議会報告

  • 2012年07月06日
    「米軍機『オスプレイ』の国内配備の中止を求める意見書」への賛成討論

岡本和也 議員

私は日本共産党を代表してただいま議題となっております議発第14号「オスプレイの国内配備の中止を求める」意見書議案に賛成の立場で討論を行います。
 6月29日、アメリカは、沖縄の米軍普天間基地に垂直離着陸輸送機オスプレイを配備することを日本政府に通告し、政府は、沖縄県などを「説得」にまわるという、どこの政府かと疑問を抱くような恥ずべき行動をとっています。
 オスプレイは、開発段階から墜落事故をくりかえし、4月にはモロッコで、6月にはフロリダで墜落事故をおこしたばかりです。
 そのオスプレイ配備の環境審査報告書では、本州北部や四国、九州で低空飛行訓練を計画していることが明かになりました。その結果、訓練は現状より約21%増加いたします。愛媛新聞の社説は「普天間から岩国に向かっていた米軍ヘリが伊方原発の南西1キロに墜落した1988年の事故が思い出される。まさに同じ線上をオスプレイは飛来するだろう」と、オスプレイ配備の重大な危険性を指摘しています。
 オスプレイは離着陸時にはヘリとして、水平飛行時にはプロペラ機として飛ぶ軍用機です。
 防衛省が26日に公表したアメリカから提供された情報で、モロッコとフロリダで発生した事故は、二つともヘリモードから固定翼モードに切り替える途中で墜落した事実が明らかになりました。
 2010年にアフガニスタンで発生したオスプレイ墜落事故で、事故調査責任者ハーベル空軍准将(当時、その後除隊)がエンジン出力の低下を事故原因の一つに挙げた報告書をまとめた際に、空軍が「操縦士の責任にするよう」圧力をかけられたことを証言しています。
 同氏は、米空軍の週刊誌「エアフォース・タイムス」に11年1月に掲載された記事で「報告書の改ざんを求める強い圧力があったが、私の心と頭はパイロットのミスではないと言っていた」と真実を貫いたことを語っています。
 また、6月29日付けの沖縄タイムスは、米議会が、予算を承認した調達数と海兵隊の保有数が大きく乖離している問題で調査を検討していることを報じています。その実態は126機の調達数に対し、配備数が71機しかなく、あとは12機が事故・故障。43機分が不明になり、海兵隊がその詳細を明かにしないことからです。 
 記事は、「議会が独自に調査したなかでは、破損などの報告を避けるため、訓練などでダメージを受けた機を倉庫に保管し、未報告としていたなどという海兵隊員らの情報もあった」と報じています。実に、製造された機体の約半分しかまともに動いていないという危険極まりない恐るべき数字です。
 そもそもオスプレイは、 エンジン故障時に不時着を想定したオートローテーション機能がありません。オスプレイの製造元であるベル・ボーイング社は「(オスプレイは)オートローテーションに頼らない固定翼モードで滑空できる」としか書いていません。米国防分析研究所でオスプレイの主任分析官を務めていたリボロ氏は09年6月23日に米下院公聴会で、「V22オスプレイは安全にオートローテーションができず、このことは製造者や海兵隊も認めてきた」と証言しています。
 実際、米軍では、オスプレイのオートローテーション訓練は危険なため禁止されています。民間機ならアメリカ国内で飛ぶことができないし、日本の航空法でも飛行できない機体です。アメリカ国内では、ニューメキシコ州のキャノン空軍基地での低空飛行訓練計画が、住民の反対で棚上げされています。 このような実態がある中で「機体に不具合はない」と強弁して沖縄、日本では配備を強行するという姿勢は絶対に許されません。
 沖縄では、県議会と全市町村議会が配備反対を決議し、県議会の全会派が「県民大会の早期開催が必要」と一致しています。普天間米軍基地の沖縄県民への負担軽減は日米間での合意事項です。
 しかし、今回のオスプレイ配備は事故の危険増、騒音増で日米合意に反しているおり、日本政府は、沖縄県民の声、国民の不安の声にこたえて、アメリカにきっぱりと配備反対の声を伝えるべきです。米軍基地を抱える沖縄県など14都道県で構成する渉外知事会も配備見直しを求めて政府に緊急要請する方向だと報道されています。
 本県は、早明浦ダムへの墜落事故、最近も防災・ドクターヘリの運航への危険性から、県としても危険な低空飛行訓練の中止を求めてきました。高知県民の安全を守るという地方自治体の責務からの行動です。その立場に立てば沖縄県全体が配備に反対している声を、高知県民の思いに重ね、運動に連帯して行動することが本議会の責任ある態度だと確信しています。
 問題の根底には、安保条約にもとづく地位協定の属国的な内容があることをこの際、改めて指摘しておきます。安保条約には、様々な「密約」が存在していることがあきらかになっています。
 その1つが占領下での無制限の基地使用を現在も続けていることです。1960年1月6日付けマッカーサー駐日大使と藤山外相のイニシャル署名のある「討論記録」には、“新地位協定になっても、今までの内容を「変わることなく続く」”と記されています。
 その「基地特権」について、アメリカの解禁文書「在日米大使館からの報告書」にはこう説明しています。「ほぼ占領化と同じ自由を保護している」「極東の活動に制限されない」「基地を獲得する権利、保持する権利も米国にある」「自国の利益を侵害する多数の補足取決めがある」「日常的な演習が自由に行われる」など、まさに属国的、売国的な内容です。この事について6月30日の琉球新報社説は「自国内でありながら、土地(基地)や空の使い方について政府が口出しできない状態は、上海など戦前の租借地を想起させる。まさに植民地にほかならない。」と指摘しています。
 日本共産党は、密約の破棄、安保条約を廃止し日米友好条約にかえること、憲法9条にもとづく平和外交で、地域の軍縮、緊張緩和のために努力する決意、沖縄県民と連帯してたたかう決意をのべまして賛成討論といたします。議員各位のご賛同をお願いいたします。