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- 2023年05月24日
- 新型コロナウイルス感染症対策および物価高騰対策を求める要請(2023.5.19)
日本共産党高知県議団と高知県委員会は5月19日、新型コロナウイルス感染症の5類移行へ対応、また、物価高騰に対する支援策を求めて、知事、教育長宛の要望書を提出しました。県からは井上・副知事に対応いただきました。
以下、要請文です。
2023年5月19日
高知県知事 濵田省司 様
高知県教育長 長岡幹泰 様
新型コロナウイルス感染症対策および物価高騰対策を求める要請
日本共産党高知県委員会
委員長 春名直章
日本共産党高知県議会議員団
団長 塚地佐智
貴職と県職員の皆様が、長期にわたり新型コロナに対する非常対応を続けてこられたこと、また物価高騰対策等への支援にご尽力されていることに敬意を表します。
この間、新型コロナウイルス感染症の法上の位置づけが季節性インフルエンザ等と同等の5類感染症となりました。非常事態から日常へと移行していくために重要な節目であると考えますが、一方で、5類移行は、医療費等の原則自己負担化や、医療機関への支援の削減など大きな課題を抱えており、受診控えや医療体制のひっ迫が懸念されます。
厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードは、4月19日の会合で「COVID-19の流行は継続し、死亡者も発生し続ける可能性が高い。死亡リスクの高い高齢者や基礎疾患を持つ人たちに対する対策は継続する必要がある」との資料を提出。また、WHOのテドロス事務局長も緊急事態宣言の終了にあたり「新型コロナが世界的な保健上の脅威でなくなったことを意味するわけではない」と述べ、引き続き警戒を呼び掛けています。
新型コロナウイルス感染症は、非常に強い感染力を持ち、1年間に何度も流行を繰り返す上、深刻な後遺症被害も報告されるなど、季節性インフルエンザと同等とは言えず、引き続き、特段の対応が求められます。真に日常生活を取り戻していく上でも、引き続き新型コロナに対する適切な対策を実施し、死亡リスクの高い方々の命を守っていくことが必要です。
また、物価高騰に関しては、2023年3月の生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で3.1%の上昇となり、引き続き高い水準の物価高騰が続いています。5月9日に公表された3月の実質賃金は2.9%の減、12カ月連続のマイナスとなるなど、名目賃金の伸びが物価上昇に追いつかない状況が続いています。県民の暮らしを支える県政の役割が、切実に求められています。
よって、地方創生臨時交付金等を活用し、以下の事項の実現を要請いたします。
記
1、 新型コロナウイルス感染症対策について
①感染状況の把握と公表
・感染状況については、定点把握に基づく週1回の感染者数発表となりましたが、感染の増加傾向が確認された場合は、県民へ周知徹底し、警戒を呼び掛けること。
②医療機関への支援
・医療機関への支援について、医療機関や医師会等と連携して課題を明確化し、今後懸念される第9波など新型コロナ感染拡大が起きた際に、病床を確保しておくための空床補償など、医療提供体制の維持のため必要な財政措置を国に要望すること。
③高リスク者の入院
・第8波において、高知県内で高齢者を中心に高リスクの方々の死亡が相次ぎ、全国的に見ても相対的に高い死亡率・致死率となったことを痛苦の教訓とし、死亡を避ける積極的対応が必要です。
特に、高齢者等死亡リスクの高い患者について、早期かつ適切に入院ができるよう、医療費負担の軽減策、また、入院可能な医療機関の紹介など、命を守るための必要な公的支援を行うこと。
④医療費負担軽減
・新型コロナ関係の医療費自己負担化に伴う受診控えを避けるため、外来診療、検査費用も含めた自己負担軽減策を県として検討・実施すること。
⑤検査
・社会福祉施設等への集中的検査が引き続き実施されることは重要です。「地域において一定の感染者が発生した場合に実施する」としていることから、感染拡大の兆候を捉え速やかに実施すること。
・感染拡大を抑止するためには、無症状者への検査が引き続き有効です。今後の感染状況を踏まえ、無料検査センターや検査協力機関を再開すること。
・必要な方が検査を受けられないことがないよう、抗原検査キットの無料配布など公的な責任で適切に対応すること。
⑥後遺症への対応
・新型コロナウイルス感染症罹患後症状(いわゆる後遺症)が問題となっており、情報の集約・分析と、罹患した場合のリスクについて県民へ周知徹底すること。また、コロナ相談窓口において後遺症の相談にも対応できる体制の構築、および後遺症対応医療機関の周知・紹介をすすめること。
⑦施設等の感染防止対策
・高齢者施設・障害者施設・福祉施設や、学校および公共施設等への換気・空気清浄装置の設置について支援策を講じること。また、消毒液など感染防止用備品費用を補助すること。
2、物価高騰対策について
①医療機関・福祉施設等への支援
・医療機関・介護施設・障害者福祉施設、保育所、学校施設等への光熱水費高騰支援を行うこと。
②子育て世帯の負担軽減
・交付金を活用し、市町村とも連携した学校給食費(保育所等副食費を含む)を免除すること。
・交付金を活用し、市町村とも連携した保育所等(民営を含む)の保育料、および放課後児童クラブ等の保護者負担金を免除すること。
③高齢者世帯への支援
・在宅時間の多い高齢者世帯は、光熱水費高騰の影響を相対的に強く受けていると考えられることから、必要な支援策を検討・実施すること。また、年金額の抜本的な引き上げ等、高齢者支援を国に要望すること。
④特例貸付への対応
・緊急小口資金等特例貸付の返済について、国から示される見込みの返済免除の拡大について、早急に具体化し、対象者に周知徹底し、返済困難者に寄り添った対応を行うこと。
⑤中小零細業者等への支援
・中小零細業者への物価高騰対策として、前年比で一定以上光熱水費等が増加している事業者への支援金制度を設けること。
・コロナ関係の公的融資の返済について、返済猶予期間の延長や追加融資など、中小零細業者の実情に寄り添い、事業継続ができるよう適切に対応すること。
⑥一次産業への支援
・物価高騰および米価下落対策の支援として、主食用水稲10アールあたり数千円規模の補助を行うこと。
・園芸農業事業者への重油やLPG価格高騰分に対する補助を拡大すること。
・生産者に適正な価格が支払われることが、物価高騰で苦境にある生産者の経営を安定させ持続可能な食糧生産につながります。農畜水産物に対して、生産費を賄うことができる適正な価格形成を可能とするフードシステム(農畜水産物の生産、加工、流通、消費のサイクル)の実現を国に求めること。