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- 2021年08月20日
- 「想定外を想定する」新型コロナ対策緊急要望について
日本共産党高知県議会議員団と高知県委員会は8月24日、新型コロナウイルス感染症対策に関わって、以下の要望を県に対して行いました。県からは井上副知事にご対応いただきました。
特に、在宅療養について、日本共産党から、なるべく在宅を避けるように施策の検討を要望、副知事は、「在宅療養の確保に動いているが、医療従事者の確保がネック」と回答。在宅療養者への食料配布、保健所が中心になってのケア体制、夜間・休日対応の電話相談体制、また、必要な医療につなぐ体制は整えていると説明がありました。
県民の不安にこたえ、県の医療提供体制に関して県民への情報提供を強めることも併せて要望しました。
要望事項は以下の通りです。
2021年8月24日
高知県知事 濵田省司 様
「想定外を想定する」 危機管理の基本に立って、
新型コロナウイルス感染症の感染爆発を想定した万全の体制の確立を求める要望
日本共産党高知県委員会
委員長 春名直章
日本共産党高知県議会議員団
団長 塚地佐智
国内の新型コロナウイルス感染症は、全国で第5波が猛威を振るう厳しい局面を迎えています。感染力が極めて強いデルタ株に置き換わり、高知県も含め各地で過去最多の新規感染者が発生、若者も含め中等症、重症患者が急増する中で、医療がひっ迫し「医療崩壊」の危機が現実のものとなっています。
東京都にみられる「自宅放置」ともいえる状態――必要な医療が受けられず、感染拡大が「制御不能」となる深刻な実態に、高知県も直面しかねない危険性を強く認識する必要があります。
危機管理の鉄則は、「想定外をも想定」することです。その強い危機意識のもと、県機関と県民をあげての取り組みが、今、求められています。そのためには、県として、厳しい現局面に対応する新型コロナウイルス感染症対策をパッケージとして提案し、明確なメッセージを発することで県民と危機意識を共有することが重要です。よって、以下の取り組みを直ちに実施することを強く求めるものです。
1、検査について
◆無症状者から感染する新型コロナ感染症、特にエアロゾル感染が指摘されるデルタ株の感染抑制のために、「濃厚接触者」や「クラスター発生」に限定せず、はばひろく徹底した大規模検査を実施し、希望者がいつでもPCR検査を受けられる体制を整備すること。
◆「水際対策」を強化し、高知県独自に県外往来者へのPCR検査を実施すること。
◆積極的な検査を推奨するため、新型コロナウイルス感染症に対応する傷病手当など諸制度の充実と周知徹底、また、自宅待機となる濃厚接触者への給与補償・休業補償給付金制度を創設すること。
2、医療提供体制について
◆県、市町村、医師会、病院・診療所の責任者によるウェブ会議の実施などで迅速な情報共有をすすめ、県民に対しても情報提供すること。また、この情報共有を通じて、コロナ感染症から回復した患者を受け入れる「下り搬送」のシステムを構築すること。
◆重症化を防ぐ、抗体カクテル治療の実施できる病院を確保すること。
◆「自宅療養」を避けるために、さらなる病床確保、また、宿泊療養のためのホテルなどの療養施設の確保をすすめ、患者の健康管理と医療が提供できる体制を整えること。加えて、臨時医療施設の整備も検討・準備すること。
3、ワクチン接種について
◆ワクチン接種は希望者が誰一人とりのこされないよう要配慮者支援の機関、団体とも連携をとり推進すること。
◆デルタ株であっても重症化を防ぐことができるワクチン接種の有効性を周知徹底し、接種の促進を図ること。同時に、ワクチン接種をしても、なお、感染することや感染拡大に関与するリスクがあることを周知すること。また、設置している「高知県新型コロナウイルスワクチン専門相談電話」を、広く県民に周知すること。
4、暮らしを守る対策について
◆事業者への経営支援――とりわけ減収3割に届かず既存の支援金の対象外となっていた事業者も含め、さらなる支援策の計画を明らかにすること。
◆需要減・価格低迷している農水産品を県として買取り、学生など生活困窮者の支援にあてること。
5、国に対する要望について
◆国に対して、再度の持続化給付金や医療機関の減収補填などを求めるとともに、自治体が十分な対策をとれる財政措置を強く求めること。感染爆発を招いた東京五輪開催の教訓を学び、パラリンピック中止を求めること。
【PDFファイル】20210824covid-19