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- 2013年11月25日
- 議会(質問・討論)
- 9月議会(10/15)「地方税財政の確保・充実を求める意見書」反対討論(塚地佐智議員)
私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となっています議発第7号地方税財源の確保・充実を求める意見書案に反対の立場から討論を行います。
日本共産党は、地方自治体の使命である「住民の福祉の増進」のために、地方財源の充実にとつめてきました。地方交付税5.1兆円を含む6.8兆円の地方財源を削減し地方切り捨てをすすめた小泉自民党・公明党政権の「三位一体改革」とも正面から対決をし、「地方切捨てを許すな」と多くの国民、県民と力をあわせてきました。その地方切捨てへの怒りが、本意見書にある「歳出特別枠」として、リーマンショック前の08年度予算から導入されました。この経過を見るならば、「特別枠」を廃止し、地方財源を削減する道理はないと県議会の場でも指摘をしてきたところです。
地方財源の確保・充実を求める、そのこと自体は、日本共産党の一貫した立場です。また、地方財政計画で、保育などの国規準が著しく低く設定されていること、増加する自治体サービスの高度化や社会保障費の自然増分が正しく反映されておらず、本来は、「特別枠」でなく理不尽に削減された地方財源の復活こそが必要でることを重ねて指摘しておきます。
本意見書に、日本共産党が反対する最大の理由は、県民には景気回復の実感がまったくないもとで、暮らしと県経済を破綻においやる消費税増税と、その一方で景気対策として大企業には減税することを無批判に前提していることにあります。
消費税増税は、8兆円という史上最大の増税です。安倍首相は、消費税増税で深刻な景気悪化が起きることを認め、そのために、法人税減税など6兆円規模の「経済対策」を行うことを表明した。8兆円もの大増税で景気を悪化させる一方で、「景気対策」として6兆円もばらまくというのは、経済対策、財政政策としても支離滅裂な施策です。景気の悪化を心配するのであれば、最大の景気対策は、消費税増税の中止です。所得が大きく減っている国民から8兆円も奪い、270兆円にも及ぶ巨額の内部留保を抱える大企業に減税をばらまくのは、道理のかけらもありません。また、県内において「経済政策の効果が地方には広がっていない」の声は、立場を超えて共通のものであり、消費税増税を前提としたものは高知県議会の意見書にふさわしくありません。
国民に増税、大企業に減税というのは、景気対策、財政対策としても最悪であることは、97年の消費税増税で実証済みです。消費税5%増税後の17年間で、消費税収は、84兆円増加しましたが、法人税は47兆円、所得税は64兆円減少し、租税総収入は110兆円減少しました。一方、長期債務残高は492.2兆円から939.7兆円と激増しました。この間、法人税は37・5%から30%と減税されましたが、労働者の年間平均賃金は国税庁・民間給与実態統計調査でも、467万円から408万円と大きく低下し、一方で、資本金10億円以上の大企業は、内部留保を142兆円 から270兆円まで増やしています。経済成長は止まり名目GDPも513兆円から476兆円に減少するという先進国の中でも異常の国となっています。この失政を繰り返させてはなりません。
今政府がやるべきことは、税は応能負担、生計費非課税の原則にたち税の歪みをたたずことであり、働くものの賃金を引上げることです。日本共産党は、最低賃金の引き上げに大胆にとりくむべきと提案しています。
日本の最低賃金はアメリカにもぬかれ先進国で最低水準です。アメリカは、2007~11年に政府あげた取り組みで、一気に200円程度引き上げました。その結果、最賃を上げた州のほうが雇用や中小企業の経営が改善したことから、当初賃上げに反対していた経営者ら1000社が「最賃引き上げはビジネスにも、地域社会にも利益となる」支持声明まで出しています。大企業は内部留保の1%を活用で、月1万円の賃上げが可能ですが、中小企業には支援が必要です。アメリカは、中小企業支援に5年間で8800億円の減税)、フランスも社会保険料の事業主負担分軽減で3年間で2兆2800億円を投じで改善しています。一方、日本では3年間で112億円しかなく、年々予算が下がってきています。景気を下から暖めることこそ今求められる対策です。
この施策は、中小企業の多い地域経済の活性化にもつながり、まさに地方税収の増収につながる道です。
結婚や子育ての希望も奪う非正規雇用の拡大やTPP推進の旗をふる財界に減税し、地域をささえる住民、経営者に増税することを無批判に肯定した意見書決議案の内容は、地方交付税の財源保障機能、財政調整機能が真に発揮されるための課題解決に逆行する内容を伴っていることを指摘し、私の反対討論とします。同僚各位のご賛同をお願いいたします。、