたけれども、多額の費用がかかることになる、例えかかることになったとしても、4年間の子どもたちの食育をしっかりと、また、成長をしっかりと応援するというを考えれば、教育として教育条件を整備することは、当然ではないですか、誰の為に南中高学校がなくなることになったのか、色んな議論がありましたけれども、南中学校の保護者の皆さんは、当初大変期待したのに、外されていて残念だったと、県の6月議会で、もう一度申し入れをするということになったので、期待をしている、ところがその後、また県から、とても無理でしたという説明を受けてがっかりされています。私たちはこうやって外されていくんだ、こんな感情を保護者にも、また当の子どもたちにも、持たせることは、私は、高知県の教育のあり方として、大変残念だし、これを是正できるとすれば、今だったらまだ、是正できますから、なんとか努力をすべきではないか、こんなことを思っています。
◆食育の柱をしっかりと立てて、県民市民が納得をできるような、教育行政のあり方、食育の実施の仕方を強く求めてこの質問を終わりたいと思いますが、最後教育長如何でしょうか。
■教育長 実施に向けて、検討はさせていただいたということでございます。先程も申し上げましたけれども、安全な配送ということになりますと、今予定されているのは高知市の7校に配送すると、南中学校に配送するということになると8校を配送するということになりますけれども、今、7校を配送することにおいて、学校で、喫食の30分前には検食をおこなうということですから、それまでの間に1時間半以内に、順次8校に向けての配送をすることが必要になってくる。それは、クラスごとにわけながら、学校ごとにわけて、12時以降、配送していく、そういった作業が必要になってきます。それが、7校であれば、なんとか時間が間に合うという状況であるときいておりまして、それが、8校に増えるということになると、実質上は難しいということでございますので、そのアレルギー食とかということの対応も考えるとですね、そういった安全面に関する事について、あまり無理はいえないのじゃないかというふうに考えております。
●中根県議 最後に、給食を配送するセンターをつくるのであれば、先程教育長がおっしゃった中身を、クリアするのは当然の話だと申し上げています。私は、高知市内の中学校の間に、色んな格差を持ち込む、持ち込む前の努力を最後の最後まで、県の教育委員会がしないということは大変残念に思いますし、今一度再考していただきたい、このことを要望しておきたいと思います。
【南国市の中学生自死問題】
●中根県議 それでは次の質問に移ります。
南国市の中学生の自死問題について、2月議会にも質問をさせていただきましたが、引き続き質問を致します。
中学3年生が、亡くなって9月1日で2年が経過しました。
今年8月4日、ご遺族は「いじめが自殺の直接の原因ではない」という調査結果は納得できないとして、文部科学省を訪れまして、調査結果をまとめた第3者委員会を解散をして、再調査を行うように要請をいたしました。要請を受けた文部科学省児童生徒課の坪田知広課長は、「これまでの経緯を伺って、市の教育委員会の対応はあまりにも遺族に寄り添っていないと感じた。」としたうえで、「報告書の内容を丁寧に説明する場を設けるよう、高知県を通じて教育委員会に指導したい。」と述べられて、その日のうちに指導連絡が県を通じて南国市教育委員会になされました。その指導は本当に素早いものでした。南国市の大野教育長は「文部科学省からもう一度遺族と顔を突き合わせて話をする必要があると言われた。対応していきたい」と文科省に遺族が要請したその日の夕方、見解を述べました。
◆文部科学省の指導を受けた県の教育委員会の受け止めはどうだったのか、教育長にお伺いいたします。
■教育長 文部科学省におけます遺族との話し合いの場を設けて丁寧に説明することが必要と、いう考えにつきましては、我々県教育委員会としてもまったく同じ考え方ということであります。
●中根県議 ◆また、どのように南国市教育委員会に指導しされたのか、その点も伺います。
■教育長 8月4日に文部科学省から、調査報告の内容を丁寧に説明する場を設けるようにという電話での連絡を受けまして、県教委事務局内で協議を行いまして、同日中に、人権教育課の課長補佐から南国市教育委員会の対策課にその旨連絡をさせていただいております。さらに3日後の、8月7日には、人権教育課長が、南国市教育委員会を直接訪問し、もう一度同じテーブルについて、丁寧な説明を行うことを確認するとともに、南国市の教育長からは、まずは遺族との話し合いの場を設け、真摯に対応したいとの回答を得ています。また、私自身も、8月22日に、南国市教育長と直接お会いし、できるだけ遺族に寄り添って対応いただけるように、お願いを申し上げました。
●中根県議 そんなふうに努力をしていただいているのですけれども、遺族に寄り添う姿勢を指導された、南国市教育委員会に対して、この間、これまで、寄り添う姿勢を感じてこなかった遺族は、懇談をするときには、遺族だけではなくて、いっしょに息子の自死問題を考えて遺族を支えてくれている方たちも参加する中で行われたい、そして、県の教育委員会にも、同席をしてほしい、こういう旨をただちに申し入れました。
しかし、市の教育委員会からは、ご両親とご両親の意をくむ弁護士と市の教育委員会のみで行いますという回答がありまして、懇談はいまだに実現をしておりません。
◆県の教育委員会に、懇談の場に同席をしてほしいという遺族の要請について、南国市の教育委員会から、相談はあったでしょうか。あったとしたらどのような指導や援助を県の教育委員会はしたのか、お聞きをいたします。
■教育長 南国市の教育委員からからは、遺族からの要望やこの要望に関する回答についての報告がございましたけれども、県教育委員会が同席してもらいたいという要請はございませんでした。この点については、南国市教育委員会において判断されたものでございます。県と致しましては、先程もお話させていただきましたように8月22日に、南国市の教育長に直接お会いしました時に、このことについてもできるだけ遺族に寄り添った対応をするようにということでお話をさせていただきました。
●中根県議 必要なことと必要でないことを南国市の教育委員会が、忖度をして県の教育委員会にお話をするということでは、大変困ったことが起こってくるというふうに思います。
私はいまだにこうした中身が、遺族のもとには全く届いていませんで、市の教育委員からからは、この姿勢が、遺族に寄り添う姿勢だと言えるのかと、いうことを問いたいと思います。◆南国市が指導を受け止めているというふうに、教育長はお思いでしょうか。お伺いします。
■教育長 南国市教育委員会におきましては、遺族との話し合いにあたっての、遺族からの要望については、弁護士に相談するなどして、判断したというふうにきいております。ただ、その結果、南国市教育委員会と遺族との懇談は実現していないということでございますので、まずは話し合いの実現に向けて、これまで以上に遺族に寄り添った対応をしてもらいたいというふうに考えています。
●中根県議 ◆その場合に遺族の方は南国市の教育委員会だけでなくて、県の教育委員会にも同席してほしいんだということをおっしゃっていますが、この点はいかがですか。
■教育長 遺族から県教育委員会に要請があり、南国市教育委員会が同意をしていただけるのであれば、同席することにはやぶさかではございません。
●中根県議 ありがとうございました。今年平成29年の4月1日付で、地方教育行政法の一部が改正されまして、50条では、国の地方公共団体への関与の見直しがなされました。文科省の資料では、「いじめによる自殺等が起きた後においても、再発防止のために国が教育委員会に指示できることを明確化した」というふうに書かれています。
8月4日の文科省の要請に関しまして、その当時の林文部科学大臣は定例記者会見で、「全国的にも学校を指導・監督する立場の教育委員会がいじめ調査の主体となることでは、徹底した調査がおこなわれないのではないかという意見が多数あります。どこが主体とあるべきか大臣のお考えをお聞きします。」という記者の質問に答えていまして、「南国市もそういうことだと承知しておりますし、また取手市、このケースはレアなケースかもしれませんが、やはりご遺族と市の教育委員会の間で信頼関係が失われてしまったと、こういうこともあって県の方で引き取った。こういうこともありましたので、なるべくご遺族の皆様の気持ちに寄り添ってやれることというのは我々としても考えていきたい。こういうふうに思っておりますが、一義的には現場のそれぞれのご判断ということになろうかと思います。なお、先程の茨城県の例でも今度は県が調査することになりましたので、その県の教育委員会を通じて文科省としても必要な指導・助言というものは行っていなかければならないと、そういうふうに思っております。」と答えています。茨城県は、つい先日特例による条例をつくりまして、この6月議会でしたけれども、取手市で自死した生徒の調査を県が行うことになりました。
◆この茨城県の事例、対応を教育長はどうお考えになりますか。
■教育長 この茨城県の事例では、取手市の教育委員会が、この案件についていじめによる重大事態には該当しないと判断し、いじめ防止対策推進法28条第1項に基づく、いじめによる重大事態の調査を実施をしておりませんでした。遺族の訴えを受けて、県と取手市が協議の上、取手市教育委員会が、第28条第1項に基づく調査を開始するとともに、これと並行して、行います、取手市長の調査について、県が受託をして行うものでございます。
一方南国市の事例では、南国市教育委員会が当初から、いじめによる重大事態と認定をして、法第28条第1項に基づく調査が行われておりまして、茨城県の場合とは状況が異なります。南国市の場合には、いじめ防止対策推進法の規定によりまして、法第28条第1項に基づくいじめ重大事態調査報告に対して、まず市長が、第30条による調査を行うかどうかを判断することになります。この件につきまして、南国市議会6月定例会において、市長から「再調査の実施については、南国市教育委員会と遺族との話し合いがなされたのち、要望があれば調査専門委員長からの説明の場を設けて、判断したい」と答弁をされたと聞いております。県と致しましては、まずは、再調査の実施について、南国市長の判断を待ちたいと思います。
また、南国市には、ひきつづきできるだけ遺族に寄り添った対応はお願いしていきたいというふうに考えております。
●中根県議 ありがとうございました。この間南国市の市長に、要望を出した際に、辞職をされた市長さんですけれども、それは苦渋の決断で、再調査はしないという答弁をされた、その後変わられた市長さんの答弁が先ほどのお話です。私たちは、やっぱり、この件でしっかりと遺族に寄り添うこと、そして、取手市との違いはありますけれども、同じ部分は、お互いの信頼関係が、この間に崩れてしまっている、教育委員会の方はよくわかりませんけれど、ご遺族の方は教育委員会への信頼関係を失っている、その点が同じだというふうに思うんです。ですから、今度の改定も含めまして、遺族に寄り添うということの、本当に大切さを痛感しています。ぜひそうした対応をお願いしたいと思います。
知事は、今年2月議会の私の質問に、高知県いじめ防止基本方針の見直しにふれて、「より一層遺族の皆様方に丁寧な対応をしましょうという趣旨の見直しをはかることがどうかということについて検討していきたい」とお答えになりました。
具体的にそれは、どういうことなのか、文部科学省の指導を重く受け止めて、遺族との信頼回復をするためには、主体的な遺族への対応が何もない南国市任せではなく、県として相当踏み込んでいくということが大切だというふうに思います。
そのためにも、まずは県教育委員会が遺族にあって、先程、教育長おっしゃりましたけれども、状況を把握することがやっぱり欠くことのできない条件になる。そうでないと文部科学省からの指導と南国市への指導の単なる通過点に県がなってしまう。そんなふうに思いますから、ぜひ、県の教育委員会が、しっかりと聞き取り調査も行うという、話し合いに応じていくということを再度確認をしていきたいというふうに思います。
◆魂の入った指導を強く望むものですけれども今後の対応とこの件への思いを教育長といじめ問題対策連絡協議会会長である知事にもお伺いをしたいと思います。
■教育長 先ほど申し上げましたとおり、調査自体は、南国市教育委員会および南国市長が主体的に実施するものであるというふうに、考えております。まずは、南国市教育委員会が主体となって、遺族との話し合いをすることが、大切だと考えております。県教育委員会としましては、遺族に寄り添うという視点から、南国市教育委員会に対して、そういったことの助言を行っていきたいというふうに思っております。
また、県教育委員会と致しましても、子どもの命が失われたことを重く受け止め、同様のことが起こらないように、努めていかなければならないと考えております。そのためにも各学校において、子どもたちの心の状態を的確に把握するとともに、子どもたち一人一人の心にしっかりと寄り添った支援が行われるよう市町村教育委員会と連携してさらに指導を徹底していきたいというふうに考えております。
■県知事 本件について、本当に遺族の皆様に寄り添った対応をしていくということは大事だとそういうふうに思います。また、事実関係を明確にしていく中において再発防止策をしっかりと講じていくということも極めて大事なことだとこのように考えているところです。茨城県のケースと、この南国市のケースの違いというのは、南国市のケースの場合にはすでにいじめ重大事態として認定をして28条1項に基づく調査が行われているということ、茨城県の場合はこれはまだ行われていないわけでありまして、ここに違いがあります。いじめ重大事態、これに対処するプロセスの中に入った限りにおいて、次に法的に予定されているのは、30条1項において、市長が再調査をすると判断するかどうか。次には、制度はこの点が予定をされている訳であります。この点について、南国市長が、先程もお話、ご紹介がありましたけれども、再調査の実施については、南国市教育委員会と遺族との話し合いがなされたのち、要望があれば、調査専門委員長からの説明の場を設けて判断したいと答弁されている訳でありますから、まずはこの市長さんの判断を待つということが大事だろうとそのように考えています。
●中根県議 ありがとうございました。前市長の時に調査検討委員長さんに、市長さんは問合せをいたしました。そうすると、もうすべて調査は終わっているので、再調査する必要はないと、いうお話で、けんもほろろに遺族の思いは打ち消されています。しかし、報告書の中に、いじめはあったけれども、これが自殺の原因ではないという項目と、またワイシャツが破られたり色んな事があったことに遺族は大変いきどおっていまして、もっと丁寧な調査をしてほしい、これが主旨です。どうか初めてのケースの場合ですから、丁寧に後にも、しっかりとつながるような、そんな県の役割を期待して終わります。