議会報告

2012年12月定例会 意見書討論 岡本和也 議員

私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました請第3-1と2号「すべての子どもにゆきとどいた教育を進めるための請願について」及び請第4号「教育費負担の公私間格差をなくし子ども達にゆきとどいた教育を求める私学助成の請願について」の2請願をあわせ、いずれも賛成の立場で討論を行います。

今年も本請願にかかわる全国署名が実施され大変多くの方から署名が集まり、来年度予算編成に向け国会議員要請が行われました。子ども達は未来を担う大切な宝物です。しっかりと育てる事なしに日本の未来は無いと言わなければなりません。政治もこの観点に立って予算措置も含めて第一義的に対応しなければならない事を強調しておきます。

しかし、現状の子ども達を取り巻く環境は劣悪であります。毎年の様に発生するいじめによる自殺や不登校、児童虐待や子どもの自殺死など、耳を覆いたくなる様な出来事ばかりです。

これも強いものが勝ち残り、社会的弱者が大切にされない今の社会環境を如実に物語っております。今回の請願はまさにこのような教育環境を改善して子どもたちを豊かに育てていく為の喫緊の課題であり、その解決を求めるものあります。

まず請願の具体的な項目の中で、学校予算を増額し学校徴収金を含め教育費の保護者負担を軽減させる事や奨学金制度を拡充する事。高校授業料無償化の継続など、保護者の負担を軽減していく事は高知県のような所得の低い県では特に求められます。地域経済ではデフレが進行し非正規雇用などが恒常化し、ますます所得が低下。教育費の確保が十分でなく安心して教育が受けられない状況も見受けられます。その事は小中学生の就学援助制度の支給対象が、大阪27%、山口25%、に次いで高知24%と3番目に多い数字にも表われています。こうした県民の状況に積極的こたえるべきです。

こうした状況の中で2012年7月20日に発表された全国知事会の「国の施策並びに予算に関する提案・要望」でも「公立高校授業料実質無料化の財源を全額国庫負担とするとともに、低所得層に対する就学支援金の拡充、奨学金の給付にかかる制度創設など、高校生等、就学支援の充実を図る事」とされています。

又、政府は2012年9月11日の閣議において、留保中となっていた「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約は第13条2項について、留保を撤回する事を決定しています。この国際人権規約の規定は「高等教育の教育費について、漸進的無償化を定めたものです。この観点からも、「高校授業料無償化」は継続されるべきものです。文部科学省も、2013年の概算要求に「高校授業料無償化」のための経費を入れています。新しい政権になりましたが、継続される様に強く望むものです。

次に一人一人の子ども達の豊かな学力や可能性を伸ばすためにも少人数学級を一層拡充する事はとても大切で北欧などの教育先進国では当たり前の事です。特に国内では家庭環境の悪化から子どもの心が不安定になり、その事が原因で学級崩壊などの問題が生じています。こうした問題に対応する為にも、少人数学級を増やし教職員を増員する事は必要不可欠です。

次に、特別支援学校の過大・過密を解消する為に「設置基準」を作る事は、障害のある全ての子ども達の保護者も含め希望を作る事になります。

私学助成については、一昨年度より公立高校の授業料無償化と連動した高等学校就学支援金制度によって、県単補助金の拡充もあり無償化へ一歩前進しました。しかし、高校生一人にかかる教育予算を比べたとき、公立高校が年間約132万円。私立高校は年間約44万円と公立の約三分の一にすぎません。同じ納税者である保護者の負担格差の是正が求められます。親の所得格差で、こどもの学業継続が出来なくなるのは教育機会の平等の原理に反しており、国家を支える人材確保の機会損失という国家戦略上も望ましいものではありません。

本署名には今回72451筆が寄せられ前回よりも増え要望の大きさと運動の広がりをうかがう事ができます。実際に運動の広がりから私学において、授業料減免制度の利用世帯も平成20年に26人であったものが、平成23年度には365人と学校側の積極的な対応の変化から利用が極端に増加しています。署名運動の成果が実ったと言えます。

また、昨年度も国会の全政党・全会派の議員が「紹介議員」になり、高知県関係でも今回の選挙で当選した福井てる、中谷元、山本有二、自民党3衆議院議員に加え、広田一民主党参議院議員の4名が紹介議員になっています。

本請願の採択は本県の教育条件改善につとめる県教委、並びに知事の取り組みを積極的に後押しすることになります。本県議会でもぜひ採択して頂ます様、議員各位にお願いして、請第3-1と2号。請第4号への私の賛成討論といたします。