議会報告

  • 2012年03月05日
    県内企業を育てる立場での公共事業発注について、国道439号大正-中村間の整備促進、中山間地対策・林業振興

2012年2月定例会 予算委員会質問 岡本和也議員

質問項目

  1. 県内企業を育てる立場での公共事業発注について
  2. 国道439号大正-中村間の整備促進
  3. 中山間対策・林業振興

1.県内企業を育てる立場での公共事業発注について

■岡本議員

お許しを頂きましたので通告に従いまして質問させていただきます。
 先ず、公共事業の発注は県内企業を育てる立場で行われなければならないとの質問を行ないます。
 県民所得2009年本県初の最下位のニュースに驚いたのは知事も同じだと思います。所得の減少は高知県だけにとどまらず日本中を超えて世界の課題でもあります。特に高知県のような田舎県では、小泉構造改革が行なってきた規制緩和で大型量販店進出の影響などで地域経済が循環しなくなり、所得がどんどん減少しているのが実態です。このような状況下で県民の暮らしと営業を守るために知事として何が出来るのか真剣に考えていかなければなりません。そこで、対応策のひとつとして高知県の中でなるべく経済を循環させる事を考えた場合に、公共事業の発注は最大限県内発注で県内企業を育てる立場で行なわなければならないと考えますがまず知事の考えをお聞きします。

■県知事

まず県が発注する建設工事につきましては平成12年9月県議会決議も踏まえまして、県内企業の育成と技術力向上を図る観点から専門性の高い大規模な橋梁工事やダム工事など県内の企業のみでは施行が困難なものを除きまして県内企業に優先的に発注しております。また物品の調達につきましても平成15年度に作成しました競争入札の指名基準によりまして県内業者や育成する観点から発注は原則県内業者を優先しており、そのうち160万円以下の物品購入など小規模なものにつきましては全て県内にある事業者に発注しております。雇用の確保や県経済波及をはかるためにも公共事業につきましては引き続き県内企業に優先的に発注をしていきたい、そのように考えております。

■岡本議員

ぜひその立場で取り組んで頂きたいと思います。
 そこで、公共事業の発注は県内企業を育てる立場に立って、具体的に県内警察における自動販売機の契約について質問をいたします。この事は本会議でも少し議論がありました。その時の警察本部長の答弁では、県内警察署における自動販売機の設置契約について、平成21年度の包括外部監査において「自動販売機の売上高に応じた使用料を徴収することで、県の歳入確保に努めるべきである」との意見を受けプロポーザル方式で契約がなされた。結論として、何分この様な施策の取り組みは初めてのことで、各方面から色々なご意見もありますので、次回の募集時には、地域性をより加味した募集の方法や社会貢献活動等のあり方も含め、募集要項の再検討も行なっていきたいと考えている。とありました。外部監査の指摘もあったうえで、県の歳入確保の点でも前進があった事は認めますが、結果的に地元企業の経営が成り立たない状況になっていることは県内企業をそだてる立場になっていません。本会議の警察本部長の答弁は「募集要項の再検討も行なっていきたい」でありましたけれども、具体的にどんな再検討が行なわれるのか。その中身が県内企業を育てる立場になるのか加藤県警本部長の答弁を求めます。

■警察本部長

まず現在の契約内容におきましても県内製造産品の販売を義務づけることによって地産地消の促進を図ると言った県内企業の育成に配した項目も入っているところでございますけれども、委員ご指摘のとおり色々な各方面からご意見も寄せられておりますので、募集の単位ですとか、評価項目などについてより地域性を加味した募集のあり方を含めて検討を行ってまいりたいということでございます。

■岡本議員

このプロポーザルの中には三つの施策にそれぞれ配点がされておりました。色々ありますけれども、特に問題なのはですね、新たな歳入確保という項がありますけれども、1%の値引きに対して1点の加点がされるわけです。それが満点の40点。ということは40%鼻から値引きをしなければならない、となっているわけですから、この40%、鼻から競争になった場合ですけれども、県内企業の競争力ではとてもついていけないわけですよね。そういう点について本部長の見解はどのようにあるのか、答弁を求めます。

■警察本部長

具体的にどの程度、例えばポイントの、どういう項目にどういうポイントを与えるかということについてはこれからまた検討するところでありますけれども、そういった評価項目の内容などについてもまた再検討をして次回の公募のときには考えてまいりたいということでございます。

■岡本議員

ぜひね、県内企業を育てる立場で私が指摘したことも含めて今度は検討していただきたいと思います。
 また、このようなことが県内の公共施設でも波及をすることになれば事業を辞めなければならないと危機感を業者は持っています。歳入を増やすために県内企業を廃業に追いこんではならないと考えるが総務部長のお考えをお聞ききします。

■総務部長

自動販売機の設置場所や関係する方々の意見をお聞きしながら県内企業を育てる立場も踏まえて進めていかなければならないと考えております。

2.国道439号大正-中村間の整備促進

■岡本議員

2点目に国道439号大正-中村間の整備促進(特に杓子トンネルの開通)について質問を行います。国道439号線大正-中村間の整備促進は中山間の活性化を願う地域住民から早期の整備促進の願いが出されています。その事は昨年度の幡多三市一町一村区長会連絡協議会からも早期の整備促進の要望が知事出席での懇談会を経て出されているところです。しかし、要望に対する県の回答は、平行する441号を優先する。杓子トンネル開通には多額の事業費がかかることから同時進行は無理と書かれています。
 しかし、昨年3月11日に起こった東日本大震災で国土区通省の対応として「くしの歯作戦による早期啓開が」復旧作業に大変大きな力を発揮していたことが報告されてきましたけれども、そのことを考えた場合、来るべき南海大震災で幡多地域が被災した場合、国道439号中村、大正間の早期整備促進は「くしの歯作戦」としての震災支援道路として大変重要な位置づけになると私は今回質問を行うものです。
 今後必ず起こりうる南海大震災での津波の被害は甚大であります。幡多地方では命の国道である56号道の崩壊が予想されます。その事は四国西南地域道路整備促進協議会の資料でもその事が強調されています。具体的には高知県側では黒潮町佐賀から同大方までの海岸線。大方地区の入野、早咲などの市街地。また、愛媛県側では須の川の海岸線での津波による被害です。その事で国道56号が遮断されれば土佐清水、宿毛、大月、四万十市、三原村、黒潮町などの広範囲にわたる幡多地域は陸の孤島になります。その事を考えた場合支援道路の早期整備が求められますけれども、土木部長はどのようにお考えか答弁を求めます。

■土木部長

地震によりまして孤立することを想定いたしまして救援救助ルートを確保に努めることは非常に重要なことだと認識しております。津波によりまして分断が予想される箇所でございますけれども、沿岸部の高速道路の未整備区間、いわゆるミッシングリンクがある箇所に集中してございます。そのミッシングリンクを解消することがまず重要じゃないかと思っているところでございます。それから巨大な地震に備えまして他県から広域的な支援を受けれる救援救助ルートを構築致しまして備えること、これも急務だと認識しておるところでございます。

■岡本議員

適切な答弁をいただきました。
 その場合の支援道路として国道439号線の整備促進がはかられていれば、津波の被害を受けていない四万十市から大正町そして平成25年度から開通する窪川までの高速道路に短時間でアクセスすることができるわけです。幡多地域の復旧作業が速やかに進むことになると私は思いますけれども、震災の支援道路としての国道439号大正-中村間の早期整備促進を支援道路という立場で求めますけれども、土木部長にそのお考えをお聞きします。

■土木部長

東南海、南海地震が発生した場合には太平洋側は非常に広域にわたって想定外の甚大な被災を受ける可能性があるということを考慮しなければならないというふうに考えております。東日本大震災の教訓からも先ほど申し上げましたとおり、高速道路のミッシングリンクの解消、それとともに比較的被害が少ないと思われます瀬戸内海側からの広域的な救援救助ルート、その確保をすることが重要だと思っております。ちなみに西南地域でございますけれども、国道56号、国道381号、国道441号がいわゆる四国版くしの歯作戦、その広域救援救助ルートに予定されているところでございます。国道439号線でございますけれども、これらのルートを補完する位置関係にあるということでございまして、その代替機能を確保するといった視点からは非常に重要な役割を担う路線であるというふうに認識しておるところでございます。

■岡本議員

今、土木部長の方からですね、大変重要な位置づけがされるという答弁がありました。441の整備促進が今行われていますし、幡多地域、大変広いわけです。ですから、国道56号線は遮断されると思っておかなければなりませんので、大量の物資なんかがいっぱい入れられなければならない。そういう時に色々な選択枠を持っておかなければならないと私は思っています。ぜひそういう幡多地域の人たちの思いをぜひ叶えて頂きたい。危機感に対する思いを叶えて頂きたいというふうに思いますけれども。
 知事にお聞きしたいのは、知事の決意も含めてですけれど、ぜひ441が今から順次進んでいきます。で、間をおかずにですね、439号を支援道路と位置づけてですね、国の方に積極的に働き掛けていってもらいたいんですけれども、その決意を伺いたいとおもいます。

■知事

国道441号につきましてはですね、やはり2重3重に色々な意味があって、優先的に整備をしなければならないと考えてきたものでございます。くしの歯作戦の重要な位置にあるということもございます。また、愛媛県の方でですね、南側の方に高速道路がどんどん延びてきている。この効果を十分発揮させていくという点においては、愛媛から幡多地域に多くの人々を引き込んでくるという点においても、そしてまた、なんと言っても合併支援道路としての意味もある、というような2重3重の意味がありました。これは県下的に他のどの路線と比べても非常に優先度が高いということが合理的に判定できるということで今重点的な取り組みを進めておるところでございます。それが整備、全速力で進めておりますが、それが終わりましたあと、どの路線を特に重視して対応していくかと言うことについて言えば、色々な重要性のある道がございますので、全体をよく見渡していきながらその優先度を判定していくということが重要かとおもいます。
 もちろん439も補完する位置という意味で重要な路線だと思っていますが、他にも色々ございますのでですね、全体の観点の中からよくよく判断をさせて頂きたいとそのように思います。ただ、とにかく今441を全速力で進めていくということに変わりはありません。

■岡本議員

他にも色々あろうと思いますけれども、ぜひ439号は幡多地域、大変広い地域を網羅していますので、色んな選択枠を考えてぜひ優先順位を一番につけていただいてですね、進めて頂きたいことをお願いしておきたいと思います。

3. 中山間対策・林業振興

■岡本議員

最後に中山間対策の林業振興について質問いたします。今議会知事提案説明でも触れられているように中山間対策の抜本強化を図るためには若者が中山間地域で暮らしていける県土を作る必要がある。と述べられ、また、代表質問の答弁でも、全庁をあげて中山間対策に取り組むとの知事の姿勢に私自身共感と賛同を覚えるものであります。
 中山間地域で若者が住み続けていけるためには雇用の確保がまず1番であることを強調します。雇用の確保が出来れば後継者、少子化、高齢者対策へとつなげる事が出来る。中山間が抱えている様々な問題解決の糸口と成る事と確信するものであります。
 そこで、日本一の森林県、高知県の状況を考えた場合、特に林業を中心とする雇用の確保にスピード感を持って日本一の林業県を目指した取り組みに全力を注ぐべきであります。
 林業を取り巻く環境はそう生易しくはありません。1960年代の関税の引き下げ以降、安い外国材の輸入量が増加し国内の林業は衰退の一途をたどってきました。その事は県内の経済が衰退してきたことに如実表れています。その上に近年ハウスメーカーなどの進出で建築指向に変化が起こり純日本風で木材を多く使用した住宅建築が極端に減少して木材の消費も減少してきました。しかし、そのような状況の中ですが、高知県として日本一の森林県との自覚をもって日本一の林業県になることを目指し、その事で中山間対策のみならず産業振興につなげていかなければなりません。その為にも、徹底して高知県産材を利用した地産地消、地産外商で雇用の確保に努めること求めるものです。
 そこで、二期目の知事として、日本一の森林県の知事として特に求めることを今から三つ申し上げます。1、徹底して県内産材の利用にこだわること。2、木材利用の知恵を出すこと、知恵を聞き出すこと。3、行動を起こすこと。この3点の姿勢で臨み、川下の需要を増やす対策に最大限に取り組んでいかなければならないと思いますけれども知事の考えをお聞かせください。

■知事

今のご指摘、三つの視点の下で川下対策に取り組んでいくと言うことは非常に重要なことだとそのように思います。地産地消の取り組み、こちらについては高知県産材利用推進方針、こちらに基づきまして出来るだけ公共的な施設で木造化、もしくは木質化をすすめるべく取り組みを進めて参りました。特にですね、住宅への県産材の活用について重点的な支援を行うという方針でやってきまして、例えば木造率、ご存知のように19年度高知県はですね、79.8%、全国85.2%だったので大幅に低かった。非常に残念でありました。こういう重点的に支援する方針でやってきたところ、今23年度は86.2%、全国86.7%と全国平均にだいぶ近づいてきております。もっともっとこれを上げていきたいとおもいます。この地産地消の取り組みも徹底したいと思います。
 加えて外商活動も行っていかないといけないと思っておりまして、そのためには距離のハンディをいかに乗り越えられるようにするか、ということが非常に重要かと思います。そういう観点から代表質に今流通拠点10箇所設置しておるところでございまして、これを生かしまして距離のハンディを克服し、さらに土佐材展とかといった形の色んな商談会や展示会、こちらにも積極的に開催したり参加したりして外商活動を展開をしていきたいとそのように考えておるところでございます。大型製材工場の誘致に関しましても、こちらも販路を持っておられる大きな大型製材工場の誘致ということでございますから、川下対策の一環とも言えるであろうかとそのように考えておるところでございまして、全体としまして地産地消地産外商の取り組みを大いに進めていきたいと思います。

■岡本議員

知事の心強い答弁をいただいたところです。
 ぜひですね、この三つの観点、これをですね、どうか全庁に広げていって全庁の中でそういう姿勢になるようにですね、ぜひことあるごとに取り組みをして頂きたいと思います。
 ただ、大型製材についてはですね、なかなか地消にはつながらない、という実態がありますので、これは認識をしっかりしていただきたいなと思います。
 それでは、川下の需要を増やす観点で具体的なことについて何点か質問させていただきます。
 まず、地産地消を促進するために、ということでですね、まず需要家(県民)に対して高知県の木材は優れているんだ、と、その県産材を利用した住宅を新築した場合には補助金が受けられるんだ、というこのことがまだまだ知られていません。私の調査する範囲ですけれども。これらをやはり広く知らせること、知らせることを通じて木を利用する文化を創る啓発活動を行うことが必要だと思います。知事がトップセールスの立場に立って、それも、新聞、テレビやラジオなどマスコミをどんどん利用していただいて宣伝を行なうべきであると思いますけれども、知事のお考えをお聞かせください。

■知事

もっともっと一生懸命宣伝したいと思います。

■岡本議員

今の言葉にウソはありませんね。はい。ありがとうございます。
 で、こういうことがありました。二週間ほど前でしょうか。NHKのプロフェッショナルという番組がありまして、高知県の梅原真さんが出ていました。梅原さんが取り組んで産地の特産品の需要がぐっと伸びたという番組でしたけれども、その中で四万十市で卵の生産をしている方がおりまして、言うたら、売れ具合が悪いので梅原さんに相談して商品ラベルの開発をしてもらった、という番組でしたけれども、それは一部ですが、そこで100円の卵がラベルを変えることによって倍になった、という番組でした。非常に大事ですね。私も買いに行きました。実は。昨日。そうするともう店にないんです。店員さんに聞きますとですね、いつ入荷するか分からない、という風に言われてましたけれど。その店員さんが言うに、テレビで紹介された卵ですね、と言ったわけです。いかにテレビというのが県民に影響力を与えているかというのが分かりましたので、ぜひにこのテレビなど県民の目に多く触れやすいところでの宣伝、啓発活動をして頂きたいということを答弁はいりませんのでお願いをしておきたいと思います。
 そのテレビと関連してですけれど、二点目の質問として、木と人出会い館の事業としてテレビ番組「おはようこうち」で県産材使用促進の啓発活動を行なってきていました。今まで。しかしですね、木と人出あい館(これは館の名前でして本当は名前はもっと違いますけれども)の23年度決算書を見せてもらいますと、県の補助金が減額されてきています。ずっと。そのことで放映が毎週から隔週になり、スペシャル番組は財政難から放映が中止になっています。この事は様々な経過を踏んでの事と思いますけれども、県の木材利用促進の啓発姿勢が後退しているのではないか、と思いますけれども、そんなことはあるのか、ないのか、林業振興・環境部長にお聞きいたします。

■林業振興・環境部長

お話のありました木と人出会い館情報は高知県木材普及推進協会が主体となって制作しており、かなりの視聴率をあげている番組でございますけれども、協会の自主財源が厳しくなってきたことから本年から放送回数が少なくなっているものでございます。県といたしましては協会の自主財源が乏しいというお話も受けまして、番組の制作に対する補助率を従来の1/2から2/3に上げまして、積極的に支援をしておりまして、県の取り組み姿勢が後退したわけではないというふうに考えております。

■岡本議員

私がいただいた資料では県の補助金が200万から166万に減っていました。これはあとで正確な数字をすりあわせてみたいと思いますけれども。自主財源が乏しくなったらですね、逆に県が先ほどの知事の答弁を考えたらですよ、逆に県として支援していかなければならないと思いますけれども、部長のお考えをお聞かせ下さい。

■林業振興・環境部長

繰り返しになって申し訳ございませんけれども、県の支援は1/2から2/3ということで増やしておりますので、強化をさしていただいているというふうに考えております。

■岡本議員

分かりました。またあとでゆっくりと議論したいと思います。
 次に、県産材使用の補助金制度の申請についてお聞きをいたします。申請が難しいという声があります。特に郡部で申請する場合に高知市まで出てこなければならない。申請に間違いがあった場合にまた高知に出てこなければならず、諦める場合もあるとお聞きをいたします。現在本課だけで受け付けを行なっていますが、全ての林業事務所に補助金申請の窓口を設置してですね、補助金の利用促進を図るべきではないかと思います。また、申請手続きが難しいという意見がありますけれども、簡単に出来る余地は無いのか。併せて林業振興、環境部長にお聞きします。

■林業振興・環境部長

木造住宅にかかる補助金の申請、申込書類を林業事務所で受け取ること自体は現在でも行っておりますけれども、補助要件を充たしているかどうかを確認するためには建築基準法も含めた建築の専門的知識が必要となってまいります。そのために専門職員を配置しております本庁で直接受け付けた方が申し込みをする方と具体的なやりとりをすることができるので円滑な補助金の交付につながるという側面があります。そのように申し込みをする方にも結果としてメリットが大きいことから現在の形になっているものでございます。
 それから申請手続きの簡素化につきましては、平成22年度まで二つございました事業を統合いたしまして作成書類の重複の是正や図面審査を不要とするなど事務の簡素化に取り組んでまいりました。現在の事務手続きにつきましては、公金を扱う以上最低限のチェック機能が働くよう検討した結果、今の形になっているものでございまして、尚、今後も現場の声を聞きながらできる限りの簡素化には努めてまいりたいというふうに考えております。

■岡本議員

ぜひその方向で進んでいただきたいと思います。
 次、補助金制度についてですけれども、市町村独自で行なっている自治体もあります。例えば、四万十市、四万十町、仁淀川町、梼原町ですけれども、この場合、県と両方の補助金が受けられる事になります。お互いが連携を取って利用促進を図るようにするべきではないかとおもいますけれども部長にお聞きします。

■林業振興・環境部長

お話のありましたように現在地元材での住宅助成事業を行っております四つの市と町の助成事業と県の補助事業とは併用して補助を受けることができるようになってございまして、市町村の事業につきましては、県の説明会等でも紹介さしていただく他、県が作成しております補助事業のパンフレットにもそういったことが市町村の補助事業についての記載もございます。また、県の要綱ですとか、パンフレットなどにつきましても、市町村の担当窓口で受け取ることができるようにしておりまして、このように県と市町村、連携して取り組まさしていただいております。

■岡本議員

ぜひその方向で進んで下さい。
 次に、地元産材使用啓発パンフレットについてですけれど、各自治体で新たに製作する動きがありますが、その場合には企画でも予算の面でも積極的に支援を行なうべきではないかと思いますけれども、同じく部長にお聞きをいたします。

■林業振興・環境部長

県産材の需要拡大にむけた啓発につきましては、市町村と連携して取り組んでいくということは大変重要だと考えております。ただ、各自治体で作成いたしますパンフレット等の制作費用などは少額な事務的な経費でございますので、基本的にはそれぞれの自治体の負担でお願いしたい、というふうに考えております。

■岡本議員

少額ですけれども、なかなか各自治体も財政が逼迫しておりまして、なかなか出しにくい場面もありますので、ぜひそういう場合には県としてですね、相談にのっていただきたいがですけれど、その点について部長、どのようにお考えでしょうか。

■林業振興・環境部長

補助をするか、ということに関しますと先ほど申し上げました通りですけれども、県と市町村とで連携してPRする、ということについては色々とご相談もさして頂きたいという風に思っております。

■岡本議員

次に、住宅を新築する場合には若者が多いわけです。その事から若者受けするデザインを募集してモデルハウスをつくったら。デザインを募集するには賞金制を使ってですね、したらどうか。今、若い人から純日本風建築志向が減っていますので、その対策としてですけれども、そんなことをしたらどうか、という質問です。そういうモデルハウスをつくってですね、そこに啓発用のパンフレットを置く。例えば目立つところに作らなければなりませんので、JR高知駅前など県民に目立つところへ作ったらどうかということをお聞きしたいと思います。モデルハウスは外商の拠点にもなりますので、ぜひモデルハウスを作ったら、ということをお聞きしますと共に、それらも含めてテーマパークをつくって、高知県は木材にこだわっている県であることを内外に示す必要があると思いますけれども、合わせて林業振興・環境部長にお聞きします。

■林業振興・環境部長

木造住宅のデザイン募集して入選作品のモデルハウスを建築するといった取り組みにつきましては、以前、募集対象者が若者ということではございませんけれども、設計事務所等を対象にいたしまして高知県住宅供給公社が建てる形で取り組んだ事例がございます。ただ、先ほどモデルハウス、テーマパーク両方ございますけれども、そういった取り組みについては、一般的には民間の工務店等の事業体が取り組むということが一般的ではないかと考えておりまして、具体的なご提案ございましたら、県としての対応ということは検討してまいりたいと考えております。尚、県産材の利用について目に見える形で広くPRすることは重要でございますのでお話のありました高知駅前につきましては、高知駅くじらドームですとか、或いは龍馬ふるさと博のメイン会場、こういったところでも木を使った建物を設置させていただいていますし、高知龍馬空港の内装木質化などでも取り組んでおります。こういった形で多くの方々の目に触れる公共的な施設についての木造化ということでは取り組んでいきたいと考えております。

■岡本議員

部長の慎重な発言になったと思いますけれどもね、ぜひ日本一の森林県ですから、これをどう林業県にしていくかということになれば、やはり中途半端ではいかんと思うんですよね。やはり、がんと打ち出す、これはインパクトが絶対大事ですので、ぜひやっていただきたい。部長の中では判断しにくいかもしれませんけど、やはり知事に先ほどの覚悟、決意も含めてですね、二期目任期中にテーマパーク、高知県は木でやっていくんだ、林業県になるんだ、という意思も含めてですね、表現する必要があると思いますけれども、その点知事の決意をお聞きしたいと思います。

■知事

林業を大いに振興していこうという決意には並々ならぬものはございますが、それを実行する選択肢としてはテーマパークだけではないと思います。今も土佐材展とかやってます。あれはいわゆるリビングやインテリアの関係とかにおいてはものすごく大きな集積地となっているところにおいて、家を二棟建ててPRするなどというような思い切ったことをやっておるわけでございまして、いずれにしてもインパクトがあって補給力のある取り組みを進めることで地産地消地産外商を進めなければならないというのはその通りだと思いますので。選択肢としてのテーマパークというのは私は今、念頭にはないんですけど、他の手段も講じながらしっかりと売り込みをしていきたいと思います。

■岡本議員

まだ頭の中にない、という。ぜひ今の私の質問に基づいてですね、頭の中に入れて頂きたい。民間になかなかテーマパークを作ると言っても財政的になかなか難しいと思います。そういうときに県がしっかりと林業で生きる姿勢を今から示して頂きたいと思います。
 最後になります。
 地産外商の視点で質問したいと思います。
 外商を行うにも市場調査をしっかり行なうことが必要ではないかと思います。今、新宿で土佐材展を行っています。スギとヒノキを使ったモデルハウスがありますけれども、関東地方での県産材の取引状況はつかんでおられるのか、ということをお聞きしたいと思います。
 私が住んでいる地域に、協同組合西部木材センターというのがありますけれども、そこでの取引状況を見ますと東海中部地方30%、近畿2%、中国4%、四国内60%。関東3%。これをどう見るのかということと併せて、林業振興環境部長にお聞きします。

■林業振興・環境部長

平成22年の関東への県産材製品出荷量は約1万立方メートルで、これは県全体の11万9千立方メートルの9%でございます。また取引内容といたしましては、柱や土台などの構造材を製品市場や県の支援策として新しく設置しております流通拠点などを活用して出荷をしている形をとっております。
 協同組合西部木材センターにつきましては東海地域への出荷割合30%とお話のあった通りでございますけれども、県産材の当該地域への出荷割合が11%ということと比べますと相当高くなっております。これは東海地域がヒノキの需要の多い地域であることから、ヒノキの取り扱いが多い当該センターと古くからつながりのある、ということからかと思っております。

■岡本議員

ぜひそういう市場調査をしっかりと行った上で税金を使って頂きたいという思いです。
 そこで、東海中部地方で外商につながる売り出しの案内について紹介さしていただきたいと思います。協同組合西部木材センターに対して売り出しの案内が来ています。中身を紹介すると、開催は木材販売業者、株式会社山西。本社愛知県名古屋市です。案内を見ると、開催5月19、20日来場予定者1500名から2000名。高知県産材のブースを設けて販売したい。その中で名古屋でも広く周知されている四万十川を前面にだして来場してくださる工務店、一般の施主様にトササビリチィ(この地域で製材された物であるため安心・安全である)をアピールしたい。ということですが、このような取り組みに積極的に支援をするべきだと思いますが答弁を求めます。

■林業振興・環境部長

県外の展示会への出展は県内業界が連携して対象に取り組むために設立した協議会が中心になって県が支援を行う形で取り組んでおりますので、お話のありました愛知県での展示会につきましても協議会の事業として取り組むよう既に話もさしていただいておりますし、県としても積極的に支援してまいりたいというふうに考えております。