奮戦情報

  • 2021年02月01日
    新型コロナウイルス感染症対策に関する条例制定に関しての見解

2021年2月1日(月)に開催された「新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会」において、日本共産党高知県議会議員団(岡田芳秀委員)は、新型コロナウイルス感染症に関する条例制定の議論に関わって、以下の見解を発表いたしました。

 

2021年2月1日

日本共産党高知県議団

 

新型コロナウイルス感染症対策に関する条例制定に関しての見解

 

 新型コロナウイルスの感染収束にむけた有効な施策が必要なことは論を俟ちません。その基本は、行政と県民との間の理解と信頼に基づいて実施されることです。そのためには、感染者とその家族が安心して必要な保護・入院治療できる体制、積極的な検査戦略の構築、感染拡大防止に協力することで経済的打撃をうける事業者・従業員への正当な補償の提供が必要不可欠です。

また、感染症法は、過去に「患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かす」、「感染者の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適切に対応する」などとした「前文」を設けて法の趣旨を宣言し、過去の反省に基づき制定されたものです。

 県条例の制定にあたっては、以上のような基本にのっとるとともに、この間の県としての取り組みを具体的に検証・総括したうえで、県民合意のもとに作成される必要があります。

 

条例について意見を交わした1月27日の新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会では、執行部には条例をつくる考えがないことが明らかになりました。県民、事業者、医療機関等のご協力もあり、効果も確認され、新しい条例がないと新型コロナ感染症対応に困るという状況ではないとの説明でした。

しかし、日本共産党は、いまの県の取り組みでは不十分だと考えています。下記の観点で県民の立場にたった条例制定が必要です。

 

一.  国会で感染症法・特措法の改定議論がされていますが、時短営業の要請や入院勧告に従わない国民や業者に対して罰則と制裁を導入することには反対です。感染症対策は、国民の納得と合意、十分な補償、社会的連帯によって進められるべきだからです。条例は、県民の責務、自己責任を盛り込み、ましてや罰則を含むものであってはなりません。

 

二.  他方、県民の要望と現状に沿って県のはたす役割を明確にする条例制定が求められていると考えます。具体的には、①科学的根拠に基づく説明、②安心して治療・療養できる体制、③積極的検査政策の確立、④事業と雇用を持続できるに足る補償・支援、⑤コロナ禍で仕事を失うなど生活に困窮する人たちへの緊急支援、⑥公立学校や学生支援、などが盛り込まれることです。いま求められるのは、県民が安心して治療が受けられ、暮らしていけるようにするための施策であり条例です。