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- 2022年01月12日
- 令和3年度国民保護共同実動・図上訓練の中止を求める要請(2022.1.12)
日本共産党高知県議会議員団は、県に対し、「令和3年度高知県・山口県・愛媛県国民保護共同実動・図上訓練の中止を求める要請」を行いました。
県からは、井上・副知事に対応いただきました。
今回の訓練が、「某国からの武力攻撃」を想定した高知県全住民の広域(県外)避難という非現実的なものとなっていることを指摘。
今回の訓練内容では、高知県住民の命と財産を守る上でも効果がないばかりか、むしろ、実際の武力攻撃に際して広域避難が可能であるかのように誤った認識を広げ、周辺諸国への不信感を高めて、政府が検討する「敵基地攻撃能力の保有」への「世論」喚起にもつながるもので、東アジアの平和な国際秩序の構築にも逆行するとして、中止を申し入れました。
副知事からは、今回の想定が国から示されたものであること、などの説明がありました。
申し入れ全文は以下のとおりです。
2022年1月12日
高知県知事 濵田省司 様
令和3年度高知県・山口県・愛媛県国民保護共同実動・図上訓練の中止を求める要請
日本共産党高知県議会議員団
団長 塚地佐智
2022年1月14日に実施される予定となっている標記訓練は、「某国から日本への武力攻撃の可能性の示唆等」があり、「武力攻撃予測事態認定の必要性を検討」し、「高知県が某国の攻撃目標となり得ると判断し、高知県住民を他県に避難させる」ことを想定したものとなっている。この間、高知県における国民保護訓練は、「高知市内での大規模テロ」等を想定していたが、今回は、「某国からの武力攻撃」というより踏み込んだ想定となっている。また、その想定の下で、これまで3回の国民保護訓練は図上訓練に留めていたものを、今回初めて実動訓練に拡大している。
これらの点をふまえ、以下の理由により、標記訓練実施の妥当性はないものと考える。
標記訓練は、
- 「訓練の概要」において、「※本想定の蓋然性は考慮しない」と記されている通り、著しく蓋然性が低い事態をあえて想定し、他国から日本・高知への攻撃が迫っているかの如く誤認させ、いたずらに高知県住民の不安および周辺諸国への不信感をあおるものとなっている。
- 「訓練の流れ」において、「県を跨ぐ高知県全住民の避難の一部分の避難場面を実施」とあるが、高知県全住民の県外避難は到底不可能であり、実際の「武力攻撃予測事態」に際し高知県住民の生命と財産を保護する観点から見て、何らの実効性も伴わない非現実的訓練となっている。
高知県住民の不安と周辺諸国への不信感を増大させることは、東アジアにおける平和な国際環境の構築にとって、大きなマイナスとなりかねない。また、岸田文雄政権が検討を表明している「敵基地攻撃能力の保有」に向けた「世論」喚起=「地ならし」となるものと指摘せざるを得ない。
加えて、このような非現実的な想定による実動訓練は、時間とマンパワーおよび税金を浪費するもので、高知県住民の生命と財産の保護、安全を守るという国・県の責務も果たされない。
以上の見地から、日本共産党高知県議会議員団として、標記訓練の中止を強く要請するものである。
【PDF】20220112kokuminhogo